ハマボウとは
ハマボウは日本原産のハイビスカスと呼ばれており、夏に開花する花の代名詞とも言えます。秋から冬の時期には葉っぱが赤く色づき見事な紅葉を見せてくれます。そんなハマボウは一体どんな植物なのでしょうか?特徴や花言葉など、詳しくご紹介します。
ハマボウの特徴
アオイ科フヨウ属の植物
ハマボウは、アオイ科フヨウ属に属する落葉低木です。「浜辺」で群生する「フヨウ属」の植物から、ハマフヨウ→ハマボウになったと言われています。同じフヨウ属の植物には、あのネバネバで有名な食べものの「オクラ」が挙げられますが、確かに花の形がとてもよく似ています。
葉は丸く花の真ん中の赤い色が印象的
ハマボウは日当たりがよく風通しのよい浜辺や海に近い河川沿いに生息します。葉っぱは丸く厚みがあり、表面に白い毛が生えています。特に葉っぱの裏面にはぎっしりと生えており、白く見えるほどです。ハマボウの花の中心にある赤い雌しべの周りには何本もの雄しべが生えており、レモン色の花びらの中心に赤い色が映えます。
ハマボウの開花時期
夏の暑い季節に咲く花
ハマボウの開花時期は「7月~8月」の暑い季節です。ハマボウの花はアサガオのように朝咲いて夕方しぼむ「一日花」の植物で、スクリュー状の花弁から毎日どんどんと花を咲かせ夕方には黄色い花びらが赤やオレンジ色になって枯れてしまいます。
ハマボウの歴史
絶滅危惧種に指定されている貴重な植物
ハマボウは、鶏卵型の果実から種子が弾けて周辺に広がります。種子は塩分に強く水に浮く性質があるため、海流に乗って海岸に流れ着き広く分布したと考えられます。ハマボウは千葉の三浦半島から九州にかけて広く分布していましたが、近年の海岸造成や河川改修により環境が壊され、平成29年度の日本レッドデータ検索システムによると、大阪府では絶滅し16県で絶滅危惧種に指定されています。
ハマボウの花言葉
ハマボウの花言葉は「楽しい思い出」
ハマボウの花言葉は「楽しい思い出」です。夏の浜辺で楽しく遊ぶこどもたちとそれを見守る大人や、デートに来た若いカップル、散歩をしているご夫婦など、明るい笑い声が聞こえる周りで、丸い葉っぱや花を揺らし爽やかに咲くハマボウにピッタリの花言葉です。
ハマボウの分布・名所
ハマボウは、浜辺や海に近い河川敷などの日当たりや風通しがよく水持ちのよい湿地に広く分布しています。では、具体的にどの地域で見ることができるのでしょうか?ハマボウを見ることができる地域を5つ、特徴も交えてお伝えします。
和歌山県 御坊市 塩屋地区
和歌山県御坊市塩屋地区にあるハマボウ群生地は、日本でも5本の指に入る規模と言われています。昭和43年には市の天然記念物に、平成6年には市の花木に指定されました。
住所 | 和歌山県御坊市塩屋町北塩屋 |
電話番号 | 0738ー23ー5531(御坊市観光協会) |
URL | http://www.city.gobo.wakayama.jp/kankojoho/miru/ hananomachi/hamabou/1395124129775.html |
兵庫県 洲本市 成ヶ島
成ヶ島は瀬戸内海国立公園に指定されている無人島で、ハマボウを始めさまざまな植物が自生しています。島へ渡るには由良から出ている渡船に乗る必要があります。毎年7月には「ハマボウ祭り」が開催され、ハマボウを保護する目的に賛同した方々が集まって催しが行われます。
住所 | 兵庫県洲本市由良町由良3ー8 |
電話番号 | 0799ー24ー7613(洲本市商工観光課) |
URL | https://www.city.sumoto.lg.jp/hp/kankou/tosen/tosen.htm |
徳島県 鳴門市 ウチノ海総合公園
ハマボウを市の花に指定している鳴門市では、ハマボウの保存を積極的に行っています。ウチノ海総合公園をはじめとしたさまざまな場所では毎年夏に「ハマボウ・ヒマワリ祭り」が開催され多くの人で賑わいます。
住所 | 徳島県鳴門市鳴門町高島字北679 |
電話番号 | 088ー686-3978(鳴門市花街道地域街づくりネットワーク) |
URL | https://www.uchinoumipark.jp/ |
福岡県 糸島市 泉川の両岸
福岡県糸島市の泉川両岸には、約730本のハマボウが1kmにわたって群生しています。市の花にも指定されておりコミュニティバスの名前も「ハマボウ号」と名付けられるほど、地域で親しまれています。
住所 | 福岡県糸島市前原1828ー1 |
電話番号 | 092ー332-2080(糸島市観光振興係) |
URL | http://www.city.itoshima.lg.jp/s026/s040/010/070/010/hamabou.html |
熊本県 天草市 新和エリア
天草市新和エリアは日本最大級のハマボウ群生地域と言われており、7月中旬頃に約3haの広さに約1万2千株ものハマボウが咲き誇ります。こちらでも祭りが開催され、スタンプラリーやボランティアガイドによる案内などが行われています。
住所 | 熊本県天草市新和町 |
電話番号 | 0969ー46ー2111(天草市新和支所まちづくり推進課) |
URL | https://www.t-island.jp/p/spot/detail/364 |
まとめ
ハマボウはフヨウ属に属し、絶滅危惧種にも指定されている貴重な植物です。夏にはレモン色の花を咲かせ、秋から冬にかけては紅葉を見ることができます。暑い季節になったら、ハマボウを見にお出かけしてみてはいかがでしょうか?きっと「楽しい思い出」になることでしょう。
上:ハマボウの花 下:オクラの花 2つ並べるととてもよく似ています。