セイヨウタンポポはどんな植物?
暖かくなると花を咲かせる代表的な春の草花の1つに、セイヨウタンポポが挙げられます。近年では在来種のタンポポよりも目にすることが多く、道端や野原などで見かけるものはほとんどセイヨウタンポポといわれているのです。ここでは、そんなセイヨウタンポポの基本情報や名前の由来、花言葉などについて解説していきます。
セイヨウタンポポの基本情報
学名 | Taraxacum offcinale |
英名 | Common dandelion |
和名 | 西洋蒲公英(セイヨウタンポポ) |
属名 | キク科タンポポ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
分布 | 日本全国 |
草丈 | 10~45cm |
花期 | 3月~9月 |
花の色 | 黄色 |
環境適応能力 | やや弱い |
いつ日本にやってきたの?
明治時代初期に家畜のえさとして北海道に持ち込まれたとセイヨウタンポポは、その後種を飛ばして帰化したとされています。そのほかにも若い葉っぱを食べるために栽培されたり、海外からの荷物などに種がついてきたりしたものが野生化して増えていったともいわれています。
なぜセイヨウタンポポという名前になった?
この名前は、ヨーロッパから日本に入ってきた外来種のタンポポという意味で名付けられました。また「タンポポ」は、かつては「鼓草(つづみぐさ)」と呼ばれていました。これは花や蕾を背中合わせにすると鼓のような形が由来します。やがて、鼓を叩いたときの音から「タンポポ」という名前に変わったとされています。
セイヨウタンポポの花言葉は?
「愛の神託」や「別離」「真心の愛」という花言葉を、セイヨウタンポポはもっています。「愛の神託」は、ヨーロッパで昔から綿毛を吹き飛ばして占う恋占いが由来の花言葉です。また「別離」は綿毛が散り散りに飛んでいく様子が由来となっていて、「真心の愛」は花がいつも太陽に向いている健気な姿が由来とされています。
セイヨウタンポポの特徴
ヨーロッパ原産のセイヨウタンポポは、日本に昔から自生しているニホンタンポポとは違う特徴をもっています。ここでは花や繁殖方法などのセイヨウタンポポの特徴について見ていきましょう
特徴①花
花の形状は、たくさんの舌状花が集まった頭状花と呼ばれるものです。日本のタンポポよりも舌状花は小さめですが数が多く、頭花が3.5~4.5cmと在来種のタンポポより大きいのが特徴です。また二ホンタンポポのように夏の休眠期がなく、春から秋にかけて次々と咲いていき、長い期間花を楽しめるという特徴もあります。
特徴②繁殖方法
セイヨウタンポポには、受粉しなくても自分だけで種をつくって増やせる特徴があります。この方法は、ハチなどの虫の力を借りることなく確実に早く種をつくれるため、セイヨウタンポポは日本でどんどん増えていきました。この強い繁殖力から、在来種の生態を崩す恐れがあるとして環境省指定要注意外来生物とされています。
特徴③種
ニホンタンポポの種より数が多く、小さいのがセイヨウタンポポの種の特徴です。種は小さくて軽いため遠くまで風で運ばれやすく、広い範囲で繁殖できます。また発芽可能温度が4℃~30℃で着地後5日ほどで発芽します。日本ではほぼ1年中発芽できるのも特徴の1つです。
特徴④環境適応能力
セイヨウタンポポという植物は繁殖力が強いわりに、じつは環境適応能力があまり高くありません。これは、受粉せずに作られた種が生体や遺伝子をコピーしたクローンであるが原因です。別の個体と受粉して繁殖する植物は、環境の変化や害虫に強いものが生まれますが、クローンは同じ適応能力のものしか生まれないからです。