互生とは
互生の読み方は「ごせい」です。「互」という漢字は「互いに関している2つのものが、かわるがわる同じことをするようす」を意味します。互生とは、葉が1節につき1枚、互い違いに位置をずらして、順番に生えてくるという意味です。植物の葉の付き方の特徴をあらわす言葉でよく使われます。互生とともによく使われるのが「対生(たいせい)」です。
ボタニ子
互生の特徴
互生の特徴は、1本の枝や茎に1枚ずつ葉が交互に生えることです。サンショウのように小さい葉が奇数あり、向かいあった付き方をしていると対生に見えます。枝の先にむかって節の間隔が狭くなる植物は、たくさんの葉が一度に生えているようにも見えるでしょう。実は、これは「奇数羽状複葉」(きすううじょうふくよう)という付き方で、小葉の集合体を1枚の葉としてみるため互生とされるのです。
- 1つの節から葉が束になって生えていることを「束生」(そくせい)といいます。互生の葉が枝先でつまっている場合も束生ということがあります。
ボタニ子
2枚ずつ互い違いに葉が生えてくる植物もあるわ。それは互生ではなくて「コクサギ型」という付き方よ。クロウメモドキ科やミカン科によくあるわ。
互生のメリット
互生のメリットは太陽光を効率よく浴びられることです。葉は太陽光をあびて光合成をします。なるべく多く光合成をするために、葉を多く茂らせる植物もありますが、ほかの葉の影になるデメリットもあります。一方、互生は1節に1枚の葉で交互に生えることで、上の葉の陰になりません。1枚ずつたっぷり太陽光を浴びられるメリットがあります。
ボタニ子
太陽光をたくさん浴びようとして1節に3枚以上の葉をつけることを「輪生」っていうの。読み方は「りんせい」ね。
- 葉の付き方は、輪生、対生、コクサギ型、互生の方向に進化しているといわれています。
互生の植物
互生の植物は1000種類以上あります。ヤナギやツバキ、サクラなどの樹木や、ヒマワリ、ゼラニウム、アイリスなどの草花も互生です。身近な植物も多いので観察してみましょう。同じ科の植物は葉の生え方が同じです。例えばキク科のヒマワリは、同じ科のガーベラやマーガレットと同じ互生で葉を付けます。フウロソウ科も互生します。フウロソウ科のゼラニウムやペラルゴニウムはもれなく互生です。
ボタニ子
科が同じでも属の違いで生え方が変わることもあるの。植物の見分け方として便利ね。
まとめ
植物の葉の生え方は複数あります。互生はその中の1つです。葉の総面積は少なめですが、1枚ずつの葉が確実に光合成するのには適した生え方です。互生している植物を、ぜひ真上から観察してみてください。葉の付け根がらせん状に少しずつずれているのがわかりますよ。少しでも多くの太陽光を浴びようとした、植物の工夫がみられるでしょう。
対生はね、かわりばんこじゃなくて1節につき2枚、茎を挟んで両側に向かいあって葉が生えてくることを意味するの。双葉みたいなかんじね。