アガベの育て方
アガベは、育て方が簡単なことも魅力のひとつです。観葉植物の栽培初心者にもおすすめですよ。育て方の基本をおさえて栽培を楽しみましょう。
置き場所
アガベは日当たりや風通しのよい場所を好みます。湿気は苦手なので、雨に当たりすぎると根腐れしてしまうこともあり、注意が必要です。耐寒性は品種によって異なりますが、冬場に0℃を下回るようであれば、室内へ移動させるようにするのがよいでしょう。
用土
アガベなどの多肉植物は乾燥した環境を好み、葉に水を蓄えておける性質をもっています。そのため、水はけのよい用土を選びましょう。多肉植物専用の土を入手すると手軽です。自分で土を配合する場合は、赤玉土(小粒)・軽石(小粒)・腐葉土を5:4:1の割合で混ぜて使用するとよいでしょう。
水やり
水やりは、アガベの育て方でポイントになる部分です。肉厚の葉に水分をため込める特徴があるので、表土が乾燥していてもすぐに水やりをする必要はありません。春から夏場にかけては、表土が乾いてから数日して水やりをする程度にします。10月ごろから冬のあいだは休眠期に入るので、水やりの回数も減らしましょう。1ヶ月に1回のペースで十分です。
水やりの仕方は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。そうすることで鉢全体に水が行き渡り、鉢の中の空気を入れかえることができます。受け皿にたまった水は、放置すると根腐れの原因になることもあるので、必ず捨てるようにしましょう。
肥料
生育期には肥料をほどこしましょう。春から秋にかけて、緩効性肥料を2か月に1回、または液体肥料を10日に1回のペースで与えます。ただし本来、多肉植物は肥料を多くは必要としません。多肥になると肥料焼けで根を傷めてしまうこともあるので注意しましょう。
手入れ
アガベは下葉から枯れてきます。枯れた葉を見つけたら、放置せずこまめに株元からカットするようにしましょう。病害虫対策にもなりますよ。
冬越し
アガベを冬越しさせるコツは、休眠状態を保つことです。そのため、冬の水やりは1ヶ月に1~2回にとどめておきましょう。また、耐寒性の強さは、種類や株の状態によっても違います。耐寒性が強い品種でも、冬の戸外で葉にシワが入ってくるようであれば、部屋の中に取り込むようにしましょう。
病気・害虫
病気①さび病
さび病は、秋から冬にかけて発生する病斑で、カビの一種です。イボのように盛り上がって、薄皮が破れるとさびのような粉が飛び散ります。放置していると株を枯らしてしまうので、見つけたらナイフなどで切除しましょう。
病気②炭疽病
炭疽病は秋から春に起こりやすい病気で、カビの一種です。葉の外側や茎に近い部分が、黒や茶色に変色してしまいます。炭疽病に感染しているのを見つけたら、その部分を切除し、殺菌剤をつけておくのがよいでしょう。また、水やりで被害が拡大することもあるので、水やりのときは葉に水がかからないようにします。
病気③黒星病
黒星病は春から秋にかけてあらわれる病気です。葉に黒いしみのような斑点ができ、進行すると葉を落としてしまいます。雨などで胞子が飛び散ると感染が拡大するので、見つけたときはすぐに切除しましょう。
害虫①カイガラムシ
カイガラムシは植物の養分を吸いながら株を弱らせます。繁殖期は5月~7月ですが、1年を通して発生するので注意が必要です。体長は1mm~3mmほどで、柔らかいものから硬いものまで、さまざまな種類が存在します。白色や茶色い物体が複数ついているようであれば、カイガラムシかもしれません。
カイガラムシの駆除は成長段階によって異なります。葉裏を見て、カイガラムシの卵があったらすべて拭き取りましょう。幼虫であれば、殺虫剤が有効です。しかし、成虫になると効き目がないこともあります。そのため、成虫は歯ブラシや細い棒などを使って、手作業で取り除くのがよいでしょう。その後、薬剤を散布してカイガラムシの予防も行います。
害虫②アザミウマ
アザミウマ(スリップス)は、梅雨明けから夏場の高温期に繁殖します。葉に色あせや白い斑点をつくるだけでなく、放っておくと植物を枯らしてしまうほどの被害を及ぼします。体長わずか1~2mmと小さいですが、見つけたらすぐに駆除しましょう。害虫駆除剤のほかに、光の反射を嫌う性質を利用して、アルミニウムなどを敷いておく方法も有効です。
アガベの植え替え方法
アガベを長く楽しむための育て方で、大切なのは植え替えです。ずっと同じ鉢で育てていると、根が回ってそれ以上成長できなくなってしまいます。そのため、2年に1度のペースで植え替えするようにしましょう。植え替え時期は、4月~5月が適期です。現在の鉢より、一回りか二回り大きい鉢に植え替えます。環境変化のストレスを減らすためにも、植え替えと株分けは同時に行うのがおすすめです。
株分けは、親株から出ている子株を根がついた状態で切り離すように行います。株の大きさに合った鉢を選びましょう。また、植え付け後はしばらく水やりをしないのも、株分けを成功させるポイントです。生長速度の上がる夏までに株分けしておくと、植え替え後にしっかり根付いて元気な株になりますよ。
まとめ
アガベの特徴や育て方、植え替え方法などを紹介しました。ほかにはない魅力や存在感があり、インテリアとして取り入れるだけで、部屋のおしゃれ度がグンと上がりますよ。上手に管理して、長くアガベの栽培を楽しんでくださいね。
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