矮性(わいせい)の意味とは
「矮性」とは、簡単にいうと「標準よりも小さな形の性質」を指します。「矮」という漢字に「背が低い」「丈が短い」といった意味が含まれていて、これに性質を意味する「性」がついたものが「矮性」です。ガーデニング用語としてはよく「矮性種」や「矮性植物」といった使われ方をしており、背の低い種類や背の低い植物のことを意味しています。
「矮」を含む言葉の意味
「矮性」のイメージをつかむためのヒントとして、「矮」を含む言葉の一例をご紹介します。
「矮」を含む言葉の一例
- 矮屋(わいおく):低く小さい家や小屋のこと。
- 矮小(わいしょう):丈が低く小さいことやいかにも規模が小さいさま。
- 矮樹(わいじゅ):丈の低い樹。
- 矮短:丈が低くく短いこと。
- 矮星(わいせい):半径の小さい星。ドワーフスター。
「矮性」を意味する「ドワーフ」
英語では、矮性のことを「ドワーフ」とも呼びます。後ほどご紹介する矮性のトマトや桃などは英語圏で「ドワーフトマト」「ドワーフピーチ」と呼ばれています。また日本において販売されているものでも、種や苗木の名前表記に矮性ではなく「ドワーフ」と書かれているものもあるので覚えておくとよいでしょう。
対義語「高性」の意味
矮性の対義語は「高性」で、標準よりも背丈が高い性質を意味します。特に切り花にすることが目的の花卉類で、茎の長さを確保するために高性種の品種改良がなされてきました。育てた花を切り花にして飾ったりプレゼントしたりしたいというときには、高性のものを選ぶと収穫後の扱いがしやすいでしょう。
矮性種について
遺伝的に、あるいは薬剤処理などによって人為的に小さく作られた種類の動植物のことを矮性種と呼びます。矮性種は、ベランダなどの限られたスペースで栽培可能なことから高層住宅の普及とともに人気を集めるようになりました。また公園に植えておく樹木や花卉も低いものが求められるようになり、矮性種の品種改良が進んで現在に至ります。
矮性種の魅力①狭い場所で育てられる
アパートやマンションといった庭や畑がない場合も、矮性種であれば栽培が楽しめます。後ほど紹介するトマトやひまわりといった植物は一般的な品種だと大きく成長して狭いベランダなどで育てるのは大変でしたが、矮性種であればそこまでの空間的余裕を必要としないので手軽に育てられます。
矮性種の魅力②手間がかからない
一般的な品種と比べると、矮性種の方が手間がかからないことが多いです。大きく成長する植物は誘引や枝葉の処理が大変になってしまいます。この点についてはガーデニングや家庭菜園よりも専業農家の方がメリットを得やすく、矮性種の導入が作業コストカットにもつながっています。
ボタニ子
次ページからはさっそくガーデニングでおすすめの矮性種を紹介します!