フィロデンドロンとは
サトイモ科に属する植物の名前です。世界中の亜熱帯から熱帯地域に生息する熱帯植物でブラジルやパラグアイ、コロンビアなど中南米原産が多いです。種類が非常に豊富で、つる性、直立性、ほふく性などがあり、葉脈がライムグリーンのものや茎が赤いものもあります。多年草で葉の大きさもまちまちです。栽培方法や育て方が難しくなく、花言葉もユニークな観葉植物として広く愛されています。
フィロデンドロンの特徴
熱帯植物のフィロデンドロンの特徴はなんといっても、その種類の多さにあります。200以上650種類から700種類と、全てが把握されているわけではありません。葉や葉脈の色や形、生体や花言葉などどれもユニークです。ホームセンターや花屋さんで手軽に手に入るものから、観葉植物専門店やインターネットで購入できる、小型、大型、希少種まで豊富です。
名前の由来
熱帯植物のフィロデンドロンの名前の由来や花言葉は、その生態からきています。直立性は幹をもたず自立し、つる性は気根を空気中に出し、他の樹木にからめて育ちます。樹木を愛して寄りそうように見えることから、ギリシャ語で愛するを意味する「phileo」と樹木と言う意味の「dendron」が合わさって「philodendron」になりました。「~カズラ」という和名はつる草という意味です。
花言葉
花言葉は西欧からきた文化です。姿形から象徴的な意味合いを花言葉によってつけます。セロームの花言葉は「愛の木」です。茎が赤いオキシカルジウムの明るい葉は「華やかな明るさ」という花言葉がつきます。大きさのある葉を四方八方に広げるクッカバラの花言葉は「壮大な美」「壮大な心」です。長めのハート型の葉をつけるアンドレアヌムは「用心深い人」という花言葉です。
フィロデンドロンの種類
フィロデンドロンは小型から大型まで非常に種類が多い熱帯植物で、すべてが分類されているわけではありません。同じフィロデンドロン属でも、葉や葉脈の形や色、育つ大きさも全く違う観葉植物です。栽培方法は大きく違いません。また、名前が違っても形がとても似ている種類もあります。いくつかピックアップしてご紹介いたします。
フィロデンドロン・オキシカルジウム(ヒメカズラ)
小型のフィロデンドロンです。ヒメカズラとも呼ばれるオキシカルジウムは一見ポトスによく似ています。つる性なので支柱に誘引して栽培してもよいですし、ハンギングでも楽しめます。ライムグリーンや黄色い斑入りのものもあります。茎が赤いものでピンク色の斑が入るものをピンクプリンセス、白い斑が入るものをホワイトプリンセスと呼びます。
フィロデンドロン・セローム(ビピンナティフィドゥム)(ヒトデカズラ)
代表的な観葉植物といえるでしょう。よく似たホープも有名です。葉脈にそって切れ込みの入った葉は光沢があります。ホープの場合は切れ込んだ葉もうねりをもちます。直立性です。古い葉が落ちると根茎に目の形が現れ、そこから気根がでます。人が手をひらいたような形をしているので、ヒトデカズラという和名をもちます。大きさがちがいますが似た種類に、ザナドゥ(クッカバラオージー)、ホープ、エヴァンシー、プルートなどがあります。栽培方法は同じです。
フィロデンドロン・ドメスティカム
長細い卵型の葉は先がとがっており光沢があります。つる性で鮮やかな斑が入りユニークなデザインの観葉植物です。葉脈にそって斑が入ることもあります。新芽と茎が赤いですが主軸は緑色です。似たようにダイナミックに斑が入るミルキーウェイという種類もあります。真ん中の葉脈からシンメトリーに斑が入る葉もあり、白、ライムグリーン、緑と斑の色も豊富です。ペインテッドレディも斑がきれいです。
フィロデンドロン・フロリダ(ベニヤッコカズラ)
ペダツム(ヤッコカズラ)とスクアミフェルムが交雑した熱帯植物です。裏の葉脈が赤味をおびています。斑は出たばかりの頃は薄いですが成長とともに美しくなります。茎が赤いのも特徴です。つる性ですので支柱などに誘引します。似た種類にパンドラ(センニンカズラ)があります。語源はラテン語のパンドゥリフォルメで、「バイオリン型の」という意味です。ジョーピー(ムネーニー)などがあります。
フィロデンドロン・ベルコーサム
直立性です。暗赤色の葉に複雑に走るライムグリーンの葉脈が美しい観葉植物です。葉裏はボルドー色で葉脈はライムグリーンです。葉裏の茎が赤い部分に緑の毛がはえています。この種類に似ているのはグロリーオーサムです。緑色の葉に一目でわかる白い葉脈が個性的です。葉は光沢がありますが、起毛感もあるので触るとビロードのようです。茎に毛ははえていません。
フィロデンドロンの育て方①:水やり
フィロデンドロンの育て方で大切なのが水やりです。とくに冬の栽培方法では水やりが重要になってきます。つる性も直立性も育て方はほぼ同じです。葉がうまく育たなかったりする場合、水やり方法のコツをつかめば、効果がでます。小型の鉢で栽培する場合は鉢ごと移動が可能ですが、大型の鉢の場合の対処法もご紹介します。
春~秋の水やり
水やりは季節によって調整します。春から秋にかけては成長期なので水の吸い上げがスムーズで育て方も簡単です。表面の土が乾いたら、下から流れでるほどたっぷり水やりします。夏場は土が乾いたらこまめにあげます。大切なことは必ず土が乾いてから水やりをするということです。鉢皿に残った余分な水は捨てます。大型の鉢皿の場合、植木鉢をレンガなどに乗せ高さをつくると捨てやすいです。
冬の水やり
冬は成長が遅くなるので水の吸い上げも遅くなります。冬に春から秋と同じ栽培方法だと長時間根がぬれている状態になります。酸欠になって根腐れをおこすことがあります。冬は土が乾いてから数日たってから水やりしましょう。1年を通して行いたいのが葉水です。空気中の湿度を好むので葉の裏表に霧吹きなどで水やりをします。
続いて越冬のしかたや置き場所、肥料のやり方や増やし方を説明します。
引用元:pixabay