ヒラド(平戸ツツジ)ツツジとは?
まずは、ヒラドツツジがどのような花なのか基本を押さえておきましょう。
ヒラドツツジの基本データ
学名 | Rhododendron pulchrum |
園芸分類 | 常緑低木 |
科名 | ツツジ科 |
属名 | ツツジ属 |
原産地 | 長崎県平戸市 |
樹高 | 1~2m |
開花時期 | 4~5月 |
長崎県平戸市で栽培されていたケラマツツジを主な親として、リュウキュウツツジ、モチツツジ、キシツツジなどが自然交配と実生を繰り返してできたツツジを、まとめてヒラドツツジと呼びます。丈夫で刈り込みに耐え芽吹きが良いことから、公園や街路樹などにもよく利用されています。
ヒラドツツジの開花時期
開花時期は4~5月
ヒラドツツジの開花時期は4~5月です。桜が咲き終わる時期に見頃を迎えるヒラドツツジは、5月上旬頃が最も美しく、満開になる時期にはすばらしい光景をつくり上げます。長崎県平戸市の「崎方公園」や、京都府宇治市の三室戸寺「つつじ・しゃくなげ園」では、たくさんのヒラドツツジを楽しめるでしょう。
ヒラドツツジの樹高
樹高は1m~2m
ツツジの中では大型で、放任すると樹高は1~2mほどになります。しかし、刈り込みに強いため、お手入れ次第では樹高を低く仕立てることも可能です。大きな庭などでのびのびとダイナミックに育てれば、春にはひときわ目を惹く存在になります。また、生け垣や鉢植え、限られたスペースで楽しむ場合は、花が咲き終わった後すぐに剪定すると樹高を低く抑えられます。
ヒラドツツジの特徴
ツツジは手間をかけなくてもよく育ち、たくさんの美しい花をつけてくれることから、日本全国の公園や生け垣、遊歩道や道路沿いでもよく見かけます。たくさんの種類があり、ぱっと見ただけではなかなか区別がつきにくいものです。ここでは、ヒラドツツジの見た目や性質などの3つの特徴をご紹介します。
ヒラドツツジの特徴①:大きな花
ヒラドツツジの花はどれも大輪で、その大きさは10cmを超えるものもあります。花の色は主にピンク、白、赤、紫、赤紫などで、淡い色から濃い色までさまざまな色合いが魅力です。横向き~上向きに星の形のように咲きます。花びらの中央から「しべ」が空に向かって伸び、上方の花びらにあるガイドマーク(蜜標)が、昆虫たちに蜜のありかを知らせます。
ヒラドツツジの特徴②:常緑の葉
ヒラドツツジの葉は常緑で互生し、枝の先の方に付きます。大きさは5~10cmほどで、先がとがった楕円形で厚みがあり、葉の表裏や新梢には短くやわらかな毛が生えています。常緑の葉は明るい緑色で、ヒラドツツジの鮮やかな花とのコントラストが抜群の美しさです。常緑のため生け垣などにも向き、寂しくなりがちな冬の庭も明るい緑が目を楽しませてくれます。
ヒラドツツジの特徴③:耐寒性がやや弱い
長崎県平戸市が原産のヒラドツツジは、ツツジの中では耐寒性がやや弱く、暖地に向きます。冬に寒さが強くなる地域で育てる場合は、乾燥した冷たい風に当てないように、寒冷紗(かんれいしゃ)などを利用して保護すると安心です。鉢植えの場合は、霜が当たらない場所に移動させましょう。関東以西の暖地では問題なく育てられます。
ヒラドツツジの種類
ヒラドツツジの品種は、なんと300種以上もあるといわれています。ここでは、公園などでもよく見かける、美しく丈夫で育てやすい人気の品種を5種類ご紹介します。
ヒラドツツジの種類①:大紫(オオムラサキ)
ケラマツツジとキシツツジを親とする、ヒラドツツジの中で最も有名な品種です。耐寒性に優れ強健で、鮮やかな赤紫色の大輪の花が人目を惹きます。
ヒラドツツジの種類②:曙(アケボノ)
大紫の枝変わり。花の中心部のガイドマークが濃いピンク色で、全体的には淡い色合いの華やかで品のある大輪です。
ヒラドツツジの種類③:舞姿(マイスガタ)
なんとも愛らしいピンク色がとても魅力的な舞姿。巨大輪の花を一斉に咲かせた様子はにぎやかで見事です。
ヒラドツツジの種類④:白妙(シロタエ)
曙の枝変わりで、真っ白な花は常緑の葉との相性も良く、ヒラドツツジの中では落ち着いた美しさのある品種です。
ヒラドツツジの種類⑤:千重大紫(センエオオムラサキ)
その名前の通りの、大紫の八重咲き品種。赤紫のバラのような豪華な花をたくさん咲かせます。
ヒラドツツジの花言葉
ツツジ全体の花言葉は、「節制」 「節約」 「節度」 「慎み」 「自制心」 「訓練」 「努力」です。華やかな花のイメージとは違い、なかなか固い花言葉が並びます。日本原産ということもあり、古き良き日本人の気質を表現しているのでしょうか。
ボタニ子
続いて色別の花言葉を紹介するよ!
ピンクの花言葉「愛の喜び」
かわいいピンクの花がたくさん集まって咲く様子は、「愛」や「喜び」のイメージにぴったりです。
紫の花言葉「美しい人」
ピンクよりも大人っぽいイメージの紫の花は、品のある花型と相まって「美しい人」を連想させます。
白の花言葉「初恋」
純白の花の初々しさ、清らかさ、そしてやや控えめな印象の美しさが「初恋」のイメージにつながったのかもしれません。
ボタニ子
次のページでは、ヒラドツツジの育て方を紹介するよ!
出典:写真AC