園芸でのダブルデッカー/トリプルデッカーとは
ダブルデッカー/トリプルデッカーは層の数
ガーデニングの「ダブルデッカー」や「トリプルデッカー」とは、球根を隠し植えた寄せ植えを指します。開花時期や草丈を計算して花壇やコンテナに球根を仕込み、その上に季節の草花を植え付けます。球根を2層にして植え込むのが「ダブルデッカー」、3層なら「トリプルデッカー」です。
苗と球根を使い分けて植える
苗と球根の使い分け例【秋植え編】
秋に始めるデッカー植えの花苗と球根の使い分けを例に挙げましょう。表面にはアリッサムやビオラなどの根の浅い花苗を植えます。チューリップは早咲きの品種が3月末から、遅咲きが5月ごろに開花し、2週間ほどで花期は終わります。6〜8月ごろはユリの開花時期です。開花時期の異なる苗、球根を層にして植え込むと、シーズンごとの変化を楽しめるわけです。開花時期を知って、使用する苗や球根を使い分けましょう。
ダブルデッカー/トリプルデッカーのメリット
メリット①省スペースになる
デッカー植えでは花壇やコンテナの表面積だけでなく、土の中まで活用できて省スペースが叶います。鉢の数を減らして、世話がシンプルになるのも利点です。各季節の花苗や球根を花壇やコンテナに別々に植え込むと多くのスペースが必要なうえに、鉢やコンテナが増えやすく乱雑になりがちです。植え替えやスペース管理の手間を省きたい方におすすめといえます。
メリット②長い期間で花を楽しめる
同じ鉢や花壇で長く花を楽しめるのもメリットです。例えば秋に始めるデッカー植えは春に花の咲く球根を土の中に仕込み、秋~冬に楽しめる草花を表面に植えて常に華やかな状態を保てます。秋冬で耐寒性のあるシンプルな草花を楽しんだ後、春には花苗の間から球根が芽を出します。シンプルなイメージを一新するように華やかに変化する様子は感動的ですよ。
難易度が少し高めなのがデメリット
球根が開花し、デッカー植えが成功するとうれしい反面、生育不良の可能性もゼロではありません。長期にわたり多くの生体が混在するため、栄養の奪い合いになりがちです。球根の芽が出なかったり、花が咲かなかったりするトラブルもまれにあります。また、鉢やコンテナの場合水分管理にも気をつけましょう。球根に水が届かなかったり、上部の草花が水分過多で根腐れしたりすることもあります。
ボタ爺
浅めに植えるクロッカスなどの球根は失敗が少ないが、やや深く植えるチューリップは咲かないこともまれにあるぞ。
ボタニ子
排水性のよい土や遅効性の肥料を使うこと、鉢の深さや温度管理に気をつけることで解決できるわ。
メリット③お世話を忘れにくい
植え付け直後から草花が観賞できる花苗と違い、球根を植えた後は地表に植物が見えないため、とかくお世話を忘れがちです。球根の中には水分が不足すると成長に支障が出るものもあり、植え付け後も管理は必要です。デッカー植えにして上に根の浅い草花を植え付けると、水やりや天候により鉢を移動させるなどのお世話を忘れにくくなります。
出典:筆者撮影