ローマンカモミールはどんな花?
ローマンカモミールは、いくつか種類のあるカモミールの中でも、ツートップのひとつに挙げられます。もうひとつは、ジャーマンカモミールです。日本ではカモミールというと、このジャーマンカモミールのことをいいます。今回は、他のカモミールについても触れながらローマンカモミールの植え方などをご紹介します。
基本情報
学名 | Chamaemelum nobile |
英名 | Roman chamomile |
和名 | カミツレ |
科名 | キク科 |
属名 | カモミール属 |
原産地 | アジア、ヨーロッパ |
園芸分類 | ハーブ |
草丈 | 20~30㎝ |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 白 |
発芽適温 | 15〜20℃ |
開花時期 | 5~6月 |
ローマンカモミールは、ローマンカモマイルとも呼ばれています。学名は、「Chamaemelum nobile」です。和名はカミツレで、キク科の多年草です。ローマンカモミールは、以前はカミツレモドキ属に分類されていましたが、現在はカモミール属に分類されています。ローマンカモミールは、育てやすいハーブで、コンパニオンプランツとしても知られています。相性のよい植物と寄せ植えすると、病害虫を防ぐなどの効果があります。ジャーマンカモミールよりも苦味がありますが、ハーブティーとしても飲用されるなど、実用的で身近なハーブです。キク科植物のアレルギー持ちの方は、利用ならびに栽培にも注意する必要があります。
生態
ヨーロッパ、北アフリカ、そしてアジアにわたり広く自生しています。開花時期は、毎年6月~7月の夏です。2cm~3cmのちいさな白い花を咲かせる多年草です。茎は、毛状に土壌に広く伸びるため、芝づくりに使われます。花と葉には、リンゴのような甘酸っぱい香りがします。
名前の由来
ローマンカモミールのローマンは、16世紀にドイツの作家がイタリア旅行で、ローマを訪れた際に見つけたからです。また、カモミールはギリシア語で「地上のリンゴ」を意味します。ローマンカモミールの芳香が、リンゴの香りに似ていたことからです。
活用方法
ローマンカモミールは、アラビア、ヨーロッパで古くから薬草として使われてきた歴史があります。また、古代エジプトでは、太陽神への捧げものとされていました。
薬効としてのハーブティー
ハーブティーは嗜好品として親しまれ、リンゴに似た甘い味がします。ギリシャでは、悪寒に効くとされ熱病に使われたり、婦人病の治療にも利用されていました。また、不安、ストレス、胃弱などに効果があり、皮膚の炎症には外用として使われます。
精油
花を蒸留して得られる精油には、鎮静作用があります。芳香には、ストレス解消や不眠に効能があるとされ、リラックスを目的として、入浴剤やアロマテラピーに使用されています。また、化粧品にも用いられています。
虫除け
虫除けの効果があることから、床にまき散らすことで、疫病などを防ぐストローイングハーブとしても用いられています。また、「植物の医者」とも呼ばれ、ローマンカモミールを囲むように植え付けられた植物は、しおれることなく元気に育つといわれています。そのため、コンパニオンプランツとして花壇や菜園に植え付けられます。
芝生
ローマンカモミールは、開花時期以外は草丈が低いです。また、カーペット状に横に広がり、踏みつけても強くたくましいです。踏むと香りがする芝生として、栽培されています。しかし、成長が遅く、維持管理に手間がかかるため、庭の小道などに利用されます。
主な栽培品種
・ノンフラワーカモミール
花をつけず草丈が伸びないので、刈り込む手間がかかりません。そのため、芝生に最適です。香りが強く、花を咲かせるのが目的ではないため、日当たりの悪い日陰でも栽培が可能です。
近縁種
ローマンカモミールとジャーマンカモミールは、外見も用途もほぼ同じです。歴史的観点からも、英語圏ではローマンカモミールを、ゲルマン民族ではジャーマンカモミールを、本当のカモミールだと考えるほど酷似しています。
ジャーマンカモミール
ローマンカモミールが多年草に対して、ジャーマンカモミールは一年草です。上に伸びる直立性で、枝分かれしながら60cmほどの高さになります。葉には香りがないため、花の部分をハーブティーとして用いられます。種まきは秋で、開花時期は3月〜6月です。開花し、黄色の中心部が盛り上がってきた時が収穫時期です。白い花弁が、反り返って下向きになる前に収穫します。
ローマンカモミールとジャーマンカモミールの見分け方
ジャーマンカモミールは、ローマンカモミールよりもやや小さめの花です。ジャーマンカモミールの葉と茎には、香りがないことが特徴的です。また、開花すると、ジャーマンカモミールは黄色の中心部分が盛り上がります。
ローマンカモミールの花言葉
ローマンカモミールの花言葉は、「苦難に耐える」「逆境で生まれる力」「清楚」「あなたを癒す」です。これらの花言葉は、カモミールと呼ばれる品種の共通した花言葉です。
「苦難に耐える」「逆境で生まれる力」
花言葉の「苦難に耐える」「逆境で生まれる力」は、寒波が吹き荒れるヨーロッパの寒さの厳しい環境の中で、春が訪れるまで枯れることなく、たくましく耐え、開花する姿から名付けられました。
「清楚」「あなたを癒す」
花言葉の「清楚」「あなたを癒す」は、古来より薬草として使われてきた歴史と関係があります。「清楚」は、昔から神様への奉納品として使われ神聖さの意味を込めて名付けられました。「あなたを癒やす」は、薬草として使われ、薬効が高く、リラックス効果があることから名付けられました。
ローマンカモミールと相性のよい寄せ植えの植物は?
ローマンカモミールのコンパニオンプランツは、相性がよいと寄せ植えした他の植物が、しおれることなく生き生きと育つ役割をします。しかし、ローマンカモミールと、相性が悪いと枯れる恐れがあります。用途に合わせて、ローマンカモミールと相性のよいハーブをみていきます。
ハーブティーの寄せ植え
ステビアは、甘味があります。レモングラスとレモンバーベナとレモンバーベナは、レモンと同じ香りの成分を含みます。
・ステビア:健胃作用、抗酸化作用、矯味作用、緩和作用、血圧降下作用、強壮作用
・レモングラス:消化促進、駆風、抗菌、殺菌、収れん、虫除け
・レモンバーベナ:鎮静、消化促進、食欲増進
・レモンバーム:鎮静、抗うつ、強壮、発汗、消化促進、収れん、抗菌、抗ウイルス
お料理向けのハーブの寄せ植え
ローマンカモミールは、アブラナ科の植物と寄せ植えすると、双方の成長がよくなります。アブラナ科のハーブには、サラダやお料理の彩りに便利なクレソンやルッコラなどがあります。
寄せ植えに向かないハーブ
ローマンカモミールは、アブラナ科の植物と寄せ植えすると、双方の成長がよくなります。アブラナ科のハーブには、サラダやお料理の彩りに便利なクレソンやルッコラなどがあります。
・ダブルフラワーカモミール
ローマンカモミールの変種で多弁花、八重咲きの多年草です。花びらは、クリーム色で二重になっています。乾燥した花は甘い香りがし、一重の基本種に比べ香りが豊かなことからハーブティーに多用され、フランスで人気です。そのため、フランスでは、大規模な栽培が行われています。