小豆の栽培方法【支柱と摘心】
支柱
小豆は、草丈が大きいものだと1m以上にまで成長します。地植えで育てる場合は株が倒れないためにも、支柱やネットで支えましょう。1株植えるなら1本支柱を立てるだけでも十分ですが、数株一緒に植えるときには合掌式と呼ばれる方法がしっかりと固定できておすすめです。鉢やプランターでコンパクトに育てる場合は、支柱は立てず土寄せで対応するだけで十分です。
土寄せとは何ですか?小豆に土寄せは必要ですか?
土寄せとは、野菜の生長にあわせて株元に土を寄せ集めることをいいます。株の周りの土を株元によせることで、株のふらつきを抑えるのはもちろん、雑草が生えるのを防ぐのにも効果的です。プランターや鉢植えで小豆を育てる場合は、支柱を立てない代わりに土寄せするのが一般的です。土寄せだけでは不安であれば、1本支柱を立てても構いません。
合掌式支柱の立て方
いくつか並んで植えた小豆の苗元から20cmほど離れた両脇に、軽く畝を作りましょう。まずは両方の畝の先端に1本ずつ支柱を挿します。その支柱が株の上部で交差するようにして固定してください。同じように反対側の端にも支柱を立てます。2つの交差した部分に支柱を横向きに渡して固定したら完成です。
合掌式支柱を立てるときのポイント
- 本葉が4~5枚出た頃が支柱を立てる適期
- 畝は作らなくても支柱は立てられるが、作ったほうがより安定する
- 組んだ支柱にネットを這わせると、つるがより巻きつきやすくなる
摘心
小豆の摘心は、脇芽を増やして収穫量を増やすのが主な目的です。本葉が4~5枚出たころを目安に摘心しましょう。摘芯することで全体的にコンパクトに育てられるようになり、手入れがしやすくなります。地植えの場合は無理に摘心しなくても構いませんが、鉢植えで育てる際は限られた空間で効率よく育てるためにも摘心がおすすめです。
摘心の仕方
小豆の摘心はとても簡単で、本葉が出ている枝の先端をカットするだけです。特にコツや注意点はありませんが、切り口から雑菌が入ると病気の原因になるため、剪定ばさみを使用する場合は消毒してから使ってください。消毒方法はアルコールを使うか熱湯消毒が簡単でおすすめです。
小豆の栽培方法【収穫】
収穫時期
夏小豆の収穫時期は8月~9月、秋小豆の収穫時期は10月~11月です。小豆は開花時期が長い植物なので、実が成熟する速度はバラバラです。成熟したものをこまめに摘み取るか、全体的に70%成熟した時点でまとめて収穫しましょう。小豆のさやが薄茶色に変色し硬くなり、軽く振るとカラカラと音がするころが収穫のタイミングです。
収穫の仕方
小豆の収穫方法は簡単で、さやごとハサミで切り落とすだけです。乾燥して硬くなっているため、ケガには十分注意してください。収穫したさやは、ザルやゴザに広げて乾燥させましょう。さやをこまめに摘み取るのが面倒な方は、株元から刈り取っても構いません。株ごと刈り取った後は、株元を束ねて風通しのよい場所につるして乾燥させてください。
ボタ爺
保存方法
乾燥させたさやから小豆を取り出し、ふるいなどにかけてゴミや異物を取り除きます。1日天日で干したら、保存容器に入れて常温で保管してください。虫食いの豆が気になるようであれば、乾燥後取り出した小豆を、水を張ったボウルやバケツに入れて洗いましょう。虫食いの軽い豆は浮き上がるため、沈んでいる物のみ再度乾燥させて保存します。
小豆の栽培で気をつけるポイント
害虫
小豆につきやすい害虫は、「メイガ」「スズメガ」「ネキリムシ」などです。いずれも食害を受ける可能性が高いため、見つけ次第すぐに取り除いてください。ネキリムシは土が肥え過ぎていると増えることもあるので、肥料を与える際は注意が必要です。害虫被害がひどい場合は、薬剤を使用しましょう。
ダイアジノン【日本化薬】
日本化薬 殺虫剤 ダイアジノン粒剤
参考価格: 1,972円
ダイアジノンは「畑の常備薬」ともいわれほど、適用作物の種類が豊富な殺虫剤です。使用時期、使用方法のバリエーションが豊富で害虫の特性や栽培環境にあわせた使用ができます。豆類に対応した薬剤なので、大豆や小豆などにも効果的です。
内容量 | 3kg |
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対応害虫 | ネキリムシ、コガネムシ類幼虫など |
有効成分 | ダイアジノン |
病気
小豆がかかりやすい病気には、「落ち葉病」「茎疫病」「灰色カビ病」などがあります。落ち葉病は土中の菌による病気で、連作時に起こりやすいのが特徴です。病気にかかった株は、根っこごと引き抜いて焼却処分してください。茎疫病や灰色カビ病は、多湿状態が原因の可能性が高いです。水の与え過ぎに注意し、通気性の確保に努めましょう。
ボタニ子
剪定ばさみや植木鉢に雑菌が残っていると苗が病気になりやすいよ!いろいろな植物と使いまわすときは、熱湯やアルコールで消毒して使ってね!
ダコニール1000【住友化学】
住友化学 殺菌剤 ダコニール1000
参考価格: 1,027円
ダコニール1000は、広範囲の病害に有効な殺菌剤です。水に溶けやすく混ざりやすいため、規定量の水と混ぜるだけで安定した散布液が作れます。薬液の粒子が細かく、植物に均一に付着しやすいので、高い防除効果も期待できます。
内容量 | 250mL |
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対応する病気 | 灰色カビ病、疫病、立枯病 |
有効成分 | テトラクロロインソフタロニトリル |
鳥害
小豆の種まき後~発芽するまでの間は、鳥害に注意が必要です。鳥害とは、種として植えた小豆の粒を鳥がつついて食べることです。種まき後は不織布や寒冷紗で土表面を覆うか、防鳥糸や反射テープを使用するなどして対策に努めましょう。発芽してしまえば鳥に食べられる心配はなくなるため、外して大丈夫です。
連作障害
小豆は連作障害のある植物なので、同じ場所で育てるなら3年は期間を空けましょう。小豆に限らず大豆や金時豆などのマメ科の植物でも連作障害を引き起こす可能性が高まります。土壌伝染病害やセンチュウ被害が増大するため、連作は避けてください。
小豆を楽しく育ててみよう!
小豆栽培は、北海道のような寒い地方から沖縄のような温暖な地方まで、あらゆる場所で育てられる丈夫な植物です。家庭菜園で育てるイメージはあまりない小豆ですが、手間もかからず育てやすく、それなりに収穫量も見込めておすすめです。ぜひ小豆を種から育てて、収穫まで楽しんでみてくださいね。
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乾燥期間の目安は2週間~3週間じゃよ!