石松子(せきしょうし)とは?花粉の混ぜ方や効果的な使用方法を紹介!

石松子(せきしょうし)とは?花粉の混ぜ方や効果的な使用方法を紹介!

石松子とはヒカゲノカズラの胞子を染色したもので、人工授粉のときに花粉増量剤の用途として使われます。石松子を使うと効率的に受粉ができるので、実がつきにくい果樹でも実を採取しやすくなりますよ。石松子は、人工授粉をやってみたい人におすすめのアイテムです。

記事の目次

  1. 1.石松子(せきしょうし)とは
  2. 2.石松子と花粉の混ぜ方
  3. 3.石松子の効果的な使用方法
  4. 4.石松子を販売しているところ
  5. 5.石松子で人工授粉にチャレンジしよう!

石松子(せきしょうし)とは

Photo byWFranz

石松子(せきしょうし)とは、果樹などの人工授粉で使う花粉増量剤のことです。石松子を使うと、人工授粉が効率的に行えます。例えば、キウイは雄花と雌花が別々に咲くので受粉しにくいのですが、石松子を使うことでたくさんの花粉を受粉させられます。石松子を使った人工授粉は、果実がつきやすい状態にするのに最適です。キウイ以外にりんごやさくらんぼなど、さまざまな果樹の人工授粉に使えます。

花粉増量剤の用途

石松子は人工授粉を効率的に行うほかに、花粉を増量する用途でも使われます。特にキウイは、ひとつの実がなるためにはおよそ1000個の種が必要だといわれていて、受粉の量が少ないと実がつきません。そこで石松子を増量剤として使い、たくさんの花粉を受粉させて実をつきやすくします。

石松子の主成分

石松子は、ヒカゲノカズラという植物の胞子から作られています。ヒカゲノカズラとは常緑性の多年草で、地面をはうように茎をのばすコケのような植物です。一年中青々とした緑色をしているため、長寿祈願としてお正月飾りにされることもあります。ヒカゲノカズラの胞子は脂肪油が多く湿気を防ぐ特性があるので、ベビーパウダーや火薬の衣など、さまざまな用途に使用されています。

ヒカゲノカズラの学名の意味

ヒカゲノカズラの学名は「Lycopodium clavatum」です。学名の「Lycopodium」はギリシャ語で「オオカミの足」という意味があり、トゲトゲとしたヒカゲノカズラの葉の様子に由来するといわれています。          

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石松子の特徴

特徴①染色している

石松子は、ヒカゲノカズラの胞子をピンク色や黄色に染色しています。これは、どの花に花粉をつけたかわかるようにするためです。白い花を咲かせる果樹にピンク色の石松子を使うと、どの花に人工授粉をしたかわかりやすいので作業がスムーズに行えます。一方、花の色が濃いものには黄色やクリーム色に染色した石松子を使うと、花粉をつけた花がわかりやすくなります。

特徴②有害物質を含まない

石松子はヒカゲノカズラの胞子から作られているため、有毒物質を含みません。また、花粉の発芽を阻害する成分も含まれておらず安全です。ほかには粒子が細かく、比重が花粉に近いという特性もあります。そのため、めしべに花粉をつけやすく、素早く受粉ができます。

特徴③吸湿性がない

石松子のもうひとつの特徴に、湿気を吸収しないという特性があります。吸湿性がないので、雨の日でも作業が可能です。そして石松子を使っても花の水分がなくならず、花やめしべのみずみずしさが保てます。

石松子を使うメリット

メリット①確実に受粉させる

自然界では虫や風の力を借りて受粉が行われますが、虫の数や天候に左右されやすく効率がよくありません。また花同士をくっつけるだけの人工授粉では、受粉が不十分で実をつけない果樹もあります。石松子を使えば確実に受粉ができ、実がつきやすい状態になります。

メリット②均等に受粉させる

すべての花に均等に花粉をつけられるのも、石松子を使うメリットです。石松子を使うと、花粉のつき方のばらつきを減らせます。花粉が均等につくと、果樹全体にまんべんなく実がつきます。安定して果実が採れるため、果樹農家も実際に石松子を使うことが多いです。

石松子と花粉の混ぜ方

用意する道具

石松子は花粉増量剤なので単体では使用できず、花粉と混ぜて使います。石松子と花粉を混ぜるのに専用の機械を使うこともありますが、家庭菜園なら家庭用のミキサーで問題ありません。家庭用ミキサーを使わなくても、しっかり乾燥させたペットボトルなどに採取した花粉と石松子を入れて混ぜると、手軽に人工授粉ができます。

混ぜ方①花粉の採取

りんごやキウイなど雄花と雌花が別々に咲く果樹は、花粉を採取しやすく初めての人工授粉におすすめです。咲いてからしばらく経った花の花粉は、受粉能力が低くなっている可能性があります。そのため花粉を採取するタイミングは、雄花が咲いてすぐがよいとされています。

採取した花粉の保管方法

採取した花粉は、容器などに入れて冷蔵庫で保管できます。ただし、時間が経つにつれて受粉能力は低下していきます。保管するときは湿気てしまわないように、新聞紙などで花粉を包んでおくとよいでしょう。

混ぜ方②花粉と混ぜ合わせる

花粉を採取できたら、石松子と混ぜ合わせます。使う製品によって変わりますが、花粉とその4倍~10倍の量の石松子を混ぜるのが基本です。花粉と石松子は、人工授粉を行う当日に混ぜるのがよいでしょう。花粉と混ぜた石松子はその日のうちに使いきるのがよいので、あまりたくさんの量を混ぜ過ぎないようにしてください。また、強く混ぜ過ぎないようにも注意します。

石松子の効果的な使用方法

用意する道具

受粉用梵天(ぼんてん) 300mm 10本組 花粉交配用刷毛

参考価格: 3,750円

出典: Amazon
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楽天

石松子と花粉を混ぜたら、梵天(ぼんてん)や粉末交配器を使ってめしべに花粉をつけます。粉末交配器は園芸店やホームセンターで購入できますが、初心者や手軽に人工授粉を行いたい人は梵天を使うのがおすすめです。受粉用の梵天であれば長さもある程度あり、簡単に人工授粉ができます。

使いやすさ★★★★★
長さ30cm

粉末交配器を使うときの注意

石松子のパッケージの中には、湿気を防ぐために吸湿剤が入っていることがあります。吸湿剤を粉末交配器に入れると、故障の原因になってしまいます。粉末交配器を使うときはパッケージの中にある吸湿剤を機械の中に入れないように注意してください。

使用方法①花粉の重量にあわせる

どの製品を使うかによって変わりますが、ほとんどは花粉とその4倍~10倍の量の石松子を混ぜて使います。同じ種類の果樹でも、品種によって混ぜる分量が変わることがあるので、それぞれの製品の注意書きをよく読んでから使用してください。分量を正しく守れていないと、人工授粉がうまく行えない可能性があります。

使用方法②受粉前に混ぜる

石松子と花粉を混ぜたら、すぐに人工授粉を行います。石松子は、花粉と混ぜてしまうと保存できません。混ぜたものは、当日のうちに使いきるのがベストです。受粉能力を低下させないためにも、石松子と花粉は人工授粉を行う当日に混ぜるとよいでしょう。

保存方法

開封した石松子の保存方法は、常温保存です。できれば直射日光の当たらない涼しい場所で保存してください。パッケージに吸湿剤が入っていない場合は、吸湿剤を入れるなどして湿気を防ぎましょう。保存方法を守ればその年のうちは使えますが、品質が劣化するため、翌年にまで持ち越すのはよくありません。

石松子を販売しているところ

園芸店・ホームセンター

石松子は、園芸店やホームセンターで販売しています。果樹の栽培に使われるので、果樹を扱っているコーナーの近くに置いていることが多いようです。

インターネット

石松子 (ボトル) 80g ピンク

石松子 (ボトル) 80g ピンク

参考価格: 1,650円

出典: Amazon
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楽天

園芸店やホームセンターで見つからないときは、インターネットで購入するのもおすすめです。星野株式会社の石松子は色が鮮やかなので、人工授粉を行った花がすぐに判別できます。ボトルには加湿を防ぐためにシリカゲルが入っているので、使用するときは取り出してから使ってください。

容量80g
染色ピンク

石松子で人工授粉にチャレンジしよう!

出典:写真AC

石松子の原料は、ヒカゲノカズラというのシダ植物の胞子です。石松子はヒカゲノカズラの胞子を染色しているので、どの花に花粉をつけたかわかりやすく、人工授粉を効率的に行えます。保存方法も簡単で、吸湿剤などと保存すればOKです。なかなか実がつかない果樹も、石松子を使うと実がつきやすくなりますよ。果樹を栽培している人は、石松子を使って人工授粉にチャレンジしてみてくださいね!

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ライター

apple.

ターシャ・テューダーが好きな食いしん坊ライター。ゴーヤでグリーンカーテンを作るのが夢。フラワーアレンジメント歴5年で好きな花はミモザとユーカリ。

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