8月に咲く花その⑤:クレマチス
クレマチスは、ガーデニングでは修景用のつる性植物として大活躍することから、「つる性植物の女王」と呼ばれる人気植物です。古くからガーデニングプランツとして親しまれてきたため、非常に種類や品種が多く、花色・花形ばかりか開花時期までもが品種によって違います。品種によって剪定の仕方なども違うので、購入の際にはよく確認しておきましょう。
クレマチスの基本データ
別名 | テッセン(鉄仙/鉄線)、カザグルマ(風車) |
学名 | Clematis hybrida |
科名 | キンポウゲ科 |
属名 | クレマチス属 |
開花時期 | 4月中旬~10月(品種により異なる) |
花色 | 赤、白、ピンク、黄、青、紫、茶、黒、複色など多数 |
誕生花 | 5/3、5/9、7/1、7/2、9/12 |
クレマチスの花言葉
クレマチスの花言葉は「精神の美」「旅人の喜び」「策略」です。「精神の美」は、つるは細いのに花は大きくて鮮やかであることに由来しています。「旅人の喜び」は、旅人が利用する宿の玄関に、クレマチスを植えて旅人を出迎えていたというヨーロッパの風習が由来です。「策略」は、フランスの乞食がクレマチスの葉の汁で皮膚をかぶれさせ、病気を装って通行人の同情を誘った逸話からきています。色別の花言葉はありません。
クレマチスの花言葉まとめ
- クレマチスの花言葉:「精神の美」「旅人の喜び」「策略」
- 色別の花言葉はなし。
8月に咲く花その⑥:睡蓮(スイレン)
睡蓮は、水上で花を咲かせる水生植物です。そのため育てる場合は、大きな鉢や池が必要になります。熱帯性と耐寒性の2種類があり、それぞれ苗の植え付け方法や適期が違うので注意しましょう。開花時期は5月から10月と長めですが、見頃は6月から9月です。また、仏教では蓮と睡蓮を総称して「蓮華(レンゲ)」と呼んでいます。お盆の季節の花としてもふさわしい植物と言えるでしょう。
蓮との違い
睡蓮と蓮は、共に水生植物で見た目も酷似していることから、よく混同されています。前に触れたように、仏教の「蓮華」も睡蓮と蓮の総称です。しかし、この2つは植物としては全然違います。たとえば蓮の葉は緑一色で切れ込みはありませんが、睡蓮の葉は斑入りや色付きがあり、切れ込みが入っています。何よりも蓮の地下茎は蓮根(レンコン)といって食用になりますが、睡蓮の地下茎は食用になりません。
睡蓮の基本データ
別名 | ヒツジグサ(未草)、ウォーターニンフ |
学名 | Nymphaea |
科名 | スイレン科 |
属名 | スイレン属 |
開花時期 | 5月中旬~10月 |
花色 | 白、赤、ピンク、黄、オレンジ、青、紫、複色 |
誕生花 | 4/27(白限定)、5/8(黄限定)、7/7、7/24 |
睡蓮の花言葉
睡蓮の花言葉は「清純な心」「信頼」「信仰」です。「信仰」は、睡蓮が古代エジプトで神聖な花とされていたことに由来しています。朝に開花し、夕方に花を閉じる睡蓮は、太陽神信仰が盛んだった古代エジプトでは「太陽のシンボル」と考えられていました。「清純な心」や「信頼」は、睡蓮の野生種に白い花が多いことから、白色が持つ清楚で高潔なイメージから付けられたものと言われています。
不吉な花言葉
一方、睡蓮には「滅亡」という不吉な花言葉もあります。これは睡蓮の学名「Nymphaea」の語源になったギリシャ神話の登場人物ニンフ(Nymph)が関係しています。ニンフは恋人に捨てられた屈辱から、ナイル川に身を投げました。その後は妖精となり、睡蓮の花と妖精、2つの姿を使い分けて過ごすようになります。そして睡蓮の花を摘もうとする者は、魔物によって水中へと引きずりこまれるようになりました。
色別の睡蓮の花言葉
白い睡蓮の花言葉は「純粋」と「潔白」、ピンク色の睡蓮の花言葉は「信頼」、黄色い睡蓮の花言葉は「甘美」と「優しさ」です。
睡蓮の花言葉まとめ
- 睡蓮全般の花言葉:「清純な心」「信頼」「信仰」「滅亡」
- 白い睡蓮の花言葉:「純粋」「潔白」
- ピンク色の睡蓮の花言葉:「信頼」
- 黄色い睡蓮の花言葉:「甘美」「優しさ」
ボタニ子
次は、⑦ダリアです!
8月に咲く花その⑦:ダリア
ダリアはその抜群の存在感とバリエーション豊富な花色や花形から、花束やフラワーアレンジメントで人気の高い植物です。開花時期は6月から11月と長く、7月から10月に最も美しい時期を迎えます。暑さには強い花ですが、高温期は花が咲きにくいので注意が必要です。また、品種によって花の大きさや咲き方、草丈などにかなりの違いがあるので、育てる品種を選ぶ際は気をつけましょう。
ダリアの基本データ
別名 | テンジクボタン(天竺牡丹) |
学名 | Dahlia |
科名 | キク科 |
属名 | ダリア属 |
開花時期 | 6月中旬~11月 |
花色 | 白、ピンク、赤、オレンジ、黄、紫、黒紫、黒赤、複色 |
誕生花 | 6/5、7/29、9/10、9/15(赤限定)、9/24(黄限定) |
ダリアの花言葉
ダリア全般の花言葉は「華麗」「優雅」「気品」「威厳」「移り気」「裏切り」「不安定」です。「華麗」「優雅」「気品」「威厳」は、ダリアの存在感たっぷりの美しい花姿に由来しています。「不安定」は、フランス革命後という政情が非常に不安定な時期に栽培されていた事実が由来です。そして「移り気」と「裏切り」は、これまたフランス革命後に起きたある逸話から生まれました。
裏切りにあったジョセフィーヌ
フランスの軍人で、後に皇帝となったナポレオンの最初の妃ジョセフィーヌは、バラの花を愛したことで知られています。ダリアの花も大好きで、珍しい品種を自分の庭だけで育てていました。しかし、そのダリアの美しさに魅せられた、ある貴族の女性が球根を盗み、自分の庭で見事な花を咲かせます。それを知ったジョセフィーヌは、あれほど愛したダリアへの興味を失ってしまいました。これが「移り気」「裏切り」の由来です。
ダリアの色別の花言葉
赤いダリアの花言葉は「栄華」「華麗」、白いダリアの花言葉は「感謝」「豊かな愛情」、黄色いダリアの花言葉は「栄華」「優美」です。
ダリアの花言葉まとめ
- ダリア全般の花言葉:「華麗」「優雅」「気品」「威厳」「移り気」「裏切り」「不安定」
- 赤いダリアの花言葉:「栄華」「華麗」
- 白いダリアの花言葉:「感謝」「豊かな愛情」
- 黄色いダリアの花言葉:「栄華」「優美」
8月に咲く花その⑧:グラジオラス
グラジオラスには春咲き品種と夏咲き品種の2種類がありますが、一般には豪華な花形と豊富な花色を持つ夏咲き品種のほうが有名です。古くから盛んに品種改良されてきたため、1000を超える園芸品種が存在します。豪華な房咲きの花と、まっすぐでシャープな葉の組み合わせが個性的で美しいことから、切り花や花束、フラワーアレンジメントとしても人気です。
グラジオラスの基本データ
別名 | トウショウブ(唐菖蒲)、オランダショウブ(阿蘭陀菖蒲) |
学名 | Gladiolus Communis |
科名 | アヤメ科 |
属名 | グラジオラス属 |
開花時期 | 7月~10月(春咲き品種は3月~5月) |
花色 | 赤、白、ピンク、オレンジ、黄、青、紫、緑、複色 |
誕生花 | 3/23、3/29(ピンク限定)、6/14、7/13、11/26 |
グラジオラスの花言葉
グラジオラス全般の花言葉は「密会」「用心」「忘却」「勝利」です。「密会」と「用心」は、昔のヨーロッパの恋人達にまつわる話からきています。人目を忍ぶ仲の2人は、密会する時間をグラジオラスの花を使って知らせ合ったというのが由来です。「勝利」はグラジオラスの葉が剣に似ていることに由来しています。「忘却」はフランスで生まれた花言葉です。戦争や革命で国が荒れた悲惨な歴史を忘れたいという思いから生まれました。
グラジオラスの色別の花言葉
赤いグラジオラスの花言葉は「堅固」「用心深い」、ピンクのグラジオラスの花言葉は「たゆまぬ努力」「ひたむきな愛」「満足」、紫のグラジオラスの花言葉は「情熱的な恋」、白いグラジオラスの花言葉は「密会」です。「密会」の由来となった古いヨーロッパの恋人達に関する逸話の影響か、恋愛に関する花言葉が多い傾向があります。
グラジオラスの花言葉まとめ
- グラジオラス全般の花言葉:「密会」「用心」「忘却」「勝利」
- 赤いグラジオラスの花言葉:「堅固」「用心深い」
- ピンクのグラジオラスの花言葉:「たゆまぬ努力」「ひたむきな愛」「満足」
- 紫のグラジオラスの花言葉:「情熱的な恋」
- 白いグラジオラスの花言葉:「密会」
出典:BOTANICA