ガンコウラン(岩高蘭)とは?
ガンコウラン(岩高蘭)は、主に朝鮮・中国・シベリアなどの高山地帯に生育している植物です。日本にも特定の地域にのみ分布しています。高さは約10~25cmほどと背の低い植物です。小さく目立たないため、登山を趣味にしている方でも存在を知らないことがあります。今回はこの小さな植物にスポットライトをあて、特徴や見分け方をご紹介していきます。
ガンコウランという名前の由来は?
ガンコウランの和名は『岩高蘭』と書きます。漢字の通り『高い山の岩場に生育している蘭』という意味があります。育つ場所の特徴はその通りなのですが、ガンコウランはツツジ科で蘭の仲間ではありません。どこから『蘭』の名前が当てられたのかは、今のところわかっていません。
ガンコウランの特徴は?
分布
ガンコウラン(岩高蘭)は、本州より北側の比較的寒い地域に分布しています。ジメジメしたところは好きではありません。高い山の日当たりのいい岩場や海岸など、生育条件の厳しい場所に多く生えています。平地ではまず目にすることがない植物です。
葉と花
葉は互い違いに密集して生え、一枚一枚は細長い棒のような形をしています。匍匐性で茎が地面を這うように成長するため、緑の絨毯のような姿になります。花は赤紫色で、5月~6月に開花します。
実
ガンコウラン(岩高蘭)の実は、秋に最盛期をむかえます。ブルーベリーのように丸くて小さな実は、食べることも可能です。甘酸っぱい実でジャムも作れるため、収穫に訪れる登山者もいます。黒紫、赤みがかった青と生育場所によって違った色の実をつけます。
ガンコウランに似た植物と見分け方
ガンコウランに似ている植物のひとつに『ツガザクラ』があります。ガンコウランと同じツツジ科の植物で、アオノツガザクラやコツガザクラなど種類が豊富です。葉の形がそっくりですね。
ガンコウランの見分け方は?
葉の形や生え方もそっくりな『ツガザクラ』と『ガンコウラン』を見分けるポイントは、花の色と開花時期です。ガンコウランは赤紫、ツガザクラは白、と異なる花を咲かせます。さらに、ガンコウランの開花は5月からと、ツガザクラが葉だけの状態のときに咲き始めるため、この時期に区別するのが一番簡単でしょう。
まとめ
ガンコウラン(岩高蘭)の特徴についてご紹介しました。登山をしない方にとってはあまり馴染みのない植物かもしれませんね。高山には他にも多種多様な面白い植物が生育しています。森林浴をしながら、植物さがしの旅をしてみてはいかがでしょうか?
出典:写真AC