水耕栽培とは
水耕栽培とは、土を使わずに、栄養素を溶かし込んだ水だけで植物を育てる方法です。水耕栽培用の養液には、植物の成長に必要な栄養がすべて含まれています。近年注目されている植物工場でも、水耕栽培方式が主流で、天候や気候に左右されず安全性が高いと評価されています。レタスやカイワレ大根などが有名ですね。
水耕栽培のメリット
土は植物が育つうえで重要な役割を持っていますが、半面、メンテナンスに手間と労力と知識が必要です。肥料やpHの調整、連作障害の対策、水はけの工夫などが必要となってきますし、毎日の水やりも大変です。また、使用した後の土は手間暇をかけて処理する必要があります。その点、水耕栽培は気軽にトライできるメリットがそろっています。
メリット①土づくりの知識が不要
水耕栽培では、土づくりの知識は必要ありません。水耕栽培で使う液肥は、植物の生長に必要な栄養素がすべて最初から含まれているので、むずかしい知識は必要ないのです。水に肥料を溶かすだけで植物が元気に育ってくれるよう、ちゃんと設計されています。初心者でも簡単に始めることができます。
メリット②狭いスペースでも大丈夫!
水耕栽培は土を使わないため、土で汚れるということがありません。土づくりのためのスペースも必要ありませんし、鉢の下に受け皿も不要なので、狭いスペースで栽培することができます。ベランダはもちろん、アパートやマンションの室内や、オフィスでも気軽に始めることができます。
メリット③無農薬で育てられる
土を使わないので、土壌が原因の病気がありませんし、虫も寄り付きにくくなります。農薬を使わなくても元気に育てることができます。無農薬で育てられると、生のまま使いたいキッチンハーブなどは特に安心して使うことができますね。
水耕栽培の養液とは
室内でも育てられる水耕栽培は魅力的ですね。水耕栽培では土の代わりに養液を作って、その養液で育てます。
水耕栽培では、必ず水耕栽培専用の肥料を使用します。土での栽培用の肥料は栄養成分が違いますので使用できません。ハイポニカ液肥が扱いやすく初心者向きで、ネットで購入ができます。
養液の作り方
ハイポニカ液肥
ハイポニカ 水耕栽培 液体 肥料 500mL
参考価格: 1,380円
ハイポニカ液肥にはA液とB液があります。A液とB液を同量はかり、それを水で500倍に薄めて養液を作ります。例えば、バケツに水2リットルをまず入れます。そこにA液4ccを入れます。次にB液4ccを入れます。よくかき混ぜれば出来上がりです。注意する点は、A液とB液を直接混ぜ合わせず、別々に水に投入します。作った養液は、冷暗所で1~2週間保存することができます。
養液の使い方
養液は容器の3分の2ぐらいまで入れて植物を育てます。根が上のほうまで完全に養液に浸かってしまうと、空気を取り込めなくなり根腐れしてしまいます。上部の空間はあけておくようにしましょう。植物が成長してくると養液が減ってくるので、その都度補充します。ひと月に一回ほどの割合で、養液を全量交換します。
それではさっそく、ハーブの水耕栽培を始めてみましょう!まずは種まきから始める方法です。卵パックなど身近な材料を使って始めることができます。
ハーブの水耕栽培①種から育てる
まず、卵パックは上ぶたの部分を切り取っておきます。スポンジを卵パックの穴に合わせてカットします。スポンジに十分水を吸わせて、卵パックに設置します。一つのスポンジに1~2粒ずつ種を置きます。スポンジの3分の1から半分ほどの高さまで水を入れます。卵パックのほかに豆腐やイチゴのパック、タッパーなど平らな容器でも同じようにスポンジ苗床を作ることができます。本葉2~3枚まで育てて、大きい容器に植え替えます。
種まきに適したハーブ
種での増やし方に適したハーブは、発芽率が高く、苗が育てやすいハーブです。おすすめはバジル、ルッコラ、ミツバ、チコリなどの草本性のキッチンハーブが最適です。種まきの時期は土での種まきの時期と同じですが、温度が調整できる室内まきならば、多少時期がずれても、発芽適温になっていればちゃんと発芽してくれます。
出典:写真AC