サネカズラ(実葛)とは?花や実など植物としての特徴や利用方法を紹介!

サネカズラ(実葛)とは?花や実など植物としての特徴や利用方法を紹介!

ラズベリーに似た真っ赤な果実が印象的なサネカズラの実は、おいしそうですが、食べられません。サネカズラの花や実、そして樹皮など植物としての特徴、ビナンカズラとも呼ばれる理由、生薬や民間薬としての利用法などを詳しく解説します。

記事の目次

  1. 1.サネカズラとは
  2. 2.サネカズラの利用方法
  3. 3.サネカズラの育て方
  4. 4.まとめ

サネカズラとは

基本情報

Photo by harum.koh

和名 サネカズラ(実葛)
別名 ビナンカズラ(美男葛)
サナカズラ(真葛)
学名 Kadsura japonica
英名 Scarlet kadsura
生薬名 ナンゴミシ(南五味子)
科名 マツブサ科 Schisandraceae
属名 サネカズラ属 Kadsura
形態 常緑または半常緑つる性木本

植物としての特徴

つるの特徴

サネカズラは常緑のつる性の本木です。丈夫でやわらかいつるをのばして、他の植物に絡みつきながら広がっていくのが特徴です。春~夏にかけて茎をまっすぐにのばし、夏以降はつるが絡まりあうように成長します。赤紫色の若いつるは粘液を含み、その後コルク層が成長して灰褐色に変色します。

葉の特徴

長さ5~12cmの葉は互生し、形は楕円形や長卵型です。やわらかく厚みがある葉は、ややツヤがあり、縁には鋸歯があります。葉の裏面は紫がかった灰緑色で、赤みのある葉柄が特徴です。

花の特徴

開花時期は7~8月ごろ、新しい枝の葉腋から花が垂れ下がるようにつきます。花柄は約2cmほどで、先端に淡黄色の径1~2cmほどの小さな花が下向きにつきます。雌雄異株と同株もあり、雄株の雄花には中央に赤い雄しべが球状に固まるのが特徴で、雌株の雌花には淡緑色の雌しべがつきます。

実の特徴

サネカズラが実をつけるのは秋から晩秋にかけてです。雌花が咲き終わると、長い花柄の先にキイチゴに似た直径3cmほどの真っ赤な粒々の実がつきます。11月ごろには成熟し、1つの果実の中に2~3個がはいります。

分布

サネカズラの分布は日本なら、関東以西、四国、九州、沖縄で、暖かい地域の山野などの広葉樹林の林縁などに見られます。海外では台湾や中国南部など暖かい地域に分布します。

名前の由来

サネカズラ(実葛)の名前は、秋が深まるころ、つるの先に赤く美しい実(サネ)がなることに由来します。別名のビナンカズラ(美男葛)は、水に樹皮を浸してとるネバネバした液体が、髪型を整えるために使われたことから名づけられました。カズラ(葛)はつるという意味です。

百人一首

「名にし負はば 逢坂山のさねかづら 人に知られで くるよしもがな」(藤原定方、百人一首25/後撰和歌集)と詠まれ、サネカズラは中世に編纂された「百人一首」に登場します。奈良時代の和歌集「万葉集」にも詠まれているため、昔から印象的な赤い実が多くの人の心をとらえてきたことがわかりますね。

花言葉

サネカズラの花言葉のひとつ「好機をつかむ」は、サネカズラが他の植物につるを絡ませながら這い上がっていく姿を象徴しているようにも、雌花と雄花が別々に咲くのに美しい実をつけることに由来するとも考えられます。他に「再会」「また逢いましょう」という言葉は、春に真上に成長していたつるが夏には絡まり合う姿を想像させます。

ボタ爺

ボタ爺

次はサネカズラの利用方法を紹介するぞ!

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サネカズラの利用方法

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