イヌツゲとは?特徴や生垣としての育て方・管理方法をご紹介!

イヌツゲとは?特徴や生垣としての育て方・管理方法をご紹介!

イヌツゲは生垣や玉散らし仕立てなどとして、和風の庭造りには欠かせない樹種です。病気にも強く簡単な管理でグリーンを維持することができるため、最近ではトピアリーなどガーデニングに利用されています。そんなイヌツゲの種類や育て方、管理方法をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.イヌツゲとは
  2. 2.イヌツゲの特徴
  3. 3.イヌツゲの種類
  4. 4.イヌツゲの育て方
  5. 5.イヌツゲの剪定
  6. 6.イヌツゲとツゲの違い
  7. 7.有名なイヌツゲの木
  8. 8.まとめ

イヌツゲの剪定

クリックするとAmazon商品ページへ飛びます

イヌツゲは病気や害虫に強く、簡単な管理で長く楽しめる樹種です。日陰でも育ち、大気汚染などにも強く丈夫です。また強剪定ができるので日本では昔から身近な庭木でした。しかしイヌツゲは丈夫なだけに萌芽力が旺盛なので、剪定をしないとぼさぼさの印象になります。そのため剪定は必ず行うようにしましょう。剪定などの管理が美しい樹形を保つコツです。代表的な剪定の種類をご紹介します。

生垣

生垣の作り方

  1. 生垣を作りたいサイズを決めます。(長さ、奥行き、高さ)
  2. 生垣を作る場所の真ん中に40〜50cmの間隔で均等に苗木を植え付けます。
  3. 生け垣用のプラスチックや竹などを使い、生垣を作る長い方の辺に麻紐などで苗木を挟むようにガイドラインを作ります。
  4. 高さを決めて、上部を平らに切りそろえます。
  5. 側面をガイドラインからはみ出さないようにカットします。(下部に日光を当てるため、上部が少し小さめの台形状に剪定します。)
剪定は4〜6月と9月の年2回です。ガイドラインを出た枝を剪定していきます。上部を剪定することにより、下部の枝が伸びてきます。

トピアリーの作り方

トピアリーの作り方

  1. 根元まで枝葉の多いイヌツゲの苗を選びます。
  2. 針金を用意し、作りたい形の輪郭フレームを作ります。
  3. イヌツゲ を植え付け、フレームをセットします。
  4. 枝は切らないで、できるだけフレームに誘引します。

トピアリーの管理
  1. 水切れに注意します。水切れで葉が落ちると回復させるのが難しいので、特に夏は乾燥に気を付けます。
  2. 5〜9月までは害虫対策に殺虫剤を撒きます。
  3. フレームから外に伸びる枝はカットします。
  4. なかなか形が整わない場合は株を足して形を作ります。

玉散らし仕立て

玉散らし仕立ての作り方

  1. 仕上がりの高さ、幅、大体の形を決めます。
  2. 1番上の樹冠の玉から丸く作ります。
  3. 2番目の玉からは前後左右バランスよく散らして玉を作っていきます。
玉散らし仕立てのコツは一番上の玉を小さく薄く、一番下を大きく厚く、上から下へ、玉の大きさをだんだん大きくしていくことです。玉散らし仕立ては伝統的な和風の庭でよく見られる剪定の方法です。イヌツゲの特徴を生かした日本的な雰囲気の育て方ですが、大きな木の剪定には慣れが必要です。植木の剪定初心者は専門業者に依頼するほうがよいでしょう。

イヌツゲとツゲの違い

クリックするとAmazon商品ページへ飛びます

  イヌツゲ ツゲ
分類 モチノキ科モチノキ属 ツゲ科ツゲ属
葉の付き方 互生 対生
花弁がある 花弁がない
開花時期 5〜6 月 3〜4月
種子 10〜11月果実のまま黒く熟す 9〜10月果実が避けて放出
成長 早い 遅い
用途 庭木、とりもち 櫛、印鑑、将棋の駒

イヌツゲとツゲは見た目も名前も似ていますが、全く違う種類の植物です。ツゲは成長が遅いため、木質が硬く滑らかな木材として櫛や印鑑の材料になります。それに対しイヌツゲは質が劣るため「犬」が付けられたと言われています。(名前に「犬」とついているものは材木にならない、食べられないなど、悪いイメージの植物です。)一番、簡単な見分け方は葉の付き方を観察することです。

ツゲの葉

上の画像はツゲの葉です。ツゲは葉が左右同じところから生えます。対になって生えていることから「対生」です。

イヌツゲの葉

上の画像はイヌツゲの葉です。イヌツゲは葉が左右互い違いにズレて生えます。互い違いに生えることから「互生」です。

有名なイヌツゲの木

イヌツゲは身近な庭木ですが、東京都武蔵野市にある源正寺のイヌツゲは市指定天然記念物になっています。樹齢300年くらいと推定されています。樹高約4m、幹囲は1.9m(地上約0.7mの高さ)です。若木から独立して植栽され、鑑賞するための育て方をされてきたため、樹齢のわりに樹高が低く、低部より横枝が出ているのでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。イヌツゲは小さな葉が密集することが特徴の、丈夫で病気や害虫、剪定にも強い育てやすい樹種です。庭のアクセントや鉢植えのトピアリーとしての育て方もでき、生垣として庭に仕切りを作ることもできます。ガーデニングのアイディアの一つに加えてみてもよいのではないでしょうか。

green baggage
ライター

green baggage

マンションのベランダでミニ盆栽を20数年育てています。日本の春夏秋冬のイメージが地球温暖化で変わってきていると実感しています。そんな状況を乗り越え一緒に年月を過ごしてきた盆栽たちは人生の伴走者と思えます!

関連記事

Article Ranking