レモンユーカリとは
ユーカリの1種である「レモンユーカリ」は、さわやかなレモンの香りを楽しめる常緑樹です。この香りを虫が嫌うことから「虫除けの木」としても注目されています。どのような植物なのか基本情報や育て方を見ていきましょう。
ボタニ子
室内に漂うレモンの香りを想像すれば、ぜひ育ててみたい植物の1つです。早く知りたいなぁ!
基本情報
学名 | Eucalyptus citriodora |
科名 | フトモモ科 |
属名 | ユーカリ属 |
形態 | 常緑樹 |
原産地 | オーストラリア |
開花期 | 6~8月 |
耐寒性 | 弱い |
ボタニ子
同じ「ユーカリ」でも、私が知っている丸い葉っぱのユーカリとは少し見た目が違うなぁ。ユーカリはコアラが食べることで有名な植物ですよね。
ボタ爺
そうじゃろう。レモンユーカリの葉っぱは、尖った形をしているんじゃ。この葉っぱからレモンの香りがするんじゃよ。
どんな植物?
レモンのよい香り
レモンユーカリはその名のとおり、さわやかなレモンの香りが大きな特徴であり、人気の理由です。春から秋にかけて特に香りが強く、風通しのよい室内などでは、レモンの香りがあたり一面に広がります。このレモンの香りを蚊が嫌うことから虫除け対策にも効果的です。これは、レモンユーカリが持つ「シトロネラール」という成分を虫が嫌うためです。
ボタ爺
アウトドアなどで虫が気になるときは、「レモンユーカリオイル」を使用すると、高い虫除け効果が期待できるぞう。シトロネラオイルよりも、シトロネラールの成分量が多いんじゃ。
ボタニ子
それだけレモンユーカリにはシトロネラール成分がたくさん含まれているんですね。わたしも蚊が大嫌いです…。
風に弱い
レモンユーカリは成長がとても早く、順調に育てば3年で5mほどになるとされています。しかし、風に弱く、強風で枝が左右に揺られて折れてしまったり、台風で根元からひっくり返ってしまったりします。ベランダなどで鉢植えにしている場合も置き場所に工夫をし、支柱を立ててしっかり固定するとよいでしょう。
ボタニ子
ひゃ~!せっかく植えても根から折れてしまったら悲しすぎます…!
ボタ爺
まったくじゃ。しかし根元が折れて枯れてしまっても根が生きていれば、半年ほどたてばまた新芽がでてくる。あっという間に元気になる強い生命力もあわせもってるんじゃぞ。
脱皮する?
レモンユーカリは5月~6月の成長期に、冬の古い皮を脱ぎ新しい木肌に生まれ変わります。これは病気ではないため、全てはがれ落ちるまで放っておきます。無理やりはがさないようにしましょう。根本付近に落ちた古い皮は、レモンユーカリの栄養になります。
ボタニ子
まるで「脱皮」みたいですね。白くてツルツルの新しい木肌は、見ている方もすがすがしい気持ちになります。
レモンユーカリの育て方①管理方法
レモンユーカリの育て方のポイントは「気温」と「水やり」です。どのようなことに気をつければよいのか、詳しく見ていきましょう。
環境
日当たりがよい場所が大好きです。半日陰の場所でも育ちますが、直射日光が半日ほど当たるような場所ならよく育ちます。室内で育てる場合は、なるべく明るい場所に置きましょう。また、寒さには弱いため、気温が氷点下になると枯れることがあります。特に初年度の冬越しは、温かい温度を保った室内で育てるとよいでしょう。暖かい地域ではベランダなどの戸外で冬越しも可能です。寒い地域では、室内での冬越しをおすすめします。
ボタ爺
温度変化に気をつければ、ベランダでも冬越しできるんじゃ。レモンの香りがするベランダガーデンも素敵じゃのう。
水やり
乾燥に強く、過湿に弱いため、水やりは控えめにします。水を多く与えすぎると、根が腐って枯れてしまいます。基本は土壌の表面が乾いてから水やりをしましょう。成長期である5月~10月は水が必要な時期のため、土壌が乾燥してカラカラの状態が続かないように水切れに注意します。また、冬は成長が止まっているため、10日に1回を目安に水やりをします。
ボタ爺
土壌の表面が乾いていても、中は湿っておって水分をたくさん含んでいることもあるんじゃ。騙されんように。
ボタニ子
見た目だけじゃわからないんですね。指や棒で中の土壌の状態を確認するのがいいってことですね!
ボタ爺
そうじゃ。中がまだ湿った状態で水やりをすると、レモンユーカリは根腐れして枯れてしまうんじゃよ。気をつけよう。
地植えの水やり
地植えの場合の水やりは、基本的に降雨だけで問題ありませんが、日照りが続き土壌が乾燥しているようであれば水やりをします。また、植えつけをしてから最初の1年目は、根が広がっておらず、水やりが必要です。しかし、与えすぎると地植えでも根腐れを起こし枯れてしまうため注意しましょう。
ボタニ子
地植えでも根腐れして枯れてしまうことがあるんだ!
肥料
生育旺盛で、肥料を多く与えると大きく育ちすぎてしまう傾向があります。植えつけるとき、土壌に緩効性肥料を一緒に与え、その後は半年に1回くらいを目安に与えてあげるとよいでしょう。大きく育てたい場合は、液体肥料を2週間に1回与えます。冬越しで室内に移動させるような場合やベランダで育てる場合は、肥料の量を調節しましょう。
コンパクトな樹形を保つ育て方のコツは、「肥料は少なめ」です。植えつけるときに土壌に混ぜて与えましょう。
ボタニ子
大きく育つと室内への移動が大変になるなぁ…その場合は肥料のことは気にしなくてもよさそうですね!
病気・害虫
うどんこ病
葉の表面に白いカビが生える病気です。白い粉がうどんの粉のように見えることが名前の由来です。見つけ次第、病気部分を取り除きましょう。スプレー式の殺菌剤などを散布して予防します。レモンユーカリの成長期である5月~10月はうどんこ病が発生しやすいため、成長期の前に定期的に薬剤を散布しておくと効果的です。
コガネムシ
住友化学園芸 GFオルトラン粒剤 200g
参考価格: 1,044円
容量 | 200g、650g、1kg、1.6kg |
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有効成分 | アセフェート |
適用 | キュウリ、トマト、花き類、観葉植物 他 |
コガネムシの幼虫がレモンユーカリの根を食べることがあります。この場合、気づきにくく症状が進むのが早いため、前もってオルトラン薬剤をまいておきます。
オルトラン薬剤は、土壌にまいた薬が根や葉などから植物全体に行き渡り、根や葉を食べる害虫を予防・退治する殺虫剤です。
クロロシス
クロロシスとは、土壌の鉄分やマグネシウムなどの微量要素の欠乏により葉緑素(クロロフィル)が抜け、葉が白くなったり黄色くなったりする症状です。病気ではないですが、クロロシスになると光合成をしにくくなり、栄養不足や他の病気にかかりやすくなります。対策として、微量要素を補える粒剤を与えるようにするとよいでしょう。
出典:flickr