多肉植物を赤く紅葉させるコツ!
多肉植物は20℃を目安に気温が下がり、朝晩の温度差が10℃以上になったら紅葉するチャンスです。肥料を与え続けていると紅葉しにくいため、紅葉の時期の前に肥料が切れるよう調整しましょう。小さい鉢で管理することで根詰まりを引き起こすと、より紅葉しやすくなります。
ボタニ子
赤~紫色の多肉植物の紅葉の仕組み
赤~紫色の多肉植物はアントシアニンという色素により紅葉します。多肉植物は寒くなると光合成が減少するため、成長に必要な光量と水が過剰になり、その結果アントシア二ンという赤い色素を作って葉のまわりから赤くなります。これは自分を守る防御反応のような仕組みといえるでしょう。
ボタ爺
アントシア二ンは、遮光効果と活性酸素の量を減少させる効果があるんじゃ。
ボタニ子
紅葉の仕組みって結構むずかしいのね。
色が深まり、黄色くなるのも紅葉の一種
多肉植物は赤く紅葉するだけでなく黄色になるのも紅葉の一種です。アントシア二ンは赤~紫色の色素ですが、黄色色素のカロテノイドでも色の変化があります。カロテノイドはクロロフィル(緑色の葉緑素)分解後もクロロフィルより安定してそのまま残ります。寒くなるとクロロフィルが少なくなるため黄色がより強く出て見えるのが黄色の紅葉の仕組みです。
ボタ爺
たとえばブルーグリーンの葉のファンファーレは冬場にほんの少し黄みがかった色に変化する。これも紅葉のひとつなんじゃ。
ボタニ子
ファンファーレは紅葉しないと思ってたけど、紅葉するのね。
紅葉する人気多肉植物【①~⑥】
①ロメオルビン
ロメオルビンは、アガボイデスコーデュロイから突然変異種として作られたロメオから、特別に赤色の個体として選抜された品種です。ルビンは英語でルビーという意味で、まるで宝石のルビーのように真っ赤な色を放ち存在感は抜群です。寒くなると紅葉する種類が多いなか、夏に真っ赤に色づきます。冬には色がさめますが、年間を通して鮮やかな赤色が目を楽しませてくれます。
②レインドロップス
レインドロップスは、雨のしずく(レインドロップス)が落ちてきたようなコブ状の葉が特徴のエケベリアです。環境がよいときれいなコブが出現しますが、あまり環境の条件がよくないとコブの出が悪くなります。外側から徐々に色づき、紅葉するとレインドロップ形のコブまで赤くなります。とても個性的でオブジェのようでもあり、人気の多肉植物です。
③ピンクルビー
ピンクルビーはコロンとした丸形でしっかりとつまった葉をしています。紅葉するとつややかで、花のようなシルエットが印象的です。多肉のぷりっとした感じもかわいいです。秋には赤く紅葉し、名前のとおりピンクルビーといった色合いが楽しめます。日当たりよく管理するときれいに発色するでしょう。エケベリアのなかでも、それほど手間がかからない種類です。
④レッドホール
紅葉になるのが待ち遠しくなりそうな名前のレッドホールは、丸くかわいらしいエケベリアです。何枚もの花びらが重なった葉がじつにきれいで、秋には赤く紅葉する人気の品種です。夏の暑い時期には色が緑色になります。色の変化を楽しみつつ、寄せ植えはもちろんリースのアクセントに入れても素敵です。
⑤火祭り
クラッスラ属の火祭りは、冬に真っ赤に紅葉します。とがった葉が赤く紅に染まってメラメラと燃える炎のようにも見え、個性的な姿が楽しく観賞できる多肉植物です。気温が低くなるとより赤みが増します。水と肥料を控えてよく日に当てると紅葉がさらに美しくなるでしょう。初心者にも比較的育てやすい種類のひとつです。
ボタ爺
火祭り・紅葉祭り・茜の塔・赤鬼城・紅稚児はクラッスラ属じゃよ。クラッスラは多肉植物の一大グループなんじゃ。
⑥紅葉祭り
紅葉祭りはクラッスラ属の火祭りと赤鬼城の交配種で、比較的新しい種類です。火祭りや赤鬼城も真っ赤に紅葉する種類のため、同様に紅葉祭りも秋には真っ赤に紅葉します。火祭りのようなとがった葉先ですが、紅葉祭りのほうがもっと密に葉が重なっています。白い星型のかわいらしい花も咲き、耐寒性、耐暑性ともに強い種類です。
紅葉する人気多肉植物【⑦~⑫】
⑦茜の塔
多肉植物はどれも個性的な形が多いですが、茜の塔も独特な形状でレアな品種といえます。夏になると成長して枝が伸び、白い花もつけます。秋から冬の時期にかけて、なんともかわいらしい茜色に紅葉するクラッスラ属です。
ボタニ子
クラッスラは変化に富んだユニークな形が多いのよ。
⑧赤鬼城(あかおにじょう)
インパクトのある名前が特徴の赤鬼城は、秋に真っ赤な紅葉が楽しめます。肉厚のとがった葉が特徴的で、紅葉すると葉先が鬼のツノのように見えるため赤鬼城と名付けられました。紅葉と同時によい香りの小さな白い花も咲き、和名では「金の成る木」「花月」という別名でも栽培され、火祭りと比較すると赤鬼城のほうが寒さに強い品種です。
⑨紅稚児(べにちご)
紅稚児は木立性の小型種で、秋から紅葉し深い赤色がとてもきれいです。春には白い小さな花を咲かせます。多肉植物の中でも花のかわいさが群を抜いています。寄せ植えをする場合、花のかわいらしさもアクセントになりおすすめです。寒さに弱いので気をつける必要がありますが、比較的増やしやすい種類で葉挿しも簡単です。
⑩虹の玉
つぶつぶの丸い葉を連ねるセダムの虹の玉は、夏の成長期は緑色です。しかし、寒さが増すごとに秋~冬の時期にかけて全体に真っ赤に紅葉します。日の当たり具合で紅葉の仕方が変わるので、日光をたっぷり当てて水を控え気味にし、比較的乾燥気味にしましょう。色も美しく丈夫なので寄せ植えに大人気です。
ボタ爺
セダムの種類を何種類か混ぜて寄せ植えにすると、多肉の宝石箱のようになって楽しめるぞい。
⑪オーロラ
虹の玉とオーロラはよく似ていますが、オーロラは「虹の玉」に班が入った種類です。乾燥期である春と秋の時期には紅葉の赤色がより強くなります。虹の玉より全体的に淡く筋の模様が入るのが特徴です。葉緑素は薄いですがよく成長し、株が大きくなるとクリーム色の花をつけます。成長期にたっぷり光に当てると紅葉がさらに楽しめるでしょう。
⑫乙女心
かわいらしい名前が印象的なセダム・乙女心は紅葉すると葉の先端が色づきます。乙女がポッと頬を赤らめたような様子から、乙女心の名前がつきました。成長期は夏で、日当たりが悪いと赤色の発色がよくありません。思いきって肥料をやめて水を少なく栽培すると色あざやかに紅葉します。
多肉植物はどうやって紅葉するの?