カラタネオガタマとは?その特徴や育て方をご紹介!名前の由来は?

カラタネオガタマとは?その特徴や育て方をご紹介!名前の由来は?

カラタネオガタマ(唐種招霊)という花木をご存じですか?名前は知らなくても「バナナのような香りのする花」と言えば、あの木かなと思い当たるかもしれませんね。トウオガタマとも呼ばれるカラタネオガタマノキの特徴や名前の由来、育て方や種類についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.カラタネオガタマの特徴
  2. 2.カラタネオガタマの名前の由来
  3. 3.カラタネオガタマの種類
  4. 4.カラタネオガタマの育て方
  5. 5.まとめ

カラタネオガタマの特徴

カラタネオガタマとは?

出典:写真AC

カラタネオガタマはモクレン科の常緑花木

カラタネオガタマ(唐種招霊)は、中国南部原産のモクレン科の花木です。江戸時代に日本に渡って来ました。トウオガタマ(唐招霊)とも呼ばれます。モクレンとは異なり常緑のオガタマノキ属になります。樹高は4メートルほどで、日本原種のオガタマノキが20メートルを越えて育つのに比べると小ぶりで、庭植えに適しています。生垣に利用されることも多く、開花時期にはよい香りを周辺に届けます。

カラタネオガタマの基本情報

名前 カラタネオガタマ(唐種招霊)、カラタネオガタマノキ、トウオガタマ(唐招霊)
学名 Michelia figo
英名 banana shurb、banana tree
科/属 モクレン科オガタマノキ属

オガタマノキ属はミケリア(Michelia)属ともいいます。Micheliaは植物学者の名前です。

だからモクレンの蕾に似てるのね。

Photo byPitsch

モクレンの蕾

カラタネオガタマの蕾

出典:写真AC

カラタネオガタマは4月から5月にかけて、モクレンの花より小さな3cm幅くらいの花が咲きます。蕾は柔らかな毛皮のような袋に包まれていて、モクレンの蕾に似ています。花びらは6枚でクリーム色ですが、「ポートワイン」や「パープルクイーン」など紅色の品種もあります。

実もつくよ!

カラタネオガタマの実

花の香りがバナナに似てるので英名はバナナツリー

カラタネオガタマの花は、バナナかアイスクリームのような爽やかなよい香りがするのが特徴です。秋に赤い実をつけます。バナナのような香りから、英語では「banana shurb」「banana tree」と呼ばれます。

中国名は含笑花

中国名は「含笑」、「含笑花」です。花びらが全開しない含み笑いのような花の形からきているといわれます。

カラタネオガタマの名前の由来

オガタマって?

出典:写真AC

オガタマノキの葉は神事に用いられた

カラタネオガタマノキ(トウオガタマ)の名前の由来を語るには、まず「オガタマノキ」の名前の由来を知る必要があります。日本原種のオガタマノキは、葉のついた枝をサカキのように神事に用いられていたことから「招霊」(オキタマ)と呼ばれ、オガタマの名に変化したとの説が有力です。天岩戸でアメノウズメノミコトが舞いを舞った時に手にもっていたのがオガタマノキの枝であるといわれています。

「小香実」とも書かれる

また、 オガタマは「小香実」とも書かれます。小さくて香りがあり、実がつくの意味で、実が丸いことから「実」が「タマ」の音になったという説もあります。

カラタネって?

カラタネ(唐種)は中国原産の意味

カラタネオガタマノキの「カラタネ(唐種)」は、中国原産であることを意味します。日本原産のオガタマノキと区別するため、カラタネオガタマノキ、カラタネオガタマまたはトウ(唐)オガタマと呼ばれるようになりました。

カラタネオガタマの種類

カラタネオガタマの種類と園芸品種

園芸品種「ポートワイン」

カラタネオガタマの種類について、まず園芸品種からご紹介します。「ポートワイン」は、紅色の花びらが特徴で、シンボルツリーとしても人気の品種です。やはりバナナのような香りがあります。多湿は嫌いますが乾燥にも弱く、やや湿り気のある土壌を好みます。開花時期は5月頃です。学名は「Magnolia figo(Lour.)DC.'Port Wine'」で英名は 「Port Wine Magnolia」です。

園芸品種「パープルクイーン」

もうひとつ、赤色系の品種の「パープルクイーン」です。「ポートワイン」同様にカラタネオガタマの園芸品種で、紫紅の花色が神秘的です。中国名は「紫花含笑」で学名は「Michelia figo ‘Purple Queen’」です。開花は5月頃になります。

ウンナンオガタマ

次にウンナンオガタマ(雲南招霊)です。名の通り、中国雲南省に自生したり、街路樹に使われたりしています。中国名は「雲南含笑」、 学名は「Michelia yunnanensis 」です。開花時期は4月から5月です。カラタネオガタマよりもやや大きな白い花で、花びらが広がって咲きます。香りもあります。

ミヤマガンショウ

次の種類は、ミヤマガンショウです。中国の中南部、湖南省あたりが原産といわれています。中国名は「深山含笑」で、学名は「Michele maudiae」です。開花時期は3月頃です。10センチくらいの幅の白い花が咲き、強く香ります。耐寒性はありませんが、花付きのよい花木です。

日本原産のオガタマノキ

最後に、日本原産のオガタマノキについても触れておきます。オガタマノキは、「招霊の木」または「小賀玉木」 「黄心樹」 と書かれることもあります。「トキワコブシ」の別名もあり、学名は「Michelia compressa」「Magnolia compressa」です。25メートルほどに育つ高木で神社などで見かけます。

オガタマノキの実

オガタマノキの開花時期はカラタネオガタマより早く、2月から4月にかけて白い花を咲かせます。花弁は12枚で、香ります。葉はカラタネオガタマより大きく、光沢があります。秋には赤い実を付けます。

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カラタネオガタマの育て方

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