ローズヒップティーとは
ローズヒップティーは、美しい色と酸味が特徴のハーブティーです。南米やヨーロッパ産の「ロサ・カニナ」や、国産では「ハマナス」というバラの実から作られます。ビタミンCの含有量がとても多いことから美容界では特に注目を浴び、エキスが配合されたスキンケア用品なども販売されています。美容と健康に役立つローズヒップティーの栄養や飲み方を見ていきましょう。
ローズヒップティーの栄養素・効能効果
美肌効果
ローズヒップには、「ビタミンCの爆弾」の異名がつくほどビタミンCが豊富に含まれ、その量はレモンのおよそ20倍ともいわれます。ほかにも抗酸化作用に優れたビタミンEやβカロテンなども含むため、肌を健康的に保つのはもちろん、シミ予防やアンチエイジングのサポートにも最適な飲み物だといえます。
肌への効果
- コラーゲンを合成して、ハリのあるみずみずしい肌を作る
- 抗酸化作用で活性酸素を除去し、老化を防ぐ
- メラニンの生成を抑え、しみやそばかすを防ぐ
- メラニン色素を薄くして、しみ、そばかす、にきびあとを目立ちにくくする
- 肌のターンオーバーを整え、透明感のある肌へ導く
ビタミンCは加熱しても大丈夫
これまでビタミンCは熱に弱く、加熱により分解されてれてしまうという考えがありました。しかし、ビタミンCは細胞壁やほかの抗酸化物質に守られているため、現在では通常の調理で分解されることは、ほとんどないとされています。
便秘対策
ローズヒップに含まれる「ペクチン」という水溶性食物繊維が、腸内環境を整えて排便を促します。ペクチンには、腸内の善玉菌のえさになったり、腸の中でゼリー状になり硬い便を柔らかくしたりする働きがあるからです。おなかの張りが解消されるのはもちろん、ナトリウムやコレステロールも一緒に排出されるため、生活習慣病の予防やダイエットにも役立ちます。
免疫力アップ
ローズヒップのビタミンCは、白血球の働きをサポートして免疫力を高めます。ほかにも、βカロテンがのどや鼻の粘膜を強化し、ウイルスや病原体の侵入を防ぎます。また、抗菌・抗ウイルス作用もあるため、古くから風邪薬としても利用されてきました。ローズヒップティーを飲むことで免疫力がアップし、風邪や感染症などの予防につながります。
ストレス対策
ストレスは心と身体に悪影響を及ぼしますが、このストレスから守ってくれる栄養素がビタミンCです。人は、ストレスがかかると副腎からホルモンが分泌され、ストレスに対する抵抗力を高めます。このホルモンを作るのにビタミンCが使われています。積極的にビタミンCを摂取して、ストレスに負けない心と身体を作りましょう。
ホルモンバランスを調整する
ローズヒップに含まれているビタミンEにはホルモンバランスを調整する働きがあります。月経痛、月経不順、PMS(月経前症候群)、更年期障害などの女性特有の不調を和らげるのに効果的です。また、ビタミンEには血行をよくする働きもあるため、冷え性の改善にも役立ちます。女性にとってうれしい効能がたくさん詰まっています。
貧血の予防
ローズヒップには貧血の予防に効果的な鉄分も含まれます。鉄分が不足すると体が酸欠状態になり、だるさや疲れ、頭痛や動悸を引き起こします。また、鉄分は肌の新陳代謝やコラーゲンの合成を助ける働きもあるため、不足すると美容面にも影響を与えます。鉄分は吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCがそれを助けるので、どちらの栄養も含むローズヒップティーは鉄分の摂取にも効果的です。
ダイエット効果
ローズヒップに含まれるダイエットに効果的な成分が「ティリロサイド」です。皮下脂肪や内臓脂肪を減らす働きがあり、エキスを抽出したダイエットサプリメントなども販売されています。ほかにも、血糖値の急上昇を防ぎ、腸内でブドウ糖やコレステロールの吸収を抑えるペクチンの働きで、ダイエットをサポートしてくれます。
ローズヒップティーの美味しい飲み方
ローズヒップティーというと、ルビー色で酸味が強いイメージをもつ方もいるかもしれませんが、それはハイビスカスが配合されているものです。ローズヒップだけのものは、黄色~オレンジ色で、ほのかな酸味と甘みを感じるくせのない味がします。それでは、ローズヒップの実だけを使ったローズヒップティーの美味しいいれ方、飲み方を見ていきましょう。
ローズヒップティーの美味しいいれ方
- ローズヒップの実をティースプーン2~3杯に対して、お湯300ccを注ぎます
- 実を柔らかくするためにふたをします
- 細かいファインカットなら約3分、粗めのシェルカットなら8分ほど蒸らしてできあがりです
実も食べると効果的
ハーブティーのお湯に溶け出す栄養はごく一部です。特に、油に溶ける性質のビタミンEやβカロテンはほとんど実の中に残ったままなので、ぜひとも実まで食べるようにしてくださいね。もし食べるのが苦手だと感じたら、茶こしなどでいれて、実の部分はヨーグルトのトッピングにしたり、はちみつをかけたりすると食べやすくなりますよ。
苦手な味だったらアレンジして
味の好みは人それぞれで、特にハーブティーは好みが大きく分かれるものです。もしローズヒップティーが苦手だと感じたら、濃い目にいれて氷の入ったグラスに注いでアイスにしたり、はちみつを加えたりしてみてください。また、ブレンドするならルイボスティーやハイビスカス、紅茶なら甘みのある「ハニーブッシュ」や「キャンディ」などと相性がいいですよ。
ローズヒップティーの副作用
とても身体にいいローズヒップティーですが、飲みすぎによる副作用には注意が必要です。それは、ビタミンCの過剰摂取による副作用といえますが、胸やけやだるさ、吐き気や下痢などを引き起こすことがあります。特に、胃腸がデリケートな方や、体調がすぐれないときは注意しましょう。1度にたくさん飲むよりも、1日2~3杯を長く続けて飲む方がよい効果を感じられるでしょう。
まとめ
女性にうれしい栄養がたっぷりのローズヒップティーは、女性だけにおすすめするハーブティーではありません。日々のストレスを抱える男性から、免疫力を上げたいお子様やお年寄りにも。また、カフェインを含まないので妊婦さんもにも優しい飲み物です。ローズヒップティーを飲んだら実まで食べることを習慣にして、元気な毎日を送ってくださいね。
ビタミンCの含有量は植物界でNO.1といわれています。