失敗を防ぐ剪定の仕方とは
手塩にかけて育てたもみじ。しかし、剪定の仕方をまちがえると、最悪の場合枯れてしまう可能性もあるのです。あとで後悔しないように、しっかりと注意点を押さえましょう。
失敗を防ぐポイント①剪定の時期に気をつける
樹液の流出がはげしい時期を避けて
前出の季節ごとの剪定のところでも書きましたが、芽吹きが始まる少し前から紅葉し葉が落ちるまでは、原則として強剪定はしません。とくに樹液の吸い上げが始まってからの剪定は、多くの樹液を流失させてしまうことになるので厳禁です。木を傷めないよう、剪定の時期はきちんと守りましょう。
失敗を防ぐポイント②剪定する場所に気をつける
自然な樹形を心がける
生垣やトピアリーのように刈り込んで形を作るのに適した樹木もありますが、もみじはのびやかな枝と楚々とした葉を鑑賞するもの。剪定の際には、不自然な場所でブッツリ切るようなことは避けましょう。現状だけに注目するのは失敗のもと。将来を予想し、このまま伸びていって欲しい枝なのか、それとも伸びていくと他の枝を邪魔してしまうのかを想像しながら切っていくとうまくいきます。
低く小さくまとまるようにする
もともともみじは落葉高木。放っておくとぐんぐん大きくなり、10メートルもあるような大木になります。公園や野山ならいいのですが、庭木としては場所を取りすぎてしまうので気をつけます。根の張り具合や気候などによって急に大きくなることもあるので、普段から木の様子をよく観察しておきましょう。
失敗を防ぐポイント③切り口の処理に気をつける
切り口を放置したことで病気になってしまうことも
とくに太い枝を切ったときや、じめじめした梅雨時期に気をつけたいのが切り口の処理。人間も切り傷を消毒して抗生物質入りの軟膏を塗ったりしますが、あれは弱った部分への感染を防ぐためです。木もやはり生き物ですから、切り口には保護剤をぬって虫の侵入や雑菌の感染から守りましょう。切り口の保護剤はホームセンターで購入できます。
もみじのおしゃれな演出方法
おしゃれな演出方法①ライトアップする
昼間お日さまの下で見るもみじはもちろん、夜の暗闇のなかで光に浮かび上がるもみじもまた幻想的でいいものです。何本も続く大木のライトアップの壮観さを、庭の一本のもみじの木で再現しましょう。もみじを肴(さかな)に月見酒というのもオツなものです。
おしゃれな演出方法②テーブルセッティングに利用する
庭のもみじを剪定した際に出た枝ごとテーブルに飾ったら、手軽に四季を楽しむおしゃれな食卓の完成です。また、来客にむけ菓子皿に洗ったもみじの葉を添えても、話題にあがって話がはずむこと請け合いです。
おしゃれな演出方法③葉っぱアートに利用する
押し葉
葉っぱアートの基本といえば、やっぱり押し葉。子供と葉を摘むところから一緒にやっても楽しいもの。色止めにクエン酸を使うと、長く新鮮な色が楽しめます。
レジンのモチーフ
染色したもみじの葉を、レジンのなかに入れ込んで作ったおしゃれな箸置き。レジンの材料は手芸店やホームセンターのクラフトコーナー、100円ショップでも手に入ります。
生け花
秋の草木や花を投げ入れ風にガラスの花瓶に活けてもおしゃれです。もみじは水が下がりやすいので、活ける前に枝の切り口に十字に切り込みを入れたり、ハンマーで叩いたりしてしっかりと吸水させると長持ちします。
ハーバリウム
もみじの葉入りハーバリウム。お花だけで作るハーバリウムよりも、さらに自然な感じに仕上がります。小瓶に小さな秋を閉じ込めて窓辺におきたいですね。
おしゃれな演出方法④幼木でBONSAIづくり
いま海外で話題のBONSAI。従来の「おじいちゃんが庭先で趣味としてするもの」といった概念を払拭し、アートとして注目されつつあるのをご存じでしょうか。専門書も出版され、日本の職人のところに弟子入りするため、ヨーロッパから来日する人が現れたりしているのです。
海外の人にとっては、ちいさな植木鉢のなかに木の生態そのもののミニチュアが息づいていることがアメージングなのだそう。気がつくと庭の片隅にこぼれダネから育った幼木を見つけることがありますが、これを掘り上げてBONSAIのように仕立て、外国人の友達にプレゼントしたら喜ばれるかもしれません。
まとめ
もみじは見てよし食べてよし
いにしえから私たち日本人の心をつかんではなさない、もみじ。正しい剪定とお手入れで、上手に育てていきたいですね。さて、そろそろお茶でも。お茶うけはもちろん、美味しいもみじ饅頭で!
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