紅葉する人気多肉植物【⑬~⑱】
⑬姫星美人
姫星美人はダシフィルムの基本種で、最も小型です。秋の紅葉の時期は紫色に染まります。ぽってりしたフォルムがとてもかわいらしいセダムで匍匐性があります。初心者にも比較的育てやすく、こぼれた葉からどんどん増えます。パキフィツムの星美人に類似していて小型のため、姫星美人という名前が付けられました。
⑭ゴールデンカーペット
秋の紅葉時、セダムのゴールデンカーペットは黄色に染まります。比較的一年中きれいな色をしていますが、秋の深まりとともに株がしまり、濃い黄色からほんのりオレンジ色に紅葉して色づきます。春秋型のセダムで、黄色い星の形をした花も咲く品種です。こんぺい糖のような葉がかわいらしいですが、根が細く扱いは少し難しい種類に入るかもしれません。
⑮黄麗
セダム・王麗は月の王子というロマンチックな別名もあります。夏の間は緑色をしていますが、秋が深まるにつれ名前のとおり麗しく黄色に紅葉します。寄せ植えにすると黄色がアクセント色になってよく映え、赤や緑の多肉とのバランスがよくなるでしょう。ホームセンターなどでも入手しやすい種類ですよ。
⑯ブロンズ姫
ブロンズ姫は一年を通してきれいな色を楽しめます。秋が深まると株も締まり色づき、さらに冬の時期になると一段とオレンジ色に近いブロンズ色が濃くなります。3~6月には黄色い花も咲かせるでしょう。寄せ植えやアレンジメントのアクセントとしても重宝する種類で、茎はよく伸びて群生します。
ボタニ子
ブロンズ姫・朧月・姫秋麗はグラプトペダルム属。葉がロゼット状になって茎が伸びる種類が多いわ。
ボタ爺
グラプトペダルム属はよく日の当たる風通しがよい場所を好み、丈夫で育てやすい種類とされておるの。
⑰朧月
朧月は秋が深まると上品なピンク色に紅葉する品種です。暑さと寒さにも強い強健な種類で、条件として霜と凍結に気をつければ屋外でも育てられます。肉厚な葉とロゼット状のフォルムはかわいらしく、寄せ植えにも大変人気です。春から白に赤い班が入った星形の花も咲きます。葉挿しも成功しやすいでしょう。
⑱姫秋麗
姫秋麗はグラプトペタルム属最小種です。紅葉すると葉は薄いきれいなピンク色になります。白い純白の花も咲きます。春秋型で暑さにも強く、葉挿しでも増やせ、ホームセンターなどでも入手しやすい品種のひとつです。姫秋麗は夏の高温多湿が嫌いな種類のため、夏は水やりを少なめにして乾燥気味に栽培するとよいでしょう。
紅葉する人気多肉植物【⑲~㉕】
⑲デザートローズ
カランコエ属の仲間であるデザートローズは南アフリカが原産です。円形のうちわのような平たい葉の端に赤いぼかしが入り、秋から冬の時期にかけ、赤みが増します。唐印(とういん)という別の呼び名もあり、成長はゆっくりです。株を増やす際には親株の生え際から出た子株から増やせます。
⑳冬もみじ
冬もみじは日によく当てると、晩秋からオレンジ色~真っ赤に紅葉します。春には黄色い花も咲きます。ギザギザしたトナカイのような形の葉が特徴で、春秋型のカランコエです。冬は水やりを控え、5℃以上に保つとよいでしょう。寄せ植えやアレンジメントにも向いている品種のひとつです。
ボタニ子
デザートローズ・冬もみじはカランコエ属よ。わりと寒さに弱い性質なので5~10℃以下にはならないよう冬の時期は要注意ね。
㉑ルビーネックレス
ルビーネックレスは紫月という別名でも知られています。南アフリカ原産で寒くなると紅紫色に紅葉します。その姿からルビーネックレスの呼び名が付けられました。グリーンネックレスとよく似ているのでセネシオ属として流通することもありますが、正式にはオトンナ属です。ぷりぷりした肉厚のフォルムがかわいらしく人気の種類です。
㉒レティジア
セデベリア属レティジアは和名を万華鏡といいますが、その名のとおり季節ごとに緑から赤、そして黄色へと葉の色合いが変化します。セデベリアはセダムとエケベリアの交配種です。両方のよいところをあわせ持っているような姿ですね。春には白い花も咲き、いろいろな表情が楽しめる種類でしょう。
㉓桜吹雪
桜吹雪はアナカンプロセス属で、紅葉班のまれな品種です。綿毛もついています。秋から冬にピンク色に紅葉します。赤や黄色ではないところに個性があってアレンジにもおすすめです。夏には色が抜けて白っぽい緑色になりますが、寒くなるとふたたびピンク色に紅葉します。濃いピンク色の花も咲き、比較的寒さにも強い品種です。
㉔紅夕月(べにゆうづき)
紅夕月は赤銅色の葉が美しく、冬に一段と色鮮やかになります。紅夕月はセンペルビウム属でロゼットタイプの多肉です。ロゼットの大きさは一つが5cmくらいで子株を出して群生します。暑さにもわりと強い品種で丈夫で、日本では山野草としても流通しています。
㉕小人の祭り錦
メルヘンチックな名前の小人の祭り錦は、アエオニウム属です。アエオニウムの中では小型の部類に入ります。小人の祭りの班入りで、真っ赤でない分、色あざやかに見えてインパクト抜群の見た目です。小さく丸い棒立ち状のプクプクした葉は秋に紅葉し、夏場は休眠期となり葉が落ちます。冬は室内の明るい場所で管理するとよいでしょう。
紅葉しないときの対処法は?
対処法①場所を屋内から屋外へ移す
紅葉の時期になっても紅葉しない場合、環境や条件を変えてみましょう。屋内だけで育てていたなら屋外に出して場所を変えます。過剰なくらい日光が当たるようにし、寒くなるように朝晩の冷気を当てて低温期を認識させてみるのもよいです。
対処法②水と肥料の量を変える
水と肥料を少し控え気味にしていたなら思いきって水と肥料断ちしてみましょう。1カ月ほど水を控えても大丈夫です。多肉植物は根詰まりしてもあまり枯れることはありません。ただし、生育が落ちているということなので植物にとって決してよい条件とはいえません。しかし紅葉に特化するなら、変化をつけると紅葉に違いが出てきますよ。
対処法③適切な温度にする
暖冬だと温度差がないため紅葉しない場合もあります。また、寒い地域と温暖な地域では屋外の温度もかなり違いがあるので温度の条件にも注意してください。個体差はありますがエケベリアは0℃~-5℃くらいまで、寒さに弱いカランコエ、クラッスラなどは氷点下にはしないほうがよいでしょう。
対処法④土を変える
土は肥料分が少なく水はけのよいものにするほうがよいです。市販の多肉用土を使っているなら、はじめから肥料が入っていて肥料断ちができていない可能性があります。紅葉のきれいな色が出ない場合、土の条件もチェックしてみてください。特に虹の玉などのセダムはどす黒くなってきれいな紅葉が出ないこともありますよ。
多肉植物の紅葉は変化が楽しい
紅葉する多肉植物は一年を通して変化が楽しめます。もみじなどの落葉樹の紅葉とは違い、多肉植物は紅葉したら落葉せず再びもとの色に戻ります。寄せ植えやブーケ、リースにアレンジすれば四季折々の表情があり、紅葉したときにはアクセントカラーにもなってとてもかわいらしく写真映えもします。紅葉の条件に注意して、ぜひきれいな色に変化した姿を楽しみましょう。
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出典:写真AC