カトリソウとは?
カトリソウ(蚊取草)を、ホームセンターなどで見かけたことがないでしょうか。蚊を取ってくれる草なんて、魅力的ですね。実は人工的に作られた植物だということをご存知でしょうか。今回はそんなカトリソウについて詳しくご紹介します。
人工的につくられた植物
カトリソウ(蚊取草)とは、ローズゼラニウムとチャイナグラス(シトロネラ草)を交配させた人工的な植物です。この2つには、シトロネロール、シトロネラールという、虫除け効果の高い成分が含まれています。
爽やかな香りがする
芳香性の高いゼラニウムのことを総称してセンテッドゼラニウムと呼び、カトリソウはその中に属します。ローズゼラニウムはその名前の通り、ローズのような甘い香りがしますが、カトリソウは、シトロネラに近い、柑橘系の爽やかな香りがします。
特徴的な葉っぱ
緑色の3つに分かれた葉っぱは、ローズゼラニウムのものと似ています。常緑多年草で、春から夏にかけてはピンク色の小さな花を咲かせます。店で売られているものは20cmほどの小さなものですが、成長すると1mを超えるほどにもなります。
カトリソウの別名
カトリソウの別名は、カレンソウ(蚊蓮草)です。また、芳香性のあるものを総称して呼ぶセンテッドゼラニウムのことを、カトリソウと呼ぶこともあります。他にも、ニオイテンジクアオイ(匂天竺葵)、ニオイゼラニウムとも呼ばれます。
カトリソウの効果
では実際、どのような効果があり、どのように使用したらいいのでしょうか?
蚊が嫌う草?
蚊が苦手な香りがする草
はじめにも紹介しましたが、カトリソウは、虫除け効果の高い香りのシトロネロールを多く含んでいる植物です。カトリソウからする柑橘系の爽やかな香りは、蚊の苦手な香りと言われています。
蚊の感覚を麻痺させる効果も
蚊は、体温の高い人や汗をかいている人に寄ってくると聞いたことがないでしょうか。夏に、外で汗だくで遊ぶ子供達が蚊に刺されているのはよく見る光景ですね。あとは、呼吸に含まれる二酸化炭素に反応して寄ってくると言われています。カトリソウは、蚊が苦手な香りを発するだけではなく、蚊の二酸化炭素に反応する感覚を麻痺させる効果もあるそうです。
どのように使われている?
庭木や玄関先に植えて虫除けに
外で蚊にかまれるのももちろん嫌ですが、家の中への侵入も防ぎたいですよね。その予防に、玄関先に植えたり、庭に植えたりしている人も多いかと思います。地植えが難しいようなら、鉢植えで置いたり、カットして水挿しにする方法もあります。
虫除けスプレーとして
カトリソウの用途ではありませんが、ゼラニウムやシトロネラなど、シトロネロールを含むものは、虫除け効果が高いとして、虫除けスプレーや虫除けアロマとして使用されています。虫除け効果をうたっている商品の成分を見てみると、これらの名前が並んでいることが多いので商品選びの参考にしてくださいね。
本当に蚊を寄せ付けない?
100%ではなく予防として
残念ながら、絶対蚊に刺されない、というわけではありません。それでも、蚊が嫌う成分が含まれていることは確かですし、予防というくらいで置いてみてくださいね。柑橘系の爽やかな香りがしますので、その香りが苦手でない方は、玄関先のフレグランスとして使用されてみてはいかがでしょうか。また小さなピンク色の花を咲かせるので、観賞用として楽しまれるのもいいですね。
カトリソウの花言葉
好み
真実の愛情
決心
君ありて幸福
思いがけない出会い
カトリソウの花言葉は、爽やかな香りから連想されるものです。道を歩いていて、その香りを見つけたとき、またはピンク色の小さい花を見つけたときに、『思いがけない出会い』をするのでしょうか。
カトリソウの育て方
カトリソウの育て方や増やし方を簡単にご紹介します。比較的手間がかからないのがカトリソウなので、ガーデニング初心者にもおすすめです。
植える時期
春か秋に植える
真夏と冬以外の時期、梅雨前の春先か寒くなる前の秋に植えつけましょう。
置き場所
玄関先や庭、室内でも
カトリソウは、苗で売られていることが多いので、そのまま庭に地植えか鉢植えにすることができます。日向を好みますが、半日陰でも大丈夫です。
水やりについて
水も肥料も少しで大丈夫
乾燥気味を好むので、1回水をあげると2-3日あげなくても平気です。反面、高温多湿が苦手なため水やりをしすぎたり、梅雨の時期では枯れてしまうこともあります。肥料がなくても育ちますが、成長が遅いと感じたら肥料や米のとぎ汁などを与えてみてくださいね。
剪定
枯葉や大きさ維持のために
枯れた葉を見つけたら、取り除いてあげましょう。そこからまた新芽が出てきます。切った茎の部分からは葉っぱより強い香りがするので、虫除けにも効果的な方法です。また大きさを維持するためにも、定期的に剪定をしましょう。剪定でカットしたものは、挿し木で増やすか、水挿しにして部屋に飾ると香りが広がります。
増やし方
挿し木にする方法
カトリソウの増やし方は、カットしたものを挿し木にする方法です。また、水挿しで根が出てから土に挿し木する増やし方もあります。
気をつけること
冬の寒さに注意
カトリソウは冬越しもできる植物ですが、氷点下になるような地域では枯れてしまうことがあります。鉢植えの場合なら、冬は室内に移動しましょう。
カトリソウを育ててみました
ここからは、実際にカトリソウを育ててみた結果をご紹介します。途中の記録を残していないので、栽培日記ではありません。ガーデニング初心者がカトリソウを育てるとこうなりました、という記録として見て頂き、どなたかのお役に立てれば幸いです。
2苗を2箇所に植えてみた
ガーデニング未経験で育てることに苦手意識がありましたが、カトリソウはあまり手間をかけなくても育つと聞いたので、植えてみました。
庭
庭は南側で1日日向の場所です。庭にはホースがあるので、家庭菜園の野菜と一緒に毎日水やりをしていました。
玄関先
玄関先は北側の半日陰の場所です。玄関先にはホースがなく、ジョウロに水を汲んでいかなくてはいけないので、水やりができない日もありました。
始めだけ肥料入りの土を
土は、家庭菜園で使った土を少し移植しました。ホームセンターなどで売られている、花や野菜の土に、庭の土を混ぜただけです。それ以降は、特に肥料は与えていません。ちなみに、家庭菜園も始めたばかりの初心者です。
結果は大違い
大繁殖の庭
写真は庭のカトリソウです。ブロック塀からその大きさが分かるでしょうか。縦横ともに1mを超える大きさに成長しました。日を1日中浴びて、水やりも毎日していた庭のカトリソウは、1年ではじめの10倍以上にもなりました。
枯れた玄関先
一方、半日陰で、水やりを十分にできていなかった玄関先のカトリソウは、葉っぱが枯れてしまいました。北側で日陰が多かったため、湿気がいけなかったのかもしれません。
それでも復活する生命力
一度は葉が枯れてしまった玄関先のカトリソウですが、枯れたところを取り除き、水やりをすると、また花が咲き成長しました。
3年経っても成長中
カトリソウを植えて3年経ちましたが、今もまだ元気に育ってくれています。相変わらず少しでも目を離すと、庭のカトリソウはジャングルの如く広がりますし、玄関先のは枯れている葉があります。それでも、気付いた時に剪定と水やりをきちんとすれば、復活するのがカトリソウです。
試してみました
カトリソウの葉っぱをカットして、外にいる間、服のポケットに入れておきました。結果、蚊には刺されましたが、動くたびに爽やかな香りがしたのでそれはよかったです。虫除けスプレーをしていても蚊には刺されるので、予防くらいと感じてくださいね。
まとめ
カトリソウ(蚊取草)は、芳香性の高い植物です。蚊が嫌う香りと言われていますが、柑橘系の爽やかな香りを好む人も多いのではないでしょうか。多年草の育てやすい植物です。家に緑がほしいと思ってるけど、ガーデニングを始めるのは大変だな、と思っている人は育ててみてはいかがでしょうか。
出典:筆者撮影