ミクリとは?どんな植物?特徴や開花時期・利用法などをご紹介!

ミクリとは?どんな植物?特徴や開花時期・利用法などをご紹介!

ミクリという植物をご存じですか。あまり聞き慣れない名前かもしれません。しかし、日本全国に分布し、「山稜」として源氏物語の中の詩に使われるほど、昔から日本に生息する植物で、漢方として用いられることもあります。今回はミクリの特徴や利用方法について紹介します。

記事の目次

  1. 1.ミクリという植物とは
  2. 2.ミクリの特徴について
  3. 3.ミクリの利用方法
  4. 4.まとめ

ミクリという植物とは

学名 Sparganium Stloniferum Hamilt
別名 黒山稜、bur reed(英)、オバ(新潟)、トプカキナ(アイヌ)、サンリョウソウ、ヤガラ、カワスゲ
科名/属名 ミクリ科ミクリ属
種類 タマミクリ、ウキミクリ、ホソバタミクリ、エゾミクリ、ヒメミクリなど
分類 単子葉類、多年草
草丈 60cm~100cm
開花時期 6月~8月
原産地 ユーラシア

ミクリの分布場所

ミクリの分布場所は広く、北海道、本州、四国、九州とほぼ日本全国に分布しています。池や沼、溝などの浅い水中に生息します。

ミクリの名前の意味

ミクリは漢字で「実栗」と書きます。その名の通り果球(実)が栗のいがに見えるという意味で付けられました。また、学名の属名「Sparganium」の意味としては、葉の形がリボン状であることから、ギリシャ語での帯、バンドを意味する「spraganon」に由来しています。

ミクリの特徴について

ミクリの葉の特徴

先のとがった線型で、背面に稜(りょう)という角ばりがあり、横断面は三角形になります。幅は7mm~15mmで、高さは茎よりも高くなります。

ミクリの茎の特徴

葉の間から1本の茎が直立して高さが60cm~100cmほどになります。茎の上部は30cm~50cmの花序という複数の花をまとめてつける枝になります。花序は常に分岐します。

ミクリの花の特徴

開花時期は6月~8月の夏の時期で、白色の花を開花させます。開花の仕方が特徴的で、雄花と雌花が別々に集まって、頭状花序と呼ばれる花の付け方をします。雄花序が上のほうに、雌花序が下のほうにあります。雄花序は3枚の花と3個の雄しべがあります。雌花序は3枚の花被片と1個の雌しべがあり、3mmほどの糸状です。

ボタ爺

ボタ爺

花序は、枝に複数の花がついていると想像してみてくだされ。花被片とは、がくと花びらを区別せずに呼ぶ言葉じゃよ。

ちなみに、つぼみの状態は以下の画像のようになっています。

ミクリの実の特徴

雌花序が熟すと直径15mm~20mmの球形の集合体になります。緑色の栗のいがに似ています。

ミクリの利用方法

一般的には、枝と実を花束やアレンジメントに利用します。茎は他に、むしろやすだれなどに利用されます。また、ミクリヤ近緑種の根茎は「山稜」という漢方として、腹痛、止血に利用されます。民間では造血剤に利用することもあります。

まとめ

花の付き方などがなんとも不思議な植物ですが、小さな白い花や栗のいがに似た実がとてもかわいらしいですよね。水辺に行った際にはミクリが咲いていないか、ぜひ探してみてくださいね。

yuki
ライター

yuki

最近は窓辺で野菜を育てるのにはまっています。多肉植物を種から育てるのにも初挑戦中です。

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