四季桜とは？春・秋と二季咲きの桜の特徴や名所、管理の仕方を紹介！

四季桜は春と秋の年に2回咲く品種の桜です。一重の少し小さい花を咲かせ、春はもちろんのこと、秋は紅葉とともに美しい風景を作り上げてくれます。

四季桜は、新芽の時期には葉と一緒に花をつけ、紅葉の時期には葉が落ちるころに花をつける品種です。花は春のほうが大きく、秋は小さめの花を咲かせます。寒い時期に咲く桜の品種はいくつかありますが、四季桜は萼筒（がくづつ）の下部がつぼ型をしていることが特徴です。ほかの品種と見分ける際は目印にするとよいでしょう。

宮城県塩竈（しおがま）市に鎮座する志波彦神社（しわひこじんじゃ）・塩竈神社（しおがまじんじゃ）は、朱塗りの鳥居とともに四季桜を観賞できる神社です。初詣の時期などに開花をしている場合もあります。参拝の際は美しい四季桜に出迎えられ、いっそう気持ちが晴れやかになるでしょう。

・電車…JR仙石線本塩釜駅から表参道の鳥居まで徒歩約15分
・車…三陸自動車道の利府中IC、利府塩釜ICよりそれぞれ約10分、仙台港北ICより約15分
・飛行機…仙台国際空港より仙台空港アクセス鉄道のJR仙台駅へ。JR仙石線に乗車しJR本塩釜駅下車

京都府立植物園では、園内の半木（なからぎ）神社近くに寒咲きの桜を集めたコーナーがあります。四季桜はもちろんのこと、寒い時期に咲くさまざまな品種の桜を楽しめておすすめです。四季桜は園内の各所で見られるので、広く美しい園内をさまざまな植物とともに楽しめます。

• 電車…JR「京都駅」、近鉄「京都駅」、阪急「烏丸駅」から京都市営地下鉄に乗り換え「北山駅」下車3番出口すぐ。または「北大路駅」下車3番出口を東へ徒歩約10分
• バス…京阪「出町柳駅」から市バス1系統、または京都バス「静原」「市原」行に乗車。「植物園前」下車徒歩約5分
• 車…名神高速道路京都南ICから京都市内北山方面へ約45分

愛知県の豊田市小原地区には、約10000本の四季桜が植えられています。秋の開花の時期には、小原四季桜まつりが開催されることで有名です。見ごろは10月下旬～12月上旬、最盛期は11月上旬～11月下旬頃です。数カ所あるまつり会場では、出店やイベントを美しい風景とともに楽しめます。

• 電車…名鉄豊田市駅東口より、とよたおいでんバス豊田・小原線、上仁木行き（約1時間）「小原ふれあい公園」大草バス停から徒歩5分「豊田市和紙のふるさと」和紙のふるさとバス停から徒歩5分「川見四季桜の里」終点上仁木バス停から国道を北上徒歩10分
• 車…名古屋・豊田方面⇒猿投（さなげ）グリーンロード中山インター、または東海道環状道路豊田藤岡インターから国道419号線を岐阜瑞浪市方面へ直進（15km・約30分）中央道瑞浪ICから国道19号線市原交差点を明智方面へ。途中大川交差点で右折、国道419号線を豊田市方面へ直進（10km・約30分）
• シャトルバス…土日祝日のみ運行。愛環「八草駅」⇔「各会場」1乗車500円。会場間は1乗車100円
• 四季桜くるりんバス…土日祝日のみ運行。会場間を無料で巡回

四季桜は、日当たりと風とおしのよい環境に植えるのがおすすめです。庭に植えるときは、樹形や枝の生育をよくするため周囲が開けた場所に植えるとよいでしょう。根が浅く広範囲に広がり、樹高も5～10mほどに成長します。周りに影響が出ないような場所を選んでください。西日にも弱いため、場所選びの際は注意するとよいでしょう。

水はけがよく栄養分の多い土が、四季桜の生育に適しています。土づくりの際には腐葉土や有機肥料をたっぷり入れてください。水はけが気になる場合は、バーミキュライトやパーライトを混ぜて土壌の改良をしましょう。土の配合比率は赤玉土4：鹿沼土2：川砂1：腐葉土3です。園芸店などで手に入る桜用の培養土も使用できます。

植え付け・植え替えの適期は、12月～2月ごろの落葉期です。株が小さいものであれば5月ごろまで作業可能ですが、その際は根を崩さないようにしましょう。鉢植えは、苗の根鉢よりもひと回りかふた回り大きな植木鉢に植えます。植木鉢の底に赤玉土を敷き、苗の根鉢を1/3程度丁寧に崩してから植えてください。

台木の品種が真桜の場合の植え方は、接ぎ木部分が3cmほど土に埋まるようにします。台木の品種が大島桜の場合の植え方は、接ぎ木部分が土にかぶらないようにしてください。台木の品種ががわからない場合の植え方は、接ぎ木の部分が土に埋まらないように植えましょう。

苗を植え付けたあとは、しばらくのあいだ水をたっぷり与えてください。庭植えの場合は、基本的に降雨で育ちます。夏場の日照りなどで土が白くなった場合は、朝の早い時間か夕方の涼しい時間に水やりをしてください。植木鉢で育てる場合は夏は朝か夕方に、春と秋は1～2日に1回程度、冬は乾燥したら水を与えます。

桜に与える肥料には、1月～2月に与える「寒肥」と、5月ごろに与える「お礼肥」があります。寒肥は、花芽や新芽の成長や1年をとおして健康維持のための肥料です。お礼肥は、開花に使った栄養を補い疲労を回復させる目的で与えます。いずれも有機肥料、緩効性肥料がよいでしょう。

庭植えでの肥料は、幹に近い場所ではなく枝の先端あたりを目安に埋めてください。深さは10cmほど、樹木の周囲に輪を描くように与えます。たいへんな場合は、等間隔に穴を掘り肥料を埋めるとよいでしょう。鉢植えの場合は、用土1Lに対し5g程度を土の上にまいてください。

桜は菌に弱いため、基本的には剪定をしないほうが元気に育ちます。ただし、枝が増え風通しや樹形が気になる場合は剪定をしてください。剪定は、枝の根元から10cmほど上の部分を垂直に切り取ります。剪定が必要な枝の代表的なものは以下のとおりです。

• 樹の根元から生えてくる細い芽
• 地面から1.5～2mまでの枝
• 幹に向かって生えている枝
• 上や下に向かい垂直に生えている枝
• まわりの枝に絡むように生えている枝

剪定の際は、枝の切り口から菌が入らないように注意します。剪定ばさみは消毒したものを使用し、枝の切り口には殺菌力のある癒合剤を塗ってください。

四季桜は、芽吹きの時期と紅葉の時期に花を楽しませてくれます。春の柔らかな日差しの中で見る景色も素晴らしいですが、澄んだ秋の青空のもとで見る四季桜も風情があり心に響くでしょう。四季桜を見上げ自然の美しさを満喫してみてはいかがでしょうか。