リクニス・コロナリアとは
リクニス・コロナリアの基本情報
園芸分類 | 草花 |
科名・属名 | ナデシコ科・センノウ属 |
形態 | 宿根草・多年草(二年草の扱いもある) |
草丈 | 60cm~100cm |
種まきの時期 | 4月~5月、9月~11月 |
開花の時期 | 5月~7月 |
花色 | 赤、ピンク、白、複色 |
耐寒性・耐暑性 | 耐寒性強い・耐暑性強い |
花言葉 | いつも愛して、私の愛は不変 |
リクニス・コロナリアは、白色の綿毛でおおわれている柔らかい葉が特徴の草花です。「フランネルソウ」や「スイセンノウ」といった別名もあります。花の大きさは直径3cmほどで、主な花色は赤やピンク色です。耐寒性、耐暑性ともに強いため、ガーデニング初心者でも育てやすい草花ですよ。
ボタニ子
リクニス・コロナリアの育て方
育て方①用土
リクニス・コロナリアの用土は、市販の草花用の用土を使用します。乾燥気味で、水はけのよい環境であれば、場所を選びません。しかし、日当たりと水はけが悪い場所で育成をする場合は、山砂や鹿沼土を混ぜたり、盛土をしたりして水はけのよい環境をつくりましょう。
育て方②種まき
種まきには、4月~5月の春まきと、9月~10月の秋まきがあります。リクニス・コロナリアの種は、冬の寒さを経験することで新芽をつくり、翌年の春に開花をするため、秋まきでも十分間にあいます。ただし、秋まきが遅れると苗が育たず、翌年に花が咲かない場合があるので注意しましょう。春まきの場合は、順調にいけば1年後に花を咲かせます。
育て方③水やり
種から苗へと育てる場合は、用土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えましょう。鉢植えで育てる場合も同様に、土の表面が乾いてきたころを見計らうとよいでしょう。ただし、苗から庭植えに植え替えた場合は、水やりの頻度を下げて構いません。
ボタニ子
鉢植えで育てる場合は、「水やりステッカー」を土中にさすのがおすすめよ。土中の水分がなくなってくると、白く変色するから水やりのタイミングがわかるわ。
育て方④肥料
庭植えの場合は、草花用の肥料を少量与えておけば、その後に追肥する必要はありません。ただし、株を大きくしたり、花数を増やしたかったりする場合は、10月ごろに肥料を少量施します。こうすることで、翌年は株が充実し、開花はより多くなるでしょう。
育て方⑤植え替え
リクニス・コロナリアの多くの種類は多年草のため、頻繁に植え替える必要はありません。しかし、古株や枯れてしまった株がある場合は、植え替えが必要です。植え替えの適切な時期は9月~10月です。また、開花苗が出回る3月~4月に植え替えるのもよいでしょう。
育て方⑥花後の管理(剪定)
リクニス・コロナリアは、高温多湿が苦手な草花です。花後は株同士の湿気を防ぐため、切り戻し(剪定)をする必要があります。本格的な冬の寒さがくる前に剪定をしておきましょう。
剪定の仕方
- 草丈の1/2ほどまで切り戻す
- 晩秋になったら、株元まで切り戻す
ボタニ子
剪定は、花後と本格的な寒さがくる前の晩秋の2回に分けるのがポイントよ。春になるまで葉を残して休眠に入ります。
リクニス・コロナリアの増やし方
リクニス・コロナリアの花後の増やし方には、「種」「挿し木」「株分け」の3つの方法があります。品種によって増やし方が異なります。
増やし方①種まき
リクニス・コロナリアの増やし方は、開花後のこぼれ種による種まきが一般的です。こぼれ種が自然に芽生えて、丈夫な株に育ちます。庭やプランターに入った用土に直接種をまくこともできます。
増やし方②挿し木
種のできない八重咲きの品種や、茎が伸びすぎて切り戻した株は「挿し木」で増やせます。増やし方は簡単です。八重咲きの品種を増やしてみたい方は、ぜひ試してみてくださいね。
挿し木の方法
- 芽のついた茎を適当な長さに切る
- 葉は水分の蒸発を防ぐため半分にカットをする
- 30分ほど吸水させ、水を与えた用土に植える
増やし方③株分け
種のできない品種は、「挿し木」のほかに「株分け」という方法でも増やせます。花後の株を掘りあげて、清潔なハサミなどで株をそれぞれ分けて植え替えます。株分け作業の適切な時期は10月ごろです。耐寒性の強いリクニスですが、本格的に寒くなる前に作業したほうが、株のダメージが少なくすみます。
ボタニ子
切り戻しの枝で増やせるから、エコにもなって捨てずにすむね。どの増やし方も簡単で、これならガーデニング初心者のわたしにもできそう。
リクニス・コロナリアの園芸品種
リクニス・コロナリアは、品種によって見た目や、特徴、育て方も大きな違いがあります。こちらではリクニス・コロナリアを代表する3つの品種の違いを紹介します。
アボッツウッド・ローズ
アボッツウッド・ローズは、直径3cmほどの色鮮やかな濃い紅色の花を咲かせます。八重咲きの特徴もあることから、ローズという名がぴったりの花といえます。
エンジェル・ブラッシュ
エンジェルブラッシュとは「頬を染めた天使」という意味を持っており、外側が白で、中心が薄いピンク色をした花色が特徴です。分岐してたくさんの花を咲かせます。
ガーデナーズ・ワールド
ガーデナーズ・ワールドは、美しい八重咲で真紅色の花が特徴的です。カーネーションに似た花の形をしており、ガーデニング好きにも人気があります。リクニス・コロナリアの品種の中では、唯一種ができないことでも知られています。
まとめ
リクニス・コロナリアは、育て方や花後の処理の仕方、増やし方がとても簡単でガーデニングに使いやすい草花です。ただし、種まきに最適な時期を逃してしまうと、翌年に花が咲かないことがあるので注意が必要です。開花に向けてしっかり種まきや育苗、剪定などの管理をすることで、翌年にはきれいに開花しますよ。リクニス・コロナリアをぜひ育ててみてくださいね。
リクニス・コロナリアは日本に入ってきたのは江戸時代の末期です。宿根草や多年草の形態ですが、育つ環境によって二年草の扱いになることがあるわ。