旅人の木とは?
植物名 | 旅人の木(タビビトノキ)/扇芭蕉(オウギバショウ) |
学名 | ラベナラ・マダガスカリエンシス |
科名 | ゴクラクチョウカ科 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
耐乾性 | 強い |
耐陰性 | あり |
花言葉 | 「何ものも恐れぬ精神」「緑いっぱいのトロピカル気分」 |
旅人の木の特徴
扇のように広がる葉が特徴的な植物です。幼木のときは青々とした葉を茂らせますが、育つにつれて葉茎を落とし、丈夫な幹が現れ、扇状に葉をつけます。葉は「世界で最も大きな葉」の1つといわれ、明るい緑と黄色のトロピカルな色合いが人気です。ハワイなどのあたたかい地域でよくみられます。
名前の由来
旅人の木の名前の由来は2つあるといわれます。
- 自生する旅人の木は、左右に広がる葉の表面が「南」葉が「東西」を向いて育つため、旅人がコンパスの代わりに利用した
- 旅人の木は葉柄に水を溜めるため、旅人が喉の渇きを潤すときに使われていた
旅人の木の種
旅人の木が花を咲かせ、バナナに似た実が熟すと、美しいコバルトブルーの膜に包まれた種が顔を出します。しかし、旅人の木が花を咲かせるのはとても珍しいことです。そのため、旅人の木の種はなかなか手に入りません。特徴的な旅人の木の種は「種子の宝石」といわれ、観賞用としても人気があります。
旅人の木の繁殖方法
旅人の木の繁殖方法はマダガスカルにしか生息しないエリマキキツネザルだけを介します。昆虫や他の動物は旅人の木の送粉者にはなれません。エリマキキツネザルは旅人の木の蜜を好み、蜜を飲む際に体についた花粉を運んで受粉させます。しかし、エリマキキツネザルは絶滅危惧種に認定され希少な動物となってしまいました。また、受粉以外に株分けする方法もあります。
旅人の木の育て方
旅人の木は病気に強く、害虫も付きにくいため、初心者にも育てやすい植物です。明るい葉色が部屋を明るく見せてくれるため、グリーンインテリアとして人気があります。風水的にも「無駄遣いを防ぎ金運をアップする」といわれる植物の1つです。また、室内で育てている旅人の木は自生しているものほど育ちません。
置き場所
旅人の木は原産国の気候に近い環境を好みます。風通しのよい明るくあたたかい場所がおすすめです。しかし、夏の直射日光は避けましょう。最低気温が10℃以上は必要です。20℃以上になるとよく育ち始めます。石垣島などの地域では自生しているものも見られますが、そうでなければ室内や温室で育てるとよいでしょう。
水やり方法
旅人の木は乾燥に強く、土の表面が乾いたら水を与える程度で十分です。しかし、気温が20℃を超えてくる頃は成長期のため、受け皿からあふれるくらい水を与えて日に当てるとよく育ちます。秋冬の気温が低い時期は水やり頻度の間隔を空けてもよいでしょう。受け皿に溜まった水はその都度捨ててください。葉水をすると喜ぶだけでなく害虫予防にもなります。
植え替え
旅人の木は気候の条件が合えば数mにも育ちます。1~2年に1回植え替えをしてあげるとよいでしょう。根詰まりしてしまうと、弱ったり育ちが悪くなったりします。植え替える際は春のような暑すぎず寒すぎない気候の頃がおすすめです。植え替え後は窒素肥料を与えるとよく育ちます。
旅人の木はギフトにおすすめ
旅人の木はギフトとしてもおすすめです。花言葉の「何ものも恐れぬ精神」から、エールを贈る意味で栄転や開店祝いギフトにも人気があり、「緑いっぱいのトロピカル気分」から、楽しい幸せを祈って結婚祝いや新築祝いギフトにも喜ばれます。旅人の木自体の希少価値が高く、珍しいお祝いギフトとしてもおすすめです。
旅人の木を購入する際の注意
旅人の木はホームセンターや通販でも購入できます。しかし、幼木の旅人の木はオーガスタにそっくりです。見た目ではどちらなのかわかりにくく、「旅人の木/オーガスタ」とわかりにくい表示をしていることもあります。購入する前に販売店にしっかりと確認してから購入しましょう。
ボタニ子
こちらがオーガスタです。選ぶ際にはきちんと確認しましょう。
まとめ
旅人の木は名前だけでもインパクト抜群ですが、花言葉やその姿からも人を楽しませてくれます。生活の中にトロピカルな雰囲気を加えたい方には特におすすめの観葉植物です。また、旅人の木の種をオブジェやインテリアとして楽しんだり、人にプレゼントしたりしてもよいでしょう。旅人の木を通して、自然が生み出した鮮やかな色彩を堪能してください。
出典:写真AC