カモガヤの育て方
カモガヤ（オーチャードグラス）を栽培する方法について紹介します。牛用飼料に限らず、ウサギ用の新鮮な餌にもなるためご家庭で栽培してみてはどうでしょう。
栽培前に
カモガヤは多年草なので複数年栽培が可能な作物です。そのため、土づくりできるチャンスは最初の年に限られます。カモガヤを長持ちさせるためには、最初の土づくりに加えてその後の雑草の防除や適期の収穫が重要です。
ボタ爺
草だけど育て方の考えは庭木や果樹に近いぞ。何年もそこに植えておくと考えるとよいぞ。
栽培に必要な道具
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カモガヤの栽培に必要な道具は下記のとおりです。肥料はたい肥などの遅効性のものをたっぷり使うとよいです。また、リンやカルシウムは土壌中の移動がほとんどなく、後から散布しても効果が小さいため、渋らず投入してください。また、カモガヤの初期生育が良好になるよう、除草剤による事前の雑草駆除が重要です。
| 必要資材 | 必要量 （10aあたり） |
備考 |
| オーチャード種子 | 2～3kg | 春播きは5kg |
| 化成肥料 | 30～40kg | N:P:K=5:5:5相当 |
| たい肥 | 2～4t | 未熟すぎるものは避ける |
| 苦土石灰 | 200kg | 土壌pH6.0以上の改良を目安 |
| よう燐 | 100～200kg | 火山灰土壌には多めに投入 |
| 除草剤 | 1～2L | グリホサート系 |
栽培手順
①準備時期（播種2ヶ月前）
出典：筆者撮影
カモガヤ（オーチャードグラス）の栽培は播種2ヶ月前からおこないます。既に雑草などが生えていれば、後々の生育を脅かす存在となるため除草剤で枯らしてください。一度刈り取ってから、すこし伸長させて散布するとよく枯れます。また、枯らしたあとにたい肥や土壌改良剤を投入すると、その後の作業がスムーズにおこなえます。
②播種床作成時期（播種15日前）
出典：筆者撮影
播種時期が近くなれば、土を耕して播種床づくりです。カモガヤ（オーチャードグラス）の根周辺の土をよい状態にするために、30cmほどの深さまで耕してください。土の塊が2～5cm以下の大きさになれば充分です。家の庭などでは、庭土を新しく投入してもよいでしょう。
ボタニ子
化成肥料は耕したあとに散布するとよいよ。
③播種時期
発芽して数日後のオーチャード
出典：筆者撮影
秋の播種時期は種をまくだけでなく、耕起以降に発生した雑草駆除や発芽率を高める鎮圧が重要です。播種日やその前日に除草剤を散布することで、すでに発生している雑草を駆除でき、カモガヤの生育を雑草より優勢に保てます。また、鎮圧ローラーやケンブリッジローラーで種子と地面をくっつけることで、発芽率が高まります。
ボタ爺
庭で栽培するときは、まいた場所を足で踏んづけるとよいぞ。
栽培方法まとめ
出典：筆者作成資料
カモガヤ（オーチャードグラス）の播種翌年の管理では、秋に化成肥料の散布が大事になります。充分な養分を秋に蓄えて、春に十分な量の穂を出させるためです。年数のたったカモガヤの牧草地は収量が落ちてくるので、株ごと地面に切れ込みが入れられる播種機による追加の播種で対策が必要です。
まとめ
出典：筆者撮影
花粉症に原因になるカモガヤと家畜の餌になるカモガヤ（オーチャードグラス）について、それぞれの姿を紹介してきました。道端などで見るカモガヤは葉が小さく穂ばかりが目立ち、いかにも花粉をばら撒いてやるぞという印象を受けます。一方で、5月のオーチャードグラス畑は、マットで深緑の葉が高原地帯の青空と相性が抜群です。是非一度見に行ってみてはいかがでしょうか。
出典：筆者撮影