イヌマキの利用方法
イヌマキは育て方も簡単で、昔からさまざまに利用されてきました。私たちの生活のなかでどのように使われているのでしょうか。イヌマキの利用方法についてご紹介します。
利用方法①庭木や垣根に
イヌマキは防火、防風、防音、防砂、防潮などの効果があり、大気汚染物質にも強い樹木です。そこで古くから庭木や家や畑の垣根(生垣)として重宝されてきました。イヌマキは高さもあり、葉が密に生えるため目隠しとして最適です。日陰にも強く、家の北側にも植えられます。刈り込みに強いことも利点です。庭木としては、玉仕立てなどの造形を楽しめるのが人気の理由の1つにあげられます。
利用方法②観葉植物
あと 今日 natural kitchen で
— 使わない。 (@yu836) May 13, 2015
ラカンマキ をみつけて購入。
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イヌマキの実生苗を観葉植物や盆栽、コケ玉などにして楽しむ方もいます。ハイドロカルチャー(水耕栽培)も可能です。置き場所としては、レースのカーテン越し程度明るい室内が適しています。小さな苗木は葉焼けを起こしやすいため、夏の直射日光は避けましょう。大きくしたくない場合は、葉が短く成長が遅いラカンマキのほうが扱いやすいかもしれません。
利用方法③建築用木材
中村家住宅・沖縄伝統建築
— ジーマーミーアーキ (@jimamiarchi) April 15, 2018
軒の深さ、中庭のあり方、塀のしつらえ。どれもが、特徴的。#中村家 #中村家住宅 #重要文化財 #沖縄伝統建築 #軒 #中庭 #塀 #沖縄 #建築 #architecturelovers #architecture https://t.co/XQnhkuTOVC pic.twitter.com/6Sff1RhPwm
イヌマキの材はシロアリや水に強いことから、建築用木材や風呂桶として重宝されました。特に沖縄県では方言で「チャーギ」と呼ばれ、高級建築材とされています。国の重要文化財である中村家住宅(画像)や、沖縄戦で消失した首里城にも多く用いられていました。
首里城に欠かせないイヌマキ
1992年に首里城が再建された際には地元のイヌマキがなく、タイワンヒノキやアスナロ、宮崎県や鹿児島県のイヌマキが使われました。そのため地元では改修工事に備えたイヌマキの植樹活動が行われ、現在では5mほどに育っていますが、建築材としてはまだ使えません。首里城は2019年10月31日に火災で消失し、再建が望む声が上がっています。
利用方法④子供の遊び道具
昔の子どもは、垣根のイヌマキから葉や実をとって遊びました。細長い葉4枚をふたつ折りにして組み合わせると手裏剣になります。緑色の種子の部分はやじろべえやこま、おはじきなどになりました。実の赤い部分をおやつ代わりに食べたことを、懐かしく思う方もいるでしょう。
まとめ
イヌマキ(槇の木)は昔から、家を守ってくれる大切な樹木でした。イヌマキは丈夫で育て方も簡単です。剪定に強く好みの樹形に仕立てやすいため、垣根(生垣)や庭木としても人気があります。日陰にも強く、実生苗木を観葉植物やコケ玉にして室内でも楽しめます。ぜひ、イヌマキを育ててみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC