はじめに
平家物語の冒頭に「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」という一文があります。とても有名なフレーズですね。実は、平家物語に読まれた沙羅双樹は、夏椿という別の植物なのではないかといわれています。沙羅双樹と夏椿はどちらも沙羅(シャラ)の木と呼ばれているのですが、何が違うのでしょうか?それぞれの違いを見てみましょう。
沙羅双樹ってどんな植物?
なぜ沙羅双樹というのか
おとーにゃん&hiチャン(himomongaサン)が決めてくれてん👍平家物語のちごてインドの「沙羅双樹」の沙羅でっせ🙋 pic.twitter.com/EpEMhKOrL3
— 糖質OFF(プロフは向日葵ヒマと澪月ミー) (@re__wish) September 3, 2016
お釈迦様が滅入する際に沙羅(シャラ)の木が2本並んでいたことから、沙羅双樹と呼ばれるようになったといわれています。そのほかにも四方に2本ずつ生えていたなどの説もありますが、どちらの説も沙羅(シャラ)の木が2本並んで生えていることから、沙羅双樹と名づけられました。沙羅双樹は無憂樹や菩提樹と並ぶ、三大聖木として崇められています。
ボタニ子
ボタ爺
無憂樹は誕生のとき、菩提樹は悟りのとき、沙羅双樹は入滅のとき、それぞれお釈迦様のそばにあったとされる大木のことを三大聖木というんだよ。
沙羅双樹の特徴
咲くや風 晩鐘の音 ひきよせり たましい還す 沙羅双樹花. pic.twitter.com/7HWlY1fQxc
— Nadja🦋🇫🇷🍾 (@norskskankatt) July 27, 2016
科目 | フタバガキ科 |
原産地 | インド |
開花時期 | 3~7月 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
沙羅双樹の木はとても固くて丈夫なので、現地では寺院などの建築資材に用いられています。樹液はバンソウコウの原料などに使われています。
沙羅双樹の花の色
本物の沙羅双樹の花の色は、白または淡いクリーム色をしていて、ジャスミンのような香りがします。小さな花がいくつも集まって見える姿は、見上げると壮観ですよ。
日本で沙羅双樹の花の色は楽しめるの?
現在、日本で沙羅双樹の花を見られる場所を紹介します。沙羅双樹は日本での栽培が難しい植物なので非常に貴重な存在です。園の都合によっては鑑賞できないこともあるので、HPなどで確認してから足を運ぶことをおすすめします。
沙羅双樹の花の色が楽しめるのはここだ!
草津市立水生植物園みずの森
尊い【聖樹】沙羅双樹
— 菊田邦洋✳️ (@palaiso9) April 19, 2014
滋賀県草津市下物町の市立水生植物公園みずの森、仏教の三大聖樹の一つ「サラノキ」の花が見頃を迎えた。園によると西日本で花が見られるのはここだけと。サラノキはインド原産で釈迦入滅の際そばにあったとされる。と/京都新聞 pic.twitter.com/gnPe9J7Owp
滋賀県にある水生植物公園みずの森です。ここでは本物の沙羅双樹の花を楽しめるほか、季節ごとの花も楽しめますよ。西日本で沙羅双樹が見られる場所はここだけです。
新宿御苑
皇室の庭園としても有名な新宿御苑では、沙羅双樹を含む三大聖木を楽しむことができます。東日本で沙羅双樹が見られる場所はここだけです。
「沙羅双樹の花の色」は夏椿のこと
なぜ夏椿を沙羅(シャラ)の木というのか?
①日本の沙羅の木=夏椿
— 名香智子 (@nakatomoko222) August 14, 2019
②姫沙羅(沙羅ではないのに姫沙羅と名付けられる)
③タイやベトナムの沙羅の木 pic.twitter.com/bsutOlDDI7
夏椿は日本が原産のツバキ科の植物で、本州から九州の各地で自生する姿がみられます。仏教が伝わった当時の日本には沙羅双樹は存在せず、伝承でしかありませんでした。そのため葉の形が似ている夏椿を、沙羅(シャラ)の木と呼んでいたのではないかといわれています。
ボタニ子
本物の沙羅(シャラ)の木を探しに行ったお坊さんが、見間違えたって説もあるんだって!
夏椿の特徴
沙羅双樹の花を見ると、切ない気持ちになります。#妙心寺 #沙羅双樹#夏椿 #京都#kyoto #myoshinji pic.twitter.com/AoOeYQv49n
— 妙心寺 (@Myoshin_ji) June 23, 2017
科目 | ツバキ科 |
原産地 | 日本 |
開花時期 | 6~7月 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
夏椿は朝に開花した花が夕方には落ちてしまう特徴があり、一日花とも呼ばれています。平家物語の一文は、夏椿が散っていく姿に、人生や命の儚さなどの意味を重ね合わせていたのではないかといわれています。
夏椿の花の色
夏椿です。
— 白蔵主 (@kou_dm) July 2, 2019
京都は東林院(合ってるかな?)が有名です。(沙羅と呼んでますが…) pic.twitter.com/dkiMabZ0Y1
夏椿は、6~7月に開花の時期を迎えます。花の色は白く、フリルのような花びらが特徴的です。沙羅双樹のようにジャスミンのような香りはしませんが、可憐な姿が楽しめます。
花言葉
#気ままなカフェ
— すー🍃🍋@きなりfriends (@OrHiromi) June 24, 2019
🌿夏椿
昔、ある僧侶が夏椿の木を沙羅双樹と思い込んで広めたことから別名 沙羅の木
✨花言葉は『はかない美しさ』
平家物語にもうたわれた沙羅双樹の白い花...
...盛者必衰の理をあらはす
...おごれる人も久しからず
形あるものは いつかは滅ぶんだよなぁ🙁 pic.twitter.com/GDcFwmGi5M
沙羅双樹には花言葉は存在しないといわれていますが、夏椿には花言葉がつけられています。その言葉は「愛らしい」や「儚い」という意味が込められています。この夏椿の花言葉は、時として沙羅双樹に用いられることがあります。
ボタニ子
続いて、沙羅(シャラの木)こと夏椿の栽培方法を紹介します。夏椿なら日本の気候でも栽培しやすいですよ。
三大聖木ってなに?