合弁花(ごうべんか)とは?合弁花の種類や離弁花との違いをご紹介!

合弁花(ごうべんか)とは?合弁花の種類や離弁花との違いをご紹介!

合弁花とはどのような花なのでしょうか。ひまわりやつつじ、アサガオなど校庭や公園でよく見かける植物の花びらは合弁花と離弁花に分けることができますが、合弁花の花びらとはどのような特徴があるのでしょうか。離弁花との違いもいっしょにご紹介します。

記事の目次

  1. 1.植物における花とは
  2. 2.今回の説明に使う「花」の用い方
  3. 3.植物における花葉の特徴
  4. 4.植物の分類
  5. 5.花(花冠)の種類を見分ける
  6. 6.まとめ

花(花冠)の種類を見分ける

出典:写真AC

目を引いた色鮮やかな花びらや花冠は美しいと感じただけでなく名前も知りたくなりますが、名前を知るための手がかりは花冠の形や色、そして咲いている季節や葉の形、葉の付き方などから探っていきます。

花冠の種類は17種

植物の分類には花冠の特徴が最も重要な手がかりになります。花冠の種類は花葉を構成する四要素の特徴から大きく17種類に分かれています。離弁花の花冠には4枚の花弁が一対ずつ対応する十字形に並んでついている「十字型花冠」とよばれるアブラナ科の花冠などがあります。合弁花の花冠にはヒルガオ科の漏斗状の「漏斗形花冠」などがあります。

合弁花の花冠の特徴

出典:写真AC

双子葉植物17種類の花冠のうち、花びらが互いにくっついて一体化しているものや、花びらが離れていてもつけ根付近がつながっているものを合弁花(花冠)といいます。特徴はツツジやアサガオ (ヒルガオ科)の花のように、漏斗状(筒状ともいう)の形をしたものがほとんどです。

合弁花の花冠の種類

17種類の花冠の中で合弁花とよばれる種類は、壺形花冠 、鐘形花冠、漏斗形花冠、高坏形花冠、筒状花冠 、舌状花冠 、唇形花冠、ユリ形花冠、ラン形花冠が合弁花の花冠の仲間になります。合弁花植物にはキク科、アカネ科、ナス科、ツツジ科などが含まれています。

離弁花の花冠の特徴

出典:写真AC

離弁花は双子葉植物17種類の花冠のうち、花びらが互いに離れて独立した花葉になっているものです。花びら(花弁)のつけ根が一つ一つ分かれているアブラナやサクラなどが離弁花になります。花被(花弁・がく)がない面白い植物も含まれているので、合弁花以外は離弁花と考えてもいいでしょう。

離弁花の花冠の種類

17種類の花冠の中で離弁花と呼ばれる種類はバラ形花冠、蝶形花冠、ナデシコ形花冠、十字形花冠、スミレ形花冠、スミレ形花冠が離弁花の仲間になります。離弁花は合弁花より進化の遅れた形態とされ、花冠は古生花被 → 離弁花 → 合弁花と進化してきたとされています。

合弁花と離弁花の違い

出典:写真AC

合弁花と離弁花の違いを一言でおおざっぱに表現すれば、花びらの形が漏斗状(つつ状とも表現する)であるかどうかになります。花が終わるとき花びらが散るのは離弁花、しぼむ花は合弁花といった見分け方もありますが、植物学的な視点だと花びら(花葉)のつけ根がくっついているか離れているかで分けています。

見分けにくい、間違いやすい花びらがある

Photo byJemmyYao

ダリアはキク科ダリア属の多年生草本植物の総称

誤解されやすい花葉にユリや菊の仲間があります。アサガオに比べるとユリの花びらは4枚の独立した花びらにみえますが、がく(萼)と花葉が分かれておらず未分化の形なので、合弁花の花冠(離性花被)に入ります。

出典:筆者作成

キク科の花が合弁花のわけ

Photo byVictoria_Borodinova

花占いをするとき、コスモスやマーガレットの花びらを使って「愛している」「愛してない」といいながら花びらを一枚一枚取り除くことがありますね。花占いで使う花は花びらが単に円盤状に並んだだけのように見えますが、実はキク科のひまわりや菊などの花びらは根元がくっついている合弁花の仲間です。

たんぽぽはニセモノの花?

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たんぽぽの花は一つの大きな花葉に見えますが、1枚の花びらをもった花葉が集まったものなので、たんぽぽの綿毛に息を吹きかけて空に飛ばすと、種をもつ綿毛が舞っていきます。綿毛はがく片が変化したもので、一つ一つに種をもつ花葉だとわかります。たんぽぽの黄色い花全体は、花葉の定義からだとニセモノの花、偽花(ぎか)とされるタイプの花で、小さな花葉の集まりである頭状花(又は頭花)はキク科の特徴です。

まとめ

Photo bysh112

合弁花は受紛して実を結ぶ機能をもった種子植物の仲間で、発芽の子葉は双葉であることから双子葉植物に分類されています。さまざまな視点で分類される植物の呼び名を理解するのは少しばかり難しいと感じますが、花に近づく動物たちを観察していると命を感じられて楽しく、おすすめです。

大島さくら
ライター

大島さくら

医療、ガーデニング、DYI記事のwriterです。 大木の幹に触れるとパワーをもらえそうで触れたくなりませんか。深呼吸もいいですね。四季折々、草花に癒されて過ごしています。

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