スカルキャップとは
スカルキャップとは、長い花穂に紫色の花を咲かせるのが特徴のハーブです。日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは古くから体によいハーブとして使われてきました。たくさんの効能を持ち、アメリカ先住民の伝統医学や漢方医学では薬剤として扱うことも多いです。乾燥ハーブ、カプセル、液体、粉末など形状はさまざまです。
基本情報
形態 | 多年草、ハーブ |
学名 | Scutellaria Lateriflora |
科名・属名 | シソ科・タツナミソウ属 |
原産地 | 北アメリカ |
花色 | 紫、青、ピンクなど |
名前の由来
スカルキャップの名前の由来は、花の形にあります。花の中でもガクの部分に特徴があり、横から見ると「頭蓋骨(skull)」や「縁のない帽子(cap)」を思わせる形状をしていることから「頭蓋骨の帽子(スカルキャップ)」と名付けられました。まるで頭蓋骨が帽子をかぶっているように見えますよ。
スカルキャップの特徴
特徴①ハーブとして使える部分が豊富
ハーブによっては「花だけ」「葉だけ」など使える部分が限られることもありますが、スカルキャップは「茎、葉、花、根」のどの部分も使えるところが特徴です。ただし根の部分に限っては、ヨーロッパではハーブとして取り扱われており気軽に手に入れられますが、日本では医薬品原料として扱われているため一般販売がされていません。
特徴②香りや味わい
スカルキャップのハーブティーは、新鮮な草のような香りと苦みのある味わいが特徴です。お茶のようなさわやかな香りを持っておりストレートティーでも飲まれていますが、苦みが際立っています。苦いのが苦手な人はブレンドするのがおすすめです。
特徴③含まれている成分
スカルキャップに含まれている成分は、「フラボノイド」「タンニン」「GABA」「ミネラル」「精油」などです。中でもフラボノイドとミネラルの含有量が豊富です。フラボノイドとは高い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であり、老化防止やアンチエイジングに高い効果が期待できます。
特徴④種類が豊富
タツミナソウ属に属する植物は全てスカルキャップと呼ばれることから、スカルキャップはとても種類が豊富です。主に医療用に使われるのはアメリカに生息する「アメリカンスカルキャップ」と、アジアに生息する「チャイニーズスカルキャップ」です。種類によって花色が異なり、観賞用としても楽しめます。
特徴⑤漢方に利用される
スカルキャップの根を乾燥させたものは「黄芩(オウゴン)」と呼ばれ、古くから漢方薬として人々の生活を支えてきました。「オウゴン」という名前は、スカルキャップの根が明るい黄色をしていることが由来です。主に消炎や解熱作用を持つことから、あらゆる漢方薬に調合されています。
スカルキャップの効果
効果①リラックス
スカルキャップのさわやかな香りは心を和ませ、気分を落ち着かせる役目を果たします。香りだけでなく「GABA」と呼ばれる成分は、体内で神経伝達物質として働き、脳の興奮を抑制するのに効果的です。ストレスは脳の緊張状態がもたらすことが多く、脳を落ち着かせることで高いリラックス効果が期待できます。
効果②痛みの緩和
スカルキャップには筋肉の緊張を抑える働きがあり、痛みの緩和に効果を発揮します。効き目が期待できる痛みの種類は、頭痛や神経痛などさまざまです。痛みの緩和とリラックス効果があわさることで、痛みだけでなく不安定な心のケアにも役立つことから、生理期間中の飲み物としても人気が高いです。
効果③気分を高める
脳の神経が興奮状態にあるときはリラックス効果をもたらすスカルキャップですが、気分が落ち込んだり不安になったりするときには、気分を高める働きが期待できます。「夢見が悪い」「不安な気持ちが続く」など落ち込み気味なときにスカルキャップを取り入れることで、幸福感や安心感とともに高揚感を得られ、安眠や精神安定に役立つといわれます。
効果④抗菌
全てのスカルキャップに当てはまるわけではありませんが、スカルキャップの中には抗菌作用を持っているものもあります。例えばチャイニーズスカルキャップは抗菌作用を持つハーブのひとつで、「キャンディバクチン」といわれる腸内細菌の異常繁殖を抑えるハーブミックスにも使われています。風邪予防や免疫力アップなどに効果的です。
スカルキャップは禁煙や禁酒に効くと聞きました。本当ですか?
スカルキャップを摂取したからといって禁煙や禁酒ができるわけではありませんが、メリットはあります。禁断生活がもたらすイライラや緊張状態をほぐす効果が期待できるハーブのため、タバコやアルコールへの依存心からの解放に役立ちます。
スカルキャップのおすすめの飲み方
スカルキャップハーブティーのいれ方は、ほかのハーブティーと同じです。ストレートなら苦みのあるお茶のような、ブレンドならまろやかな味わいを楽しめます。自分にあった飲み方を見つけておいしく飲みましょう。
飲み方①ストレートハーブティー
材料(1人分)
- ドライスカルキャップ:大さじ1
- 熱湯:150mL~200mL
作り方
- ティーポットにスカルキャップを入れる
- 上から熱湯を注ぎ入れる
- 蓋をして3~5分蒸らす
- 茶こしで濾す
作るときのポイント
- スカルキャップの量は、好みによって調整する
- 熱湯は高い位置から注ぎ入れると茶葉が膨らみ香りがよくなる
- 数分蒸らすのが味わいを深めるコツ
- 苦みが気になるようであれば、砂糖やハチミツを足すと飲みやすくなる
飲み方②ブレンドハーブティー
スカルキャップの苦みが気になり飲みにくく感じる人は、ほかのハーブとあわせて飲むのがおすすめです。スカルキャップと相性のよいハーブには、「レモンバーム」「カモミール」「ラベンダー」「ラズベリーリーフ」「バレリアン」などがあげられます。いれ方はストレートのときと同じです。
おすすめのブレンド
リラックス効果を求めるときは「スカルキャップ+カモミール+レモンバーム」、安眠効果が目的であれば「スカルキャップ+ラベンダー+レモンバーム+カモミール」、不安解消には「スカルキャップ+ラズベリーリーフ+レモンバーム」がおすすめです。スカルキャップの効果を高めたいなら、相性のよいバレリアンをブレンドに入れましょう。
ボタニ子
飲み方③紅茶とブレンドする
「スカルキャップは飲んでみたいけどハーブティーは苦手」という人は、紅茶とブレンドしてみましょう。紅茶の種類はアッサムやダージリンなどクセのないものであればどの茶葉でも構いません。あまり香りの強い種類の紅茶を選ぶと、スカルキャップのさわやかな香りが楽しめなくなるため注意してください。いれ方はストレートのときと同様です。
ボタ爺
ハーブが苦手なら紅茶をメインに入れるんじゃよ。紅茶1杯に対してスカルキャップを小さじ1から足してみるのがおすすめじゃ!
スカルキャップはどこで買える?
①通販
スカルキャップはまだまだ日本では珍しい種類のハーブのため、通販で買うのが簡単でおすすめです。すでにブレンドしたものや、葉だけタイプ、粉末にしたものなど、あらゆる種類から選べる点も通販の魅力です。エッセンスやオイルタイプのものもあり、使い道にあわせて選んでみましょう。
②ハーブ専門店
スカルキャップはハーブ専門店でも手に入ります。スカルキャップは珍しいハーブではありますが、ハーブに特化した生活の木のような店舗であれば取り扱っている可能性は高いです。専門店にはハーブのプロがいるため組み合わせのアドバイスなどが聞ける点がメリットに挙げられます。自分でさまざまなハーブをブレンドしたい方には通販よりもおすすめです。
スカルキャップをおいしく飲もう!
スカルキャップは、心や体の健康に効果のある魅力的なハーブです。薬とは異なり効き目は強くありませんが、優しく癒してくれる存在です。継続して飲むと効き目も出やすいですが、試しに数回飲むだけでももちろん意味はあります。心が落ち着かない人やストレスが溜まりがちな人は特に、スカルキャップを飲んでみてくださいね。
分量はスカルキャップ1に対してほかのハーブ1/2の量から始めてみてね!好みにあわせて調整しよう!