ワイルドフラワーとは
ワイルドフラワーは、野生の花という意味で、特定の地域に自生している花の総称です。ワイルドフラワーは、日本ではなかなか見ることのできない個性的な見た目のものが多くあり、見ているだけで楽しませてくれます。
原産は南半球
別名「ネイティブフラワー」とも
ワイルドフラワーは、オーストラリアや南アフリカ、ニュージーランドなどの南半球が原産地とされています。別名「ネイティブフラワー」と呼ばれ、日本だけではなく、世界中から人気を集めています。ワイルドフラワーの開花時期は、広範囲に渡って花前線が移動するので、7月の最初に北の方から開花が始まり、12月の半ばまで楽しむことができます。
西オーストラリアで8割のワイルドフラワーが見られる
ワイルドフラワーは、確認されている種類だけで約12000種が存在しています。そして、全体の約8割は西オーストラリアに自生しています。西オーストラリアに多く自生している理由は、数億年前にゴンドワナ大陸が分裂したことにあります。このゴンドワナ大陸の分裂によって現在のオーストラリア大陸が生まれ、オーストラリア大陸特有の環境が、個性的な見た目のワイルドフラワーを数多く誕生させたと言われています。
ワイルドフラワーの観光スポット
ワイルドフラワーは日本でも鑑賞することができたり、栽培している地域があったりしますが、その種類はごく一部に限られます。オーストラリアは、ワイルドフラワーが多く自生していることで観光スポットとなっていて、多種類のワイルドフラワーを鑑賞できる行事が開催されています。詳しく見ていきましょう。
ワイルドフラワーフェスティバル
オーストラリアの州都「パース」にあるキングスパークという公園では、ワイルドフラワーフェスティバルが開催されます。その公園は、東京ドームが約87個分の広さがあり、その敷地内には約3000種類のワイルドフラワーが咲き乱れています。年に一度、9月に行われ、オーストラリアでしか見られない品種や、珍しいかたちの花がたくさん咲くので、世界中から観光客が訪れます。
ワイルドフラワーロード
オーストラリアでは、ワイルドフラワーが国道沿いに自生していて、その道はワイルドフラワーロードと呼ばれています。ワイルドフラワーロードは、限定された場所になりますが、幻の花と呼ばれる「リースフラワー」を鑑賞することができます。リースフラワーは、見た目が冠のように美しいことで人気ですが、乱獲されてしまったことが原因で、なかなかお目にかかれない希少な花となっています。
代表的な花は?
ワイルドフラワーが注目され続けている理由は、その独創的な見た目にあり、日本では切り花やブーケで使用されたり、ドライフラワーにされたりしています。今ではワイルドフラワー(ネイティブフラワー)の輸入は頻繁に行われているので、入手することは難しくありません。では、種類はどのようなものがあるのか、見てみましょう。
プロテア
プロテアという名は、見た目が神々しいという意味で、ギリシャ神話の神「プロテウス」から由来されました。南アフリカではシンボルとして国花に指定されるほど、とても大事にされています。日本で頻繁に輸入が行われていて、手入れが簡単なことから観賞用として人気があります。栽培するときには、冷たい風が苦手な植物なので、気温に注意してあげましょう。
リューカデンドロン
リューカデンドロンは、成長すると高さが約2mになり、大きな葉が実をつつむようなかたちで育ちます。葉が四方にひろがり、華やかさがあることで、フラワーアレンジメントで使用されることが多くあります。また、最近では日本で栽培されるようになったことで入手しやすくなりました。このことから、自宅の庭で育てたり、切り花に使われたりすることが多くなりました。
ミモザ
「ミモザ」という名称は、聞きなじみがあるかもしれません。この品種は、別名「アカシア」や「ワトル」として知られています。オーストラリアでは、州のあらゆるところで鑑賞することができて、国花になっています。ミモザの特徴は、綿のような花に発色のいい黄色い彩色をつけることです。
カンガルー・ポー
カンガルーの前足に似ていることから、この名前がつけられました。細かい毛をまとい、先端をよく見てみると、6方向に分かれていることが特徴です。赤やピンク、オレンジや緑など、花色が豊富にあることから、フラワーアレンジメントに使われることが多くあります。
ユーカリ
ユーカリは、コアラが食べることで知られています。ユーカリは綺麗な緑色をしているので、観葉植物として人気があります。また、ユーカリの精油には殺菌作用や鎮痛作用の効能があるため、アロマテラピーとして使用されることも多くなりました。
ワックスフラワー
小さい花が集まるように咲いているワックスフラワーは、その見た目が艶っぽく美しいという意味から名前が付けられました。柑橘系の香りがあり、小さい花を咲かせるワックスフラワーは、「繊細」や「可愛らしさ」などの花言葉をもちます。日本でも栽培されていて、丈夫な品種なので初心者にも育てることは難しくありません。
まとめ
ワイルドフラワーは、今でも新しい品種が発見されるなど、常に注目されている花です。日本でも入手しやすい品種がたくさんあり、お手入れもそれほど難しくありません。ワイルドフラワーの代表的な花は、どれも見た目が個性的ですが、可愛らしさを兼ね備えているものが多いのが特徴です。自宅のインテリアや切り花に取り入れてみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC