アカメガシワとは
アカメガシワは、日当たりのよい野山や空き地など、場所を選ばずに生えています。自然に生えているため注目することはないかもしれません。しかし見たことがある人は多いでしょう。丈夫で成長が早く、どこにでも生えているアカメガシワは、料理や漢方としても使われています。そんなアカメガシワの育て方や増やし方、注意点までをご紹介します。
基本情報
学名 | Mallotus japonicas |
別名 | ヒサキ・ゴサイバ・サイモリバ など |
分類 | トウダイグサ科 アカメガシワ属 |
原産 | 日本・中国・朝鮮・台湾 |
形態 | 落葉高木 |
高さ | 3m~10m |
花期 | 5月~7月 |
名前の由来
アカメガシワは、カシワと同じように食べ物をのせるお皿として使われていました。別名の「五菜葉」(ゴサイバ)や「菜盛葉」(サイモリバ)はそこからきています。また、新芽が鮮やかな赤色をしていることからアカメガシワとなりました。
花言葉
花言葉は「繊細」や「澄んだ心」「忠実」などです。アカメガシワは万葉集にも出てきます。昔は「久木」(ヒサギ)と呼ばれていて、万葉集にも詠まれています。アカメガシワの新芽が赤くきれいで、詩にもたびたび用いられました。
アカメガシワの特徴
特徴①新芽
春に出てくる新芽は名前の由来にもなったとおり、赤色をしています。これは葉そのものの色ではなく、密生して生えている毛が赤色のため、葉全体が鮮やかな赤い色に見えるのです。成長するにつれ、毛の密度が薄くなるため、葉の色も本来の緑に見えるようになります。
特徴②花(雄花と雌花)
アカメガシワは雌雄異株で、雌花と雄花が別々の株に咲きます。雌花の木と雌花の木が別々に存在し、5月~7月ごろに花が咲きますがどちらも花びらはなく、それぞれ違う形です。雄花にはおしべが球状にたくさんついていて、色は薄い黄緑色です。雌花はめしべの柱頭が根元まで3つにさけた形で薄い黄色をしていますが、受粉すると紅色になります。
特徴③実
花のあとには小さな黒い実がなります。実には柔らかいトゲがたくさんついていて、熟するのは9月~10月ごろです。熟すると裂けて4mmほどの紫黒色の艶のある種ができ、固いですがムクドリやキジバトなどの鳥が好んで食べて、また散布されていきます。種の寿命は100年ともいわれ、とても長いです。
特徴④葉痕と新芽
冬越しの楽しみのひとつは、葉痕です。かわいらしいハートの形をしています。新芽は灰色や褐色の密生した毛に覆われ、守られています。枝の先端につく芽は成長して大きくなりますが、側芽は小さな球状です。
特徴⑤樹皮
樹皮は灰褐色で、縦に割れ目ができてきます。若木は白くてきれいな樹皮で、歳を重ねると、だんだん裂け目ができて網目の模様になります。夏場に葉や樹皮を採り、よく干したものは染料や漢方などにも使用可能です。冬場に樹皮を採るとアレルギーを起こすことがあるため、注意が必要です。
ボタニ子
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