イエルバブエナとは?
イエルバブエナ(イエルバ・ブエナ)は、爽やかな香りのハーブです。多く流通しているのはアップルミントとスペアミントに近い種類で、主にカクテルのモヒートの材料に使われています。
イエルバブエナの基本情報
名前 | イエルバブエナ、キューバミント、モヒートミント |
学名 | Mentha nemorosa |
科/属名 | シソ科ミント属(ハッカ属) |
原産地 | キューバなど |
収穫時期 | 春~秋 |
草丈 | 30cm~50cm |
耐寒性/耐暑性 | 耐寒性あり/耐暑性は普通 |
分類 | 多年草 |
名前の意味や別名
イエルバブエナ(Yerba Buena、Hierba Buena)はスペイン語で「よい草」「よいハーブ」の意味で、多くの場合シソ科ミント属のスペアミントとアップルミントの交配種(学名Mentha nemorosa)を指します。キューバ発祥のカクテル「モヒート」に使われていることから、別名として「キューバミント」「モヒートミント」と呼ばれています。
イエルバブエナの特徴
イエルバブエナの形状は、ミント属の中ではスペアミントに似ています。茎は少し赤みを帯び葉はアップルミントほどの厚みはなく、やや濃い緑色です。若葉のような野性味のある香りで、味はほんのりした甘みと清涼感があります。地下茎で増え、ほかのミントと同様に繁殖力が強いのが特徴です。夏に薄ピンク色がかった白い花を咲かせます。
イエルバブエナと呼ばれている他の種類
クリノポディウム・ダグラシー
イエルバブエナと呼ばれるハーブはほかにもあり、アメリカ西部では、クリノポディウム・ダグラシー(学名:Clinopodium douglasii)のことをいいます。ミントに似ていますが、シソ科トウバナ属の種類です。
ベルガモット・ミント
またアメリカ中部には、ベルガモットミント(学名:Mentha aquatica)のことをイエルバブエナと呼ぶ地域もあるようです。こちらも爽やかな香りで「よいハーブ」といえますね。
イエルバブエナの育て方
栽培カレンダー
イエルバブエナは育てやすいミントです。種の入手が難しいので、苗から育てましょう。植え付け適期は春か秋です。屋外で冬越しもでき暑さにも耐えますが、蒸れには弱いので夏前に大きく切り戻します。
苗の入手方法
イエルバブエナの苗は、大型の園芸店やハーブ専門店で入手できます。しかしまだ全国どこでも手にいれやすいハーブではありません。入手できない場合はネット通販を利用するとよいでしょう。
育て方①植え付けと用土
鉢植え
ミント系は繁殖しすぎることがあるので、イエルバブエナもプランター栽培がおすすめです。植え付けには、ハーブ用培養土か草花用培養土を使うと便利です。自分で準備するなら赤玉土と腐葉土、バーミキュライトを6:3:1の割合で混ぜ合わせ、緩効性肥料を施してください。
鉢植え栽培の注意点
ミント属の植物はほかの植物を駆逐しやすく弱らせてしまうことがあるので、寄せ植えは避けた方がいいでしょう。また根が張りやすく1年経つと根が回るため、毎年植え替えることがおすすめです。早春または秋が植え替えに適した季節です。
庭植え
庭植えは緩効性肥料を元肥に施し、風通しのよい半日陰に植えるといいでしょう。完全な日陰だと葉の香りが薄くなります。また地下茎で旺盛に増えますので、ほかの植物とは離して植えてください。間隔をあまりあけられないときは、境界にコンクリートブロックなどを埋めて根が進出しないように仕切るとよいでしょう。
地中に埋め込む仕切りには、100均の下敷きなども利用できますよ!
ボタニ子
それでも隙間から生えてきたら、そのつど根元から掘り上げてね!
育て方②水やりと追肥
イエルバブエナは乾燥を嫌うので、鉢植えでは土の表面が乾いたら水やりします。夏場は暑くなる時間帯を避けるか、涼しい半日陰などに置いて水やりしてください。庭植えは日照りが続いたときのみ水やりします。追肥は庭植えには必要なく、鉢植えには年に1回、3月頃に与えるのがベストです。
育て方③収穫
屋外では、春から秋まで収穫できます。先端の葉が柔らかくてフレッシュです。茎のやや低い位置で摘心をすると、切り口の両脇から芽がでて、こんもり横に広がって繁ります。収穫を兼ねて行うとよいでしょう。花が咲くと葉の香りが弱くなります。収穫メインで育てるなら、夏の開花前に切り戻してください。
育て方④増やし方
イエルバブエナは挿し木で増やせます。先の方から10cm程度切り取り、下半分の葉を取って挿し穂を作ります。水に5分ほど浸けてから挿し木用の土に挿しましょう。発根がしやすく水挿しもできます。根が出たら鉢に植え替えてください。
次のページでは季節の管理方法についてご紹介します。
出典:筆者作成