ドクゼリとは?自生地や特徴・見分け方を紹介!毒がある部位はどこ?

ドクゼリとは?自生地や特徴・見分け方を紹介!毒がある部位はどこ?

ドクゼリをご存知ですか?ドクゼリはドクウツギ、トリカブトと並ぶ日本三大有毒植物であり、とても危険な植物です。水辺に自生しており、春の山菜として親しまれているセリに似ています。今回はドクゼリの特徴や見分け方を詳しく紹介します。

記事の目次

  1. 1.ドクゼリとは?
  2. 2.ドクゼリの特徴
  3. 3.ドクゼリの見分け方
  4. 4.ドクゼリにそっくりな植物
  5. 5.ドクゼリ以外の日本三大有毒植物
  6. 6.まとめ

ドクゼリとは?

基本情報

名前 ドクゼリ(毒芹)
別名 オオゼリ(大芹)
学名 Cicuta virosa
分類 セリ科ドクゼリ属
分布 北海道から九州の湿地

ボタニ子

ボタニ子

セリといえば春の山菜だけど、ドクゼリは食べられないのかな?

ボタ爺

ボタ爺

ドクゼリは毒をもっているんじゃよ。

日本三大有毒植物のひとつ

日本三大有毒植物はドクウツギ、トリカブト、そして今回紹介するドクゼリの3つの植物のことを指します。誤食による死亡者が出るほど、毒性の強い植物です。姿がセリに似ていて毒をもつことから、ドクゼリと呼ばれています。学名の単語はCicuta=ドクゼリ属、virosa=毒のある、と訳せます。別名のオオゼリは、セリより大きいことから名付けられたのでしょう。

ボタニ子

ボタニ子

死亡者がでるほど有毒なんだね。

ドクゼリの特徴

生息地

北海道から九州の浅い沼や小川などの湿地が生息地です。ドクゼリはしばしば誤食される植物であり、間違われる植物としてセリやワサビがあります。セリやワサビも同じような環境が生息地なので、注意が必要です。

外見

出典: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082096.html

毒がある植物には見えないほど、かわいらしい花を咲かせます。後ほど、毒がある部位について詳しく説明しますが、この花の部分には毒を含んでいますよ。開花時期は6月~7月で、白い小花がまるく咲きます。「あなたは私を死なせる」「死も惜しまず」が花言葉です。まさに有毒植物にふさわしい花言葉ではありますが、衝撃的な花言葉ですね。関わるものに容赦はしないということでしょうか。

ボタニ子

ボタニ子

きれいな花なのに!

ボタ爺

ボタ爺

毒も人間に対して毒なだけであって、昆虫にとっては毒ではないんじゃよ。だから花粉や蜜を目当てに寄ってくるんじゃ。

芽生えの葉

出典: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082096.html

この時期はセリと葉が似ているため、間違われやすく誤食されます。見分け方は記事の後半でも紹介していますが、香りと根茎での判断となります。

ボタ爺

ボタ爺

この若葉のころが一番誤食されてしまうんじゃよ。セリに似ているじゃろ。

根茎

出典: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082096.html

写真のように縦にわってみると、たけのこに似ていますよね。これは根茎と呼ばれ、根のようにみえる茎のことを指します。地下茎ともよばれますね。この根茎の部分の毒は特に強いです。

ボタニ子

ボタニ子

ある程度成長すると、この根茎を自ら水辺に流して増えていくようだよ。

有毒

毒がある部位

毒がある部位は全草です。全草とは、花・茎・葉・根のすべてのことです。特に、根の部位の毒が強いといわれていて、食べることはもちろんできません。5gの摂取で致死量にいたります。とても少ない量で致死量に達してしまうのがわかりますね。皮膚からも毒を吸収するため、見つけても触らないようにしましょう。汁を塗って、死亡した例があります。

ボタニ子

ボタニ子

5gってどのくらいの量?

ボタ爺

ボタ爺

身近なわかりやすいもので例えると、1円玉が1枚=1gじゃから5枚分の量じゃな!

中毒症状

中毒症状 嘔吐、下痢、腹痛、目眩、動悸、耳鳴、意識障害,痙攣、呼吸困難など
発病時期 30 分以内の短い潜伏期間の後に発症。

誤って食べてしまった場合、上記で引用している症状があらわれます。すぐに病院で処置を受けなくてはいけません。誤って食べてしまわないように、このあとドクゼリの見分け方を紹介していますので、参考にして気を付けてくださいね。
ボタ爺

ボタ爺

病院での解毒方法は、症状の具合にもよるが強制利尿や透析をして体外に毒を排出する方法をとるそうじゃ。

ドクゼリの見分け方

ドクゼリは、しばしばセリやワサビと間違われます。これら3つの植物の生息地は、水辺であり同じ環境に自生しているので、間違えてしまうのは仕方のないことかもしれません。しかし、その間違いが命取りになることもあるので、見分け方を覚えておいたほうがよいでしょう。セリやワサビとの見分け方は、そう難しくはありません。ここでは見分けやすいポイント別に、違いを紹介しています。

見分けポイント①根茎

根茎でワサビと見分ける

ある程度育った根茎は、ワサビと間違われることがあります。上の写真がワサビとドクゼリのどちらか、わかりますか?正解はワサビなのですが、素人だとどちらかなんて、自信をもって答えられませんよね。根茎での見分け方は、根茎をわって中をみることです。ドクゼリの中は、タケノコのように節があるので一目瞭然ですね。ワサビの中は、空洞はありません。

根茎でセリと見分ける

上の写真はセリですが、根がひげ根ですね。ドクゼリには根茎があるので大きく違います。もし、見分けられなくて迷ってしまった場合は、まわりの土を掘ってみて、根の状態を確認してください。根茎があればドクゼリ、根茎がなくひげ根の場合は、セリだと見分けられます。

ボタニ子

ボタニ子

これだけはっきり違いがあるなら、根茎を見れば見分けられるね!

見分けポイント②背丈

根茎のほかに、見た目でセリと見分けるポイントとして、背丈があります。植物の背丈が大きくなる花の時期に、セリは30cmほどですが、ドクゼリは1mとかなり大きさが違います。「大きいセリだなあ」と思ったら、それはドクゼリかもしれません。

ボタ爺

ボタ爺

あくまでも花が咲くころの背丈での見分け方であって、セリと間違えやすい若葉のころは、根茎やこのあと紹介する香りで判断するのが賢明じゃ。

見分けポイント③香り

セリには、セリ特有の独特な香りがありますが、ドクゼリからはその香りはしません。見分けが不安な場合は、葉を揉んで香りを確かめてみてください。特に、若葉のころはセリとドクゼリの葉はよく似ているので、根茎と香りの二重で確認することが大切ですね。

ボタニ子

ボタニ子

たのしい山菜採りが思わぬ事故につながらないように、3つの見分け方を覚えておいてね!

ドクゼリにそっくりな植物

ドクゼリモドキ

ドクゼリにそっくりな植物に、ドクゼリモドキがあります。見た目がドクゼリに似ていることからつけられました。毒はありません。ドクゼリとの違いは、花がまるく咲かない点です。別名にホワイトレースフラワーがあり、その名前で知っているという方もいるのではないでしょうか。主に園芸品種として親しまれていて、切り花や花束の引き立て役としてよく使われています。また、白斑薬の原料となる植物です。

ボタニ子

ボタニ子

ドクゼリとドクゼリモドキ、そっくりで見分ける自信がないよ~。

ボタ爺

ボタ爺

ドクゼリモドキが欲しければ、花屋に行けば安全に手に入るぞ。花屋では、ホワイトレースフラワーの名前で売られているから、覚えておくんじゃぞ。

ドクゼリ以外の日本三大有毒植物

ドクウツギ

ドクウツギはおいしそうな赤い実であるため、誤食されることがあります。食べると甘みもあり、木苺がなる時期とかぶるため、昔は子どもによる誤食が多く発生していました。近年は、絶滅寸前まで数が減ってしまったようで、ほとんど誤食による中毒事故は発生していません。

ボタニ子

ボタニ子

こんなにおいしそうな見た目なのに、食べられないなんて。

ボタ爺

ボタ爺

毒があるんじゃから、しかたないじゃろ。

トリカブト

出典:写真AC

トリカブトはドクゼリと同じく、山菜に間違われやすい植物です。花を咲かせている状態であれば、間違うことはほとんどありませんが、若葉のころは要注意です。毎年、誤食者が出ており、死亡者も出ています。また、トリカブトの毒に対しては、解毒剤や特効薬はないのが現状です。不美人を表す「ブス」という言葉は、トリカブトの毒で無表情になってしまうことから由来しています。

ボタニ子

ボタニ子

トリカブトは有毒で有名だよね。私も名前は聞いたことあるよ。

ボタ爺

ボタ爺

アイヌ民族が矢毒として使っていた毒じゃな。

まとめ

今回は、日本三大有毒植物のひとつであるドクゼリについて紹介しました。ドクゼリは水辺に自生していて、白い花を咲かせる有毒植物です。また、見分け方はドクゼリの特徴である根茎や根茎の中の様子、背丈、香りなどで見分ける方法があります。見分けることは難しくはありませんが、不安を感じる場合は食べることはやめて、安全を優先しましょう。

ににおん
ライター

ににおん

子育てしながらガーデニングも楽しんでいます。なかなか目が離せない時期なので、今は最小限の植物だけ可愛がっています。ミニバラが特に好きで、毎年ひとつずつ種類を増やしています。ジジちゃんがお気に入り。読みやすく、わかりやすい記事を提供します。

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