フェンネルとは
フェンネルは、地中海沿岸が原産地のセリ科の植物です。もともとは野草として自生しており、古代ローマの時代には食用として栽培されていました。日本には平安時代に渡来し「ウイキョウ」という名で親しまれています。この記事では、フェンネルの特徴や育て方、病気や害虫、管理方法などをご紹介します。水やりや肥料も難しくなく病気にもかかりにくいため、初心者でも育てやすいハーブですよ。
基本情報
学名 | Foeniculum vulgare |
科名 | セリ科 |
属名 | ウイキョウ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
草丈・樹高 | 1~2m |
開花時期 | 5~7月 |
花色 | 黄色 |
名前の由来
フェンネルの名前は、ラテン語で干し草や牧場という意味の「Fenum(フェノム)」に由来します。干し草のようなすっきりとした香りがすることから、このように名づけられたといわれています。
フェンネルの育て方
フェンネルは、もともと野草として自生していただけあり、栽培環境に影響されにくい、強いハーブです。水やりや肥料の手間もそこまでかからず病気にも強いので、ちょっとした管理方法さえ押さえれば、とても育てやすいハーブです。種植えと苗植えの両方の方法をご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
育て方①栽培環境
フェンネルは、太陽がさんさんと降り注ぐ地中海沿岸が原産地のため、十分な日光と水はけのいい環境を好みます。また、フェンネルは成長すると草丈が2mを超すこともある大型の植物です。地植えの場合は、ある程度の広いスペースを確保しておくとよいでしょう。
育て方②用土
フェンネルは水はけのよい土を好みます。鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で配合したものか、市販のハーブ用の土がよいでしょう。地植えの場合は、土をしっかりと耕しておきます。その際に、有機質肥料や腐葉土を少量混ぜておくと、株がより強く、しっかりと根付いて成長するのでおすすめです。
育て方③種まき・植え付け
フェンネルは、種まきと苗植えのどちらでも育てられるので、ご自宅の栽培環境にあわせて選ぶとよいでしょう。植え付けの時期は、種まき、苗植えのどちらの場合でも、春か秋が適期です。
種から育てる場合
種まきで育てる場合は、畑やプランターの土に穴をあけ、種を10粒ずつまとめて植えます。株同士の間隔は30cmほど開けましょう。発芽に適した温度は18~22℃なので、暑すぎたり寒すぎたりする真夏や真冬の種まきは避けたほうがよいです。種が芽吹き、本葉が5枚ほど生えてきたら、元気な株をひと株残して間引きます。
苗から育てる場合
フェンネルは、根が傷つきやすい植物のため、苗から育てるときは取り扱いに注意が必要です。そのため苗を選ぶときは、まだ根が伸びきっていない幼苗にしましょう。根へのダメージを少なくするために、苗についた土はなるべく落とさないようにしてください。耕した畑やプランターの土に、種のときと同様に30cm間隔でやさしく植え付けていきます。
育て方④水やり
水やりは、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。地植えの場合は水やりの必要はほとんどありません。雨があまり降らず、乾燥がひどい場合のみ水やりをしましょう。またフェンネルは多年草なので、枯れた後も同じ場所から新しい芽が生えてきます。そのため枯れたあとでも水やりを続けることで、毎年花や香りを楽しめますよ。
育て方⑤肥料
地植えの場合は、植え付けの一週間ほど前に苦土石灰を梳き込んで土壌を整えれば、その後の肥料は必要ありません。鉢植えの場合は、緩効性の肥料を与えるとよいでしょう。肥料を与える時期は、生育期である3~4月か9~10月頃がおすすめです。
育て方⑥土寄せ
茎の部分を収穫したい場合は、株元に直射日光が当たると固くなってしまうので、土を寄せて保護しましょう。株元が大きく膨らんできた段階で土を寄せておくと、白く柔らかく育ちます。土を寄せるときは、株元を優しく包み込むように盛るとよいでしょう。
次のページでは、フェンネルの収穫と増やし方について紹介します。