白木蓮(ハクモクレン)とは
ハクモクレンは、別名「ハクレン」「ビャクレン」とも呼ばれ、モクレン科モクレン属の植物です。樹高は約10~15mと高く、春先に真っ白な大きな花を咲かせます。原産地は中国で、漢名は「玉蘭(ぎょくらん)」です。花が咲くと共に、甘く強い香りを楽しめます。
白木蓮(ハクモクレン)と木蓮(モクレン)の違い
木蓮(モクレン)とは
モクレンは、モクレン科モクレン属の、様々な品種の総称です。総称ではありますが、日本では一般的に「モクレン」と言うと「紫木蓮(シモクレン)」を指します。花の形が蓮(はす)に似ていることから、木に咲く蓮(はす)で木蓮(モクレン)と呼ばれるようになりました。
白木蓮(ハクモクレン)と紫木蓮(シモクレン)の違い
白木蓮(ハクモクレン) | 紫木蓮(シモクレン) | |
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科名 | モクレン科 | モクレン科 |
属名 | モクレン属 | モクレン属 |
花の色 | 純白 | 赤紫 |
樹高 | 10~15m | 3~5m |
原産地 | 中国 | 中国 |
ハクモクレンとシモクレンの一番の違いは花の色です。ハクモクレンの花は全体が純白なのに対して、シモクレンは花の外側が赤紫色で、内側は白色または薄いピンク色をしています。ハクモクレンは落葉高木で樹高が高いですが、シモクレンは落葉低木で、大きくても5mほどまでしか育ちません。どちらも、冬から春への季節の変わり目に咲く花です。
マグノリアとは
マグノリアとは、世界各地のモクレンを交配させ、生まれた品種の総称のことを言います。モクレンは日本・中国・ヒマラヤ地域・北米が原産地で、野生種は90種にのぼります。また、モクレン属は英語でMagnolia(マグノリア)と表記されます。つまりマグノリアとは、モクレンと同じく、モクレン全体を指す言葉です。
英語でマグノリアとは?
マグノリアは英語で「泰山木(タイサンボク」を意味します。ルイジアナ州やミシシッピ州では州の花とされ、アメリカの人にとってはモクレンよりもなじみの深い植物です。そのため英語では「マグノリア」はモクレンではなく「タイサンボク」を現わすようになりました。タイサンボクは、6~7月頃に白い花を咲かせる、北米原産のモクレン科の常緑樹です。
白木蓮(ハクモクレン)と辛夷(こぶし)の見分け方
辛夷(こぶし)とは
こぶしは、モクレン科モクレン属の植物で、別名「田打ち桜(たうちざくら)」「種蒔き桜(たねまきざくら」とも呼ばれます。樹高は8~20mと高く、冬から春へ季節が変わる3月中旬~4月に、白い花を咲かせるのが特徴です。花だけでなく、葉や枝からも、さわやかな香りを楽しめます。
辛夷(こぶし)は生薬としても人気
こぶしの花のつぼみを乾燥させたものを「辛夷(しんい)」と呼び、古くから生薬として人気です。辛夷には、鎮静や鎮痛効果、抗炎症作用、発汗作用、鼻の通りを良くする作用が期待できる成分が多く含まれています。そのため、風邪、頭痛、鼻炎、くしゃみ、鼻水などの薬に利用されることが多いです。
ボタ爺
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