ホットリップス(チェリーセージ)の育て方
ここからはホットリップス(チェリーセージ)の育て方を紹介します。ホットリップス(チェリーセージ)は丈夫で育てやすい初心者向けの植物ですが、丈夫で健康に育てるためには、育て方のコツやポイントを抑えることが必要です。しっかり覚えて、ホットリップス(チェリーセージ)を健やかに育て上げましょうね。
ホットリップス(チェリーセージ)の一年間の管理スケジュール表
行う作業 | 作業の適期 |
苗の植え付け・植え替え | 4月~5月・9月~10月 |
肥料 | 5月~9月(2~3ヶ月に1回) |
剪定(切り戻し) | 真夏・真冬以外の時期ならいつでもOK |
挿し木 | 5月~7月 |
ホットリップス(チェリーセージ)の一年間の大まかな管理スケジュール表です。ただし、気候条件や株の状態などでズレが生じる場合があるので、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。使用する土や水やり、病害虫対策などの詳細は次に紹介します。
ホットリップス(チェリーセージ)の育て方その①:植え付け・植え替え
苗植えなら春の植え付けがおすすめ
まずは植え付け・植え替えの紹介です。ホットリップスを植え付ける方法は、種まきと苗植えの二通りがありますが、苗植えのほうが容易でしょう。植え付けの適期は春と秋の年二回ですが、ホットリップス(チェリーセージ)の苗は寒さに弱いので、春に行うのが理想的です。また、鉢植えと地植えで、植え付けの仕方も少し変わります。
日当たりと土
ホットリップス(チェリーセージ)は日当たりを好むので、鉢植えでも地植えでも、日当たりのよい場所の確保が絶対条件です。丈夫なので半日陰でも育ちますが、花つきが悪くなり、香りも弱くなってしまいます。土は中性から弱アルカリ性で、水もちのよい土壌を好みます。市販されている土を選ぶ場合は、ハーブ用の培養土がおすすめです。
地植えの場合
地植えの場合、日当たりのよい場所を確保したら、植え付ける二週間前から土質の調整を行います。まずは庭の土に苦土石灰を混ぜて中和させたら、植え付ける一週間前に腐葉土を2、3割ほど混ぜ込みましょう。これで土質調整は完了です。植え付ける時は、苗よりも一回りか二回りほど大きな植穴を掘って植え付けます。複数植え付ける場合は、株同士の間隔は40cmから50cmほど空けておきましょう。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、苗よりも一回りか二回りほど大きな鉢に植え付けるのが基本です。土は市販のハーブ用培養土か、自分で作る場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で配合した土を用意しましょう。鉢植えの植え替えの適期は3月から4月です。ホットリップス(チェリーセージ)は生育旺盛なので、1年から2年に1回の周期で行い、根詰まりを防ぎましょう。
ホットリップス(チェリーセージ)の育て方その②:水やり
ホットリップス(チェリーセージ)は乾燥に強いので、地植えの場合は植え付け直後以外は、基本的に水やりは必要ありません。真夏の猛暑などで、土がひび割れるほど乾燥した時にだけ水やりをしてくださいね。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、鉢底から水があふれるくらい、たっぷりと与えます。特に生育期は水切れしないように注意しましょう。
ホットリップス(チェリーセージ)の育て方その③:肥料
ホットリップス(チェリーセージ)は、それほど多くの肥料を必要とする植物ではありません。5月から9月にかけての生育期に、約2,3ヶ月に1回の割合で緩効性化成肥料を与えれば十分です。ただし、花数が少な過ぎるなど株に元気がないと感じたなら、薄めた液肥を与えておきましょう。
ホットリップス(チェリーセージ)の育て方その④:剪定・切り戻し
剪定作業は真夏・真冬以外ならいつでもOK
ホットリップス(チェリーセージ)の剪定の基本は、花が咲き終わった枝を切ることです。ホットリップス(チェリーセージ)は下から上へと花が咲いていく性質なので、上まで咲き終わった枝を切り戻していきます。剪定する時期は、真夏と真冬以外ならいつでもかまいませんが、夏前に切り戻しておくと、秋にはスッキリとした株に綺麗に花が咲く姿を見ることができます。
冬に枯れた枝は春に切り落とす
ホットリップス(チェリーセージ)は、時が経つと茎が木質化して上のほうにしか花をつけなくなってしまうため、株姿が乱れてきます。そこで夏前に古い枝を切り戻し、新しい枝が出るようにすることで、綺麗な株姿を維持させます。また、冬の間に枯れてしまった枝は、霜の心配がなくなる春に切り落としましょう。霜が降りると切り口が湿って、そこから病原菌に感染してしまう恐れがあるからです。
ホットリップス(チェリーセージ)の育て方その⑤:病害虫対策
ホットリップス(チェリーセージ)は病気に強く、甘い香りにはアブラムシなどの害虫を寄せ付けない効果があるので、病害虫の心配はほとんどありません。これが初心者向けの植物と言われている理由の1つです。強いてあげればバッタが葉を食害することがあるので、その点は注意しましょう。
ホットリップス(チェリーセージ)の増やし方
ホットリップス(チェリーセージ)を増やす方法で、最も簡単なのは挿し木です。5月から7月の適期に行います。
- 切り戻した枝、もしくは今年伸びた元気の良い新芽を、10cmから15cmほどの長さに切り、上の葉を2、3枚残して他の葉を取り除きます。これで挿し穂の完成です。
- 挿し穂の切り口を、30分から1時間ほど水に浸けて水揚げした後、発根促進剤を切り口に塗ってから土に挿します。土は新品で清潔な赤玉土(小粒)か、挿し木用土を使用します。
- 挿し木した鉢を日陰に置き、水切れしないように管理します。
- 管理が順調ならば、一週間から二週間で発根します。十分に根が育ち、芽が動いてくれば鉢や地面に植え替えます。
まとめ
丈夫で手間がかからず、かわいい花と甘い香りが魅力的なホットリップス(チェリーセージ)は、丈夫で手間がかからない上に、コンパニオンプランツにもなるという、いろんな方におすすめの観賞用ハーブです。ぜひ、お庭を素敵に演出する植物として取り入れてみてくださいね。
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出典:写真AC