チョウジソウ(丁字草)とは?特徴・見分け方や育て方をご紹介!

チョウジソウ(丁字草)とは?特徴・見分け方や育て方をご紹介!

チョウジソウ(丁字草)とはどんな花なのでしょうか?「はじめて聞く名前だ」「あまり馴染みのある花ではない」そんなイメージを持たれる方は多いかもしれませんね。あまり身近に感じることのないチョウジソウ。そのチョウジソウについて特徴、見分け方、育て方をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.チョウジソウとは?
  2. 2.チョウジソウの特徴
  3. 3.チョウジソウの見分け方
  4. 4.チョウジソウの育て方
  5. 5.終わりに

チョウジソウとは?

チョウジソウの基本情報

出典:BOTANICA

学名 Amosonia
和名 チョウジソウ(丁字草)
科名 キョウチクトウ科チョウジソウ属
分類 夏緑性多年草
分布 日本・中国・朝鮮半島などの東アジア

希少価値の高い花

チョウジソウとはどんな花なのでしょうか?日本では北海道から九州にかけて幅広く分布しています。やや湿り気のある、河川敷や湖岸などの草地を好みます。かつてはよく見られる花でしたが、現在では自生種は激減しており、なかなかお目にかかることのできない貴重な花となっています。環境変化によるところが大きく、環境省レッドデータブックにて準絶滅危惧種に指定されています。

チョウジソウの名前の由来

出典:BOTANICA

チョウジソウの花を横から見ると「丁」のように見えることから、丁字草(チョウジソウ)と呼ばれるようになったという説があります。

チョウジソウの特徴

花の特徴

出典:BOTANICA

星形の青紫色の花

チョウジソウは、星型の可愛らしい花を咲かせます。花の基部は筒状になっており、花冠が深く5裂して平らに開いていきます。花冠の裂片は細い楕円形です。花色は淡い青紫色のみで、1.5cmほどの大きさの花を多数咲かせます。花期は初夏の4月〜5月です。

葉の特徴

出典:BOTANICA

細長い披針形の葉

チョウジソウの葉は細長い披針形で、互生します。長さは6〜10cmほどです。幅は種によって違いがありますが、おおよそ1〜2cmほどです。また宿根草であり、5月ごろになると茎の高さが40〜100cmほどになるものもあります。

好む環境の特徴

フリー写真素材ぱくたそ

半日陰が適地

明るく半日陰から日向のような、あまり乾燥しない場所を好みます。やや暑さは苦手ではあるものの、多湿を好むため日本のようなジメジメした気候がピッタリの花です。耐寒性に優れているため、乾燥にだけ注意すれば放任でもよく育ちます。

チョウジソウの見分け方

チョウジソウ

出典:BOTANICA

チョウジソウは、日本に分布する本種チョウジソウ「Amsonia elliptica」を指します。葉の長さは6〜10cmほど、幅1〜2cmほどの披針形で、草丈は40〜80cmほどの大きさになります。

ヤナギバチョウジソウ

出典:写真AC

ヤナギバチョウジソウ「A.tabernaemontana」は、北米産の多年草でアメリカ南西部に分布している、チョウジソウの近縁種になります。葉の長さは8〜15cmほど、幅1〜2.5cmほどの披針形で、草丈は60〜100cmほどの大きさになります。

ホソバチョウジソウ

ホソバチョウジソウ「A.ciliata sun.A.angustifolia」も北米産の多年草ですが、こちらはアメリカ南東部に分布しています。葉の長さは4〜10cmほど、幅0.2〜1cmほどの線に近い披針形で、草丈は60〜100cmほどの大きさになります。

品種ごとの見分け方

  葉の長さ(cm) 葉の幅(cm) 草丈(cm)
チョウジソウ 6〜10 1〜2 40〜80
ヤナギバチョウジソウ 8〜15 1〜2.5 60〜100
ホソバチョウジソウ 4〜10 0.2〜1 60〜100

ホソバチョウジソウ<チョウジソウ<ヤナギバチョウジソウ
の順の大きさとなり、少しずつやや大型となる印象がありますが、実際には見分けはほとんどつきません。一方で、自生しているものがチョウジソウであり、園芸用に一般的に広く流通しているものが外来の2種であるといえます。

チョウジソウの育て方

開花時期

出典:BOTANICA

チョウジソウの開花時期は初夏、4月〜5月になります。その後、秋に紅葉して、冬は地上部が枯れて、春にまた芽が出てそして、再度開花します。

栽培環境

半日陰の場所が適地となります。日向でも育ちますが、やや暑さに弱いため、やや湿り気のあるジメジメした環境がおすすめです。乾燥に弱く、強い日差しが当たる場所では株が傷むことがあるので注意が必要です。

開花前

開花前の冬越しは、耐寒性が高いため、特に対策する必要はありません。

開花後

開花後の夏越しは、耐暑性は高いものの、乾燥と強い日差しが苦手なため、半日陰の場所にて管理します。

管理

Photo byJing

水やり

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いてきたらたっぷり水をあげます。庭植えの場合は、乾燥が続くような場合は水やりをしてください。基本的に自生する花のため、乾燥に注意しながらの時々の水やりで十分です。

植え付け時期

植え付けの適期は春の3月〜4月です。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を利用します。庭植えの場合には、用土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んでください。

植え替え時期

植え替えの適期は3月頃です。この頃芽が動き始めます。または秋頃でも可能です。鉢植えの場合は、2〜3年に1回植え替えが必要です。ひとまわり大きな鉢へ植え替えるか、株分けを行います。庭植えの場合も同様に、増えすぎているときは、株分けを兼ねて植え替えを行いましょう。

肥料

春か秋頃肥料をやります。肥料はさほど必要がないため、控えめで大丈夫です。

増やし方

出典:写真AC

チョウジソウの増やし方には、株分けと挿し芽があります。

株分け

植え替え時期の3月頃が適期です。掘り上げた株を切り分けて植え付けてください。

挿し芽

梅雨時期の6月〜7月頃が適期です。茎を先端から2〜3節の長さに切り取り、挿し穂にします。水揚げをしたら挿し木を用土に挿してください。水を切らさないように明るい日陰で管理するのがポイントです。発根するのを待ちます。

病気・害虫と注意点

病気や害虫はほとんど発生しません。さらに耐寒性、耐暑性に強いため、大変育てやすいです。しかし覚えておいてほしいことが1点あります。大変美しい姿を見せてくれるチョウジソウですが、その姿とは裏腹にチョウジソウは有毒植物です。根から種子ほぼ全草に毒成分が含まれています。とはいえ、触ったくらいでは危険はありません。誤食すると瞳孔が開き、血圧低下や麻痺を起こすことがありえます。絶対に食べないでください。この誤食に注意さえすれば安全な植物です。

終わりに

出典:BOTANICA

チョウジソウは自生しているものを見ることは、まれになってしまった草花ですが、育てやすい植物のひとつともいえます。チョウジソウの苦手とする乾燥に注意して、ぜひ一度、庭植えあるいは鉢植えにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?洋風和風どちらのお庭にも、ポイント使いにピッタリですよ。

ボタニ子

ボタニ子

チョウジソウは、育てやすさに加えてどんなお庭にもしっくりくる花になるんですね。

kinaco06
ライター

kinaco06

自然散策、植物、食べることが好きです。

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