ハマギク(浜菊)とは
ハマギク(浜菊)は青森県~茨城県の太平洋側に自生する野菊の一種です。海岸沿いでよく育つことから、浜の菊でハマギクと名付けられました。栽培の歴史は非常に古く、江戸時代には既に書物にハマギクの名前が残されています。手間のかからない丈夫な植物なので、庭植えや鉢植えとして親しまれています。
名前 | ハマギク(浜菊) |
学名 | Nipponanthemum nipponicum |
科属名 | キク科ハマギク属 |
原産地 | 日本 |
開花の時期 | 9月~11月 |
花の色 | 白 |
特徴 | 耐寒性がある、宿根草 |
花のようす
自生地に自然に育っているときは10cm~30cmほどの高さですが、庭で栽培すると1mくらいまで成長することもあります。涼しくなりはじめる9月ごろから、マーガレットやノースポールのような真っ白い花を咲かせ、初冬までの花壇を彩ってくれます。小花がまとまって咲くようすは花束のように素朴です。
ハマギクの花言葉
ハマギクは11月4日の誕生花で、花言葉は「逆境に立ち向かう」です。海岸沿いの風が強い場所でも負けることなく花を咲かせる力強さから、こうした前向きな花言葉がつけられました。難しい目標に向かって頑張っている人へのエールに、花言葉を添えてプレゼントしたい花ですね。
ハマギクに似た花
ハマギクは同じキク科に、よく似た花がたくさんある花です。開花の時期や花の大きさ、自生地などで区別できます。代表的なキク科の近縁種をいくつかご紹介します。
フランスギク
フランスギクは6月~7月の初夏のころに咲きます。へらのような形をした葉が特徴的で、ハマギク以上に寒さに強い品種です。北海道で自生しているのがよく見られます。
ヒナギク
10cmもの大輪の花をつけるのが、3月~5月に花を咲かせるヒナギクです。北アメリカやオセアニアに外来種として帰化していて、日本には明治時代に渡ってきました。暑さが苦手で、主に北海道に自生しています。
ノースポール
12月~5月という長い期間花を楽しめ、育てやすいことからガーデニングのシーンでも人気の品種がノースポールです。こちらは寒さに強いことが特徴で、関東以西であれば防寒対策なしで冬越しができます。小ぶりの花が愛らしい品種です。
カモミール
アロマキャンドルやハーブティーとしてよく名前の聞かれるカモミールも、ハマギクと同じキク科の植物です。主な分布はヨーロッパ~西アジアで、ほんのりとリンゴの香りがする花が特徴です。ハーブとして利用するのはもちろん、観賞用としても愛らしく人気があります。
ハマギクの育て方
海岸沿いという、塩分や風が強い過酷な環境に自生する植物です。耐寒性も耐暑性も強く、丈夫で育てやすいのでガーデニング初心者にも人気があります。白い花はどんな色の花とも相性がよく、寄せ植えにしても素敵です。大輪の花は存在感抜群で、葉も肉厚なので見応えがあります。
育て方①栽培環境
日当たりと通気性のよい場所でよく育ちます。基本的には1年中、日当たりで管理すればよいでしょう。庭植えの場合は水はけもよい場所を選んで植え付け、あまりにも西日が強い場所は避けた方が無難です。鉢植えの場合も日当たりのよい場所に置きます。夏場は半日陰に移してもよいでしょう。
育て方②植え付け
ポット苗や花の咲いた株が、秋になると園芸店に出回ります。そのまま庭に植え付けたり、鉢に植えたりして育てましょう。庭植えの場合の植え穴は30cmほどの深さで掘ります。庭土には、腐葉土やバーク堆肥を混ぜ合わせるのがおすすめです。
育て方③用土(鉢植え)
鉢植えに使う用土は、市販されている草花用の培養土で十分です。自身で配合する場合は、赤玉土と腐葉土、もしくはバーク堆肥を混ぜたものを用いるとよいでしょう。比率はだいたい2:1程度が適切です。
育て方④水やり・肥料
庭植えの場合、自然に降る雨だけで水やりはほとんど必要ありません。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。乾燥には比較的強い植物です。肥料についても、基本的には必要ありません。鉢植えの場合は様子を見ながら、成長期に液体肥料を施してもよいでしょう。
育て方⑤冬越し
マイナス3度まで耐えられる寒さに強い植物なので、冬場も戸外での冬越しが可能です。基本的には特別な手入れをする必要もありませんが、寒い地域で栽培する場合には、株元に落ち葉や腐葉土を敷いて暖かくしてあげると安心でしょう。
ボタニ子
次のページでも引き続き、上手な管理のコツを解説していくよ!