イヌマキ(犬槇)とはどんな植物?特徴・利用方法や育て方をご紹介!

イヌマキ(犬槇)とはどんな植物?特徴・利用方法や育て方をご紹介!

イヌマキは昔から垣根などに使われ、日本人と深く関わってきた樹木です。イヌマキはどのような特徴を持つ植物なのでしょうか。水やりや肥料、病気や害虫、剪定などの育て方について説明します。イヌマキの名前の由来や利用方法についても見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.イヌマキ(犬槇)とは
  2. 2.イヌマキの特徴
  3. 3.イヌマキの育て方
  4. 4.イヌマキの増やし方
  5. 5.イヌマキの利用方法
  6. 6.まとめ

イヌマキの特徴

出典:写真AC

イヌマキは古くから垣根や庭木として身近にありますが、くわしく知らないことも多いかもしれません。どのような特徴を持つ樹木なのでしょうか。

樹木としての特徴

出典:写真AC

イヌマキは通常10m程度、最大では樹高20~25m、幹の直径1mにも育ちます。幹は直立しますが、ややねじれるのが特徴です。樹皮は白っぽい褐色で、縦長に薄く細かく剥がれます。樹形は不規則な卵型です。枝先は上を向きますが、大木になると垂れ下がってきます。成長速度は、台湾などの温暖な地域では早いですが、日本ではやや遅いです。

葉の特徴

出典:写真AC

イヌマキは針葉樹ですが針のような葉ではなく、細長く扁平な葉をしているのが特徴です。葉は長さ10~15cm、幅5~10mmくらいで葉先がとがっており、束になってつきます。表は深緑色でつやがあり、裏面は淡緑色で主脈が目立ちます。

花の特徴

イヌマキは雌雄異株で、花期は5~6月です。雄木に咲く雄花は円筒形の穂状で、前年の枝に束になってつきます。穂は長さ2~3cmで黄色っぽいです。

雌花は先端に胚珠を持つ

雌花は花托(かたく:花びらや雌しべや子房を支える部分)の先端に胚珠(はいしゅ:種子になる部分)がついた構造です。イヌマキは裸子植物です。一見、胚珠がむき出しのように見えますが、套皮(とうひ)で覆われています。套皮の付け根には珠孔(しゅこう)という授精するための隙間があり、イヌマキの珠孔は小さな三角形です。

実の特徴

赤い部分は食べられる

結実期は10~12月です。イヌマキの実は2色の玉がくっついた形をしているのが特徴的です。その様子は串団子や地蔵にたとえられます。根元側の赤い部分は花托(かたく)が肥大化したもので15mm程度です。赤く熟すと少し松脂臭いものの、甘くて食べられるので昔の子供はおやつにしました。花托はだんだん黒紫色になり、しぼんでいきます。

緑の部分は種子で有毒

先端側の白い粉がついた緑の玉の部分は8mm前後で、套皮に被われた種子です。毒(イヌマキラクトン)を含んでおり、誤食すると嘔吐や下痢を起こします。鳥が赤い花托の部分を食べるときに種子がまき散らされると考えられていますが、種子を食べて糞と一緒に排出する鳥もいるようです。種子は樹上にあるうちから発芽して緑色の根を伸ばしていることがあり、胎生種子と呼ばれます。

イヌマキの変種ラカンマキ

イヌマキには変種があります。ラカンマキ(羅漢槇)といって、中国が原産地です。ラカンマキもイヌマキ同様に幹がまっすぐ伸び、最大で樹高25mにもなります。通常は樹高5m程度とイヌマキより小型です。雌雄異株で、花期(5~6月)や花の形、結実期(9~10月)や実の形などの特徴もイヌマキに似ています。

イヌマキより繊細な雰囲気

イヌマキのほうが丈夫で育て方は初心者向けですが、ラカンマキは小型で成長速度がイヌマキより遅い点が扱いやすいです。葉は長さ4~8cmとイヌマキより繊細で、節間が短く密につき、上品な雰囲気で人気があります。利用方法はイヌマキと同様に庭木や垣根、盆栽などが一般的です。

ボタ爺

ボタ爺

イヌマキの実はユニークじゃのう。次項ではイヌマキの植え付けや剪定など、育て方についてご紹介するぞい。

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イヌマキの育て方

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