ニラとは
ニラは栄養価が高く、ニンニクと同じようにスタミナ食材として人気があります。もつ鍋やレバニラ炒めなどの定番の食べ方だけではなく、薬味として生食もできる万能野菜です。価格の変動が少なく、1年中手に入るニラは食卓の強い味方といえます。
基本情報
園芸部類 | 野菜 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 20~30cm |
花の色 | 白色 |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや強い |
特性・用途 | 茎と蕾も食用可能、初心者でも育てやすい |
栽培の可否 | 栽培可能 |
名前の由来
ニラは中国から伝わった当初は「美辣(ミラ)」と呼ばれていました。このミラがなまって「ニラ」になったといわれています。ニラの学名は「Allium tuberosum」ですが、「Allium」はニンニクの臭い「tuberosum」は茎の塊という意味のラテン語が由来です。
旬の時期
ニラの旬は3~5月です。旬の時期のニラは葉が柔らかくて臭いもしっかりしています。生でも食べやすいので、旬の時期に手に入るニラでいろいろな食べ方を楽しみましょう。
ニラの効果・効能
ニラは100gあたり約21kcalと低カロリーでヘルシーな野菜です。さまざまな栄養素が豊富に含まれているので、強い体作りに大活躍するでしょう。しかし、カロリーが低いからといっても、たくさん食べてはいけません。食べ過ぎは胃もたれや腹痛、便秘になる可能性があり、口臭の原因にもなりえます。
栄養と効能①アリシン
アリシンはニンニクなどにも含まれている、臭いのもととなる成分です。ビタミンB1の吸収力をUPさせて、疲労回復や風邪予防など、免疫力の向上に効果が期待できます。また、アリシンには胃を刺激して消化を促す作用があるため、胃の調子が悪いときにはニラを食べるのがおすすめです。
栄養と効能②βカロチン
βカロチンは緑黄色野菜に多く含まれている栄養素で、免疫力を高めてくれる働きがあります。βカロチンは摂取すると体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の再生維持や、視力低下の防止に効果が期待できる成分です。ビタミンB1を含む食材と一緒に食べることで、より効率よく吸収できます。
栄養と効能③ビタミンK
ビタミンKは骨を強くするほかに、血管を強くして流血を早く止める作用がある成分です。ビタミンKが不足していると動脈硬化や骨粗しょう症を引き起こす恐れがあります。ビタミンKは脂肪に吸収される性質をもっているため、油を使ったバランスのよい調理法で摂取してください。
栄養と効能④食物繊維
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、ニラに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は腸内の水分を吸収して、腸を刺激する特徴を持っています。食物繊維は腸内環境を整えてくれる働きがあるため、便秘の解消や美容、ダイエット効果に期待がもてますね。
栄養と効能⑤葉酸
葉酸は胎児の成長に不可欠な栄養素で、生理不順を整える働きもあるため、とくに女性は積極的に取り入れましょう。葉酸は水溶性のビタミンB群のひとつで水に溶けやすいため、スープなどで摂取すると効率よく取り入れられます。葉酸はβカロチンやビタミンCなどと一緒に摂取することで、吸収力UPが期待できます。
栄養と効能⑥鉄分
鉄分は血を作るうえでなくてはならない成分です。鉄分が不足すると貧血や動悸、息切れなどが起こりやすくなり、免疫力低下にもつながります。また、妊娠中の女性は胎児に栄養や酸素を送れなくなってしまうので、不足しないように気をつけましょう。
栄養と効能⑦ビタミンA
ビタミンAはβカロチンの吸収力を高めるほかに、シミやそばかすの抑制や肌の張りを保つ効果があり、美容にはかかせない栄養素です。ビタミンAを作り出すにはβカロチンが重要です。βカロチンが豊富に含まれるニラは、理想の食材ともいえるでしょう。
栄養と効能⑧モリブデン
モリブデンは鉄分の働きをサポートしたり、代謝を高めたりする酵素成分のひとつです。体内に蓄積された脂肪を燃焼させる効果があるため、ダイエットの強い味方といえます。モリブデンは豆類に多く含まれるため、豆腐や納豆などと食べ合わせるのもおすすめです。
ニラの食べ方
ニラは単体で食べるよりも、茹でたり炒めたりしていろいろな食材と食べ合わせたほうが栄養素を吸収しやすくなります。ニラの栄養を壊さないためには、調理の最後に加えてさっと加熱する程度がよいでしょう。
効果的な食べ合わせ
豚肉
ニラの臭いのもとでもあるアリシンは、ビタミンB1の吸収力を高めます。豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれていますが水溶性のビタミンであるため、スープなどで汁ごと食べるか油炒めがベストです。
レバー
レバーは豊富な鉄分を含んでいる食材です。ニラには鉄分の吸収をサポートするビタミンCが含まれているので、レバーとニラは相性がよい食べ合わせです。
卵
卵にはビタミンやミネラルをはじめさまざまな栄養素が含まれていますが、ビタミンCと食物繊維は含まれていません。足りない栄養をニラで補うことで、相乗効果が得られる食べ合わせです。卵とじならレシピも簡単なので、忙しいときや料理が苦手な人にも作りやすいでしょう。
大豆
大豆に含まれるイソフラボンには女性ホルモンを高める働きがあり、美容やダイエットによい成分です。また、大豆には葉酸やビタミンB1などニラと同じ栄養素が多く含まれますが、これらは水溶性の栄養素なので水に溶けやすい特徴があります。鍋など豆腐と一緒に煮込んで、汁ごと飲み干すのがおすすめです。
鯖
ニラは、鯖との食べ合わせもおすすめです。鯖にはDHAやカルシウムなど免疫力を高める栄養素が含まれています。ニラが持つ栄養と組み合わさることで、ストレスの緩和にも効果が期待できます。ニラは肉だけではなく魚の臭いも抑えてくれるので、青魚が苦手な人も食べやすくなるでしょう。
調理方法
ニラの食べ方は、鍋やスープなどの汁ものから野菜炒めなどいろいろな調理方法がありますが、栄養を逃さず取り入れるなら生食がおすすめです。みじん切りにしてドレッシングを加えたり、卵かけご飯に添えたりしてみてください。
調理前にはしっかり洗う
ニラは調理前にしっかり洗うことで、汚れが落ちるほかにしゃきっとした食感になります。テープなどでくくってある場合は、汚れが固まっていることがあるので茎の間も念入りに洗ってください。カットしてから洗うと臭いが強くなるので、洗ってからカットするのがポイントです。
保存方法
調理で使いきれずに残ったニラは、水気をふき取ってから新聞に包んで冷蔵庫で保存してください。葉は傷みやすいので、折り曲がらないように気をつけましょう。カットして冷凍保存するのもおすすめですが、冷凍保存すると食感が悪くなるので汁ものに使うのがベターです。
ニラは消化に悪い?
ニラに含まれるアリシンは強い殺菌効果があるため、摂りすぎると胃に負担がかかったり腸内環境を壊したりするおそれがあります。また、ニラに含まれる食物繊維は消化されにくく腸内の水分を吸収する特徴をもった栄養素なので、便秘になることもあるでしょう。適量をしっかり噛んで食べるのが、消化によい食べ方です。
出典:写真AC