タムシバとは?その特徴と名前の由来をご紹介!コブシとの違いはどこ?

タムシバとは?その特徴と名前の由来をご紹介!コブシとの違いはどこ?

タムシバという木を知っていますか?その名前の由来は、生薬や香水にも使われるほどの特徴的な香りが関係しています。タムシバとよく似た木、コブシとの違いや見分け方など、タムシバの特徴、花言葉、ニオイコブシについて詳しくご紹介します。

記事の目次

  1. 1.タムシバの特徴
  2. 2.タムシバの名前の由来
  3. 3.タムシバの花言葉
  4. 4.タムシバとニオイコブシ
  5. 5.タムシバとコブシの違い(見分け方)
  6. 6.まとめ

タムシバの特徴

出典:写真AC

香りが特徴的な木

タムシバは、早春に白い花を咲かせる落葉樹です。山に春を告げる花とされ、6枚の花びらが6〜10cm程の大きさで咲きます。その特徴的な香りから、昔から生薬や香水の原料とされています。つぼみを乾燥させた漢方を辛夷(しんい)といい、蓄膿症や鼻炎の薬として使われています。また、花は香水の原料として貴重です。

タムシバの花

出典:写真AC

タムシバの基本情報

分類 モクレン科モクレン属
学名 Magnolia salicifolia
和名 タムシバ
別名 ニオイコブシ、カムシバ、サトウシバ
英名 willow-leafed magnolia、anise magnolia
開花時期 3〜4月
樹高 3〜10m 落葉小高木
原産地 日本

Magnolia(マグノリア)は、モクレン属の学名です。

タムシバの名前の由来

出典:写真AC

タムシバの名前の由来には、2つの説があります。

由来①:カムシバが訛った言葉

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1つ目は、カムシバが訛ってタムシバとなったという説です。タムシバの枝や葉からは香りがしていて、噛むとキシリトールガムのような甘い味がします。別名サトウシバとも呼ばれるのはこのためです。昔の人は、この枝を噛んで味を楽しんでいたことから、カムシバが訛って、タムシバと呼ばれるようになったことが由来です。

由来②:タムシ状の模様から

2つ目は、葉っぱにタムシのような白い斑点模様があるからという説です。タムシとは、水虫など、カビからなる皮膚感染症のことです。

タムシバの花言葉

『友情』

真っ白な小さな花弁が並んでいる姿が、花言葉の由来となっています。春先の卒業入学の季節に咲き、贈り物としても喜ばれます。

タムシバとニオイコブシ

ニオイコブシとは?

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精油(エッセンシャルオイル)として

ニオイコブシとは、タムシバの別名です。抜群に香りがいいことから、この名前が付けられました。その独特な香りから、精油(エッセンシャルオイル)が作られ、販売されているものは、ニオイコブシの名前が使われていることが多いです。レモンなどの柑橘系ような爽やかな香りで人気があります。

精油(エッセンシャルオイル)とは

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精油とは、植物の花や葉、枝、樹皮、根などから抽出される、100%天然の液体です。そのため、つくられる量に限りがありますが、成分の効能に期待できます。アロマテラピーの際に使用され、その香りで心身ともにリラックスさせてくれます。また、アロマオイルと表記されているものは、100%天然ではなく、加工されているものです。ですが、香りを楽しむ程度なら安価で手に入る身近なものです。

タムシバとコブシの違い(見分け方)

出典:写真AC

タムシバと似ている植物にコブシがあげられます。

コブシとは?

Photo by BioDivLibrary

タムシバと同じ、モクレン科モクレン属の木で、春に白い花を咲かせます。似たような木ですが、よく見ると違いがあります。また、コブシの名前は、握り拳のような形の実がなることが由来です。花言葉は『友情』『友愛』『愛らしさ』で、タムシバより多いです。

タムシバとコブシの見分け方はいくつかありますが、ここでは5つ紹介します。

見分け方① 花の下の葉っぱ

1番わかりやすい見分け方です。花のすぐ下に葉っぱが1枚あるものがコブシで、ないものがタムシバです。

タムシバ

コブシ

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

見分け方② 萼(がく)の色

萼(がく)の色が違います。萼(がく)とは、花弁の付け根に付いている小さな葉っぱのようなものです。萼(がく)が白色3枚あるものがタムシバで、緑色で小さく3枚あるのがコブシです。

タムシバ

コブシ

次ページは、実の形での見分け方!

見分け方③ 握り拳のような形の実

コブシの名前の由来にもなっている、握り拳のような形の実にも違いがあります。タムシバの実は、ねじ曲がることがなく、コブシより小さい実がなります。一方コブシの実は、不規則にねじ曲がり、いろんな形の実がなるのが特徴です。

タムシバ

コブシ

見分け方④ 葉っぱ

葉っぱの形と、葉の裏の色が違います。タムシバの葉っぱは、細長く真ん中が広い形をしていて、葉の裏が白色です。コブシの葉っぱは、タムシバより全体的に広く、先端に近い部分が広い形をしていて、葉の裏が緑色をしています。葉の形だけではわからないときは、葉の裏を見て比べるといいですね。

タムシバ

コブシ

Photo by Ruth and Dave

見分け方⑤ 生息地

生えている場所や樹高にも違いがあります。タムシバは標高の高い場所に生えているのに対して、コブシは山地や平地によく見られます。樹高もタムシバは3〜10mで、コブシは5〜18mなのでコブシの方が大きいのが特徴です。登山などで見かけるのはタムシバ、街で見かけるのはコブシが一般的です。

タムシバ

コブシ

見分け方まとめ

簡単に表にまとめたので、比べてみましょう。

タムシバ 見分け方 コブシ
なし 花の下の葉っぱ 1枚ある
白色3枚 萼(がく) 緑色小さい3枚
ねじ曲がらない
コブシより小さい実
不規則にねじ曲がる
いろんな形の実
真ん中が広い形
葉の裏が白色
葉っぱ 先端の方が広い形
葉の裏が緑色
標高の高い場所
樹高3〜10m
生息地 山地や平地
樹高5〜18m

いかがですか? タムシバとコブシはよく似た木ですが、いくつかの違いがありましたね。木を見つけたら、花の下の葉っぱを確認してみましょう。その後、萼や葉の裏の色を見たらより確信がもてますね。8〜9月頃には実がつくので、コブシの名前の由来にもなっている、握り拳のような実を見つけてみてくださいね。

まとめ

タムシバは、生薬や香水にも使われるほど特徴的な香りをしている木です。その香りに誘われて、冬眠から目覚めたクマも花を食べにやってきます。エッセンシャルオイルは貴重で高価なものなので、見かけた際にはその香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

RR16
ライター

RR16

花や木を見るのが好きです。花言葉や由来、それにまつわる神話など、花について深く知れることが楽しいです。

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