暑さにも寒さにも強い花とは
ガーデニング用の植物を選ぶにあたって確認しなくてはいけないことのひとつに、耐暑性と耐寒性があります。暖地や寒冷地を選ぶことなく育てられる花があったら、初心者ガーデナーも気軽に庭づくりを始められるでしょう。上手な花選びが、ガーデニングの楽しさを左右するかもしれません。
耐暑性が強いとは
耐暑性が強い植物は、主に熱帯~暖地を原産地としたものが多い傾向があります。真夏の環境下では、さほど耐暑性のない植物たちの生育は停滞し、気温が下がる秋口にまた活発になります。それに対し「耐暑性が強い」といわれる植物は、真夏の炎天下でも生育が衰えないことが特徴です。
耐寒性が強いとは
耐寒性が強い植物の特性は、霜が降りたり少々の雪が降ったりしても問題ないところです。シベリアやヨーロッパ、北アメリカといった寒冷地が原産の植物が多いです。一般的に日本で耐寒性が強いといわれる植物は、地植えの状態で-5℃の外気に耐えられると考えておくとよいでしょう。
暑さにも寒さにも強い多年草
夏越しも冬越しも可能となれば、耐寒性、耐暑性に優れた植物は主に多年草です。常緑種や半常緑種、落葉性となる宿根草も含まれますが、どれも一冬を過ごして春を迎えるたびに株を大きくして勢力を広げていきます。
身近にある暑さと寒さの両方に強い植物
正反対の性質である耐暑性と耐寒性ですが、この両方の特性をあわせ持つ植物は少なくありません。炎天下で生育し、冬越しをものともしない花も豊富にあります。身近にある花が、実はとても強健な植物だったということに驚くかもしれません。
初心者におすすめの暑さにも寒さにも強い花<白系>
ガウラ
別名の白蝶草(ハクチョウソウ)の名のとおり、蝶の群れを思わせるガウラは、とても育てやすいため初心者におすすめの花です。放任でぐんぐん育ち、地植えでの水やりはほとんど必要ありません。繁殖力が強くこぼれ種でも増えることから、近年では公園の花壇などでもよく見られるようになりました。
学名 | Gaura lindheimeri |
漢字名:別名 | 白蝶草:ヤマモモソウ |
分類 | アカバナ科ヤマモモソウ属:多年草 |
原産地 | 北アメリカ |
開花時期 | 5~11月 |
草丈 | 30~150cm |
耐寒温度 | -15℃ |
特徴、用途 | 育てやすい、繁殖力旺盛、強健種 |
コデマリ
コデマリは、和風洋風どちらの庭にも似合う清楚で美しい花木です。真夏の暑さに平気な性質を持ちつつ、耐寒温度も-10℃あることから、暖地でも寒冷地でも育てやすい植物といえるでしょう。鉢植えでも楽しめますが、しなる枝ぶりがみごとなため、地植えで大株に育てるのがおすすめです。
学名 | Spiraea cantoniensis |
別名 | スズカケ |
分類 | バラ科シモツケ属:落葉低木 |
原産地 | 中国南東部 |
開花時期 | 4月中旬~5月中旬 |
樹高 | 1~1.5m |
耐寒温度 | -10℃ |
特徴、用途 | 庭木、落葉性、初心者におすすめ |
リクニス・コロナリア
濃ピンクと白花の2色があるリクニス・コロナリアは、乾燥に強い花です。多肥な土では根腐れを起こすことがあるため気をつけてください。水やりもほとんど必要としない強健種で、初心者でも育てやすいでしょう。株が横に広がるため、地植えでの栽培をおすすめします。
学名 | Silene coronaria |
別名 | スイセンノウ、フランネルソウ |
分類 | ナデシコ科センノウ属:多年草 |
原産地 | 欧州南東部 |
開花時期 | 5~7月 |
草丈 | 60~100cm |
耐寒温度 | -5℃ |
特徴、用途 | 常緑性、ロックガーデン、ボーダーガーデン |
ノコギリソウ
野趣あふれるノコギリソウはハーブの一種で、散房花序の繊細な花もさることながら、レースを思わせる鋸状の葉がとても美しい植物です。繁殖力旺盛、性質は強健で育てやすく大きくなるため地植え向きです。極端な寒冷地でなければ冬越しは容易です。
学名 | Achillea |
別名 | アキレア、ヤロウ、ハゴロモソウ |
分類 | キク科ノコギリソウ属:多年草 |
原産地 | ユーラシア大陸 |
開花時期 | 5月中旬~8月中旬 |
草丈 | 20~100cm |
耐寒温度 | -5℃ |
特徴、用途 | ハーブ、繁殖力旺盛、ドライフラワー |
出典:写真AC