ベランダなどに現る「赤くて小さな虫」の正体とは？生態と駆除方法を解説！

これまで問題にならなかったカベアナタカラダニが問題視されはじめたのはなぜでしょうか？小さな赤い虫と住まいの歴史にも書いていますが、それは日本人の生活環境やライフスタイルの変化に伴って、カベアナタカラダニが棲みやすい環境になってきたためです。

カベアナタカラダニが、コンクリートの建造物に大量に発生するのは、花粉が飛散するシーズンにあたり、壁やコンクリート、アスファルトなどの細かい穴に花粉がたまりやすく、その花粉を目当てに集まります。また古くなったコンクリート、ブロックにはひび割れや地衣類が生え、棲家や産卵場所として最適な条件が整っています。

カベアナタカラダニが壁をよじ登ってベランダや窓際、家の中、部屋の中、屋上まで這い上がってくるのは、エサである花粉などが多数落ちていて、人気が少ないためです。また日がよく当たるためカベアナタカラダニとしては過ごしやすい環境のようです。

庭やベランダでガーデニングをされている方は多数いらっしゃるかと思います。カベアナタカラダニが庭やベランダの花についているのは、花の花粉を食べにきているのです。アブラムシを食べることもあり、花に悪影響を与えることはありません。

インスタグラムの動画を見ると、カベアナタカラダニが大量に発生している場所は、塗装は剥がれ一部クラック（ヒビ割れ）があります。こういう環境が、カベアナタカラダニにとって都合の良い場所になります。
 

カベアナタカラダニが棲みにくい環境を作るために、自宅の庭、ベランダ、屋上、玄関アプローチ、外壁、塀、目地部分に不良箇所がないかチェックをしましょう。職場でカベアナタカラダニが毎年発生して、困っておられる方も同様のチェックをしてください。

建物がどういった素材を使っているのかを、知ることも大切です。もし補修をDIYで行うときに、素材の知識があれば作業がやりやすくなるからです。建物の主な素材やチェック項目は以下の通りになります。

1. 敷石
2. レンガ
3. タイル
4. コンクリート・インターロッキング

1. 窯業系サイディング：サイディングとは、外壁の表面に仕上げとして固定するパネルのことです。
2. モルタル
3. RC（鉄筋コンクリート）
4. ALC（内部に気泡の穴が空いているコンクリート）
5. レンガ
6. タイル
7. 漆喰

1. タイル張り
2. レンガ積み
3. 化粧ブロック積み
4. 自然石張り
5. コンクリート打放し
6. 吹付（洋風）

建造物にコケや地衣類が生えている場合は、カベアナタカラダニの棲家になりやすいため、家庭用高圧洗浄機とデッキブラシで徹底的に洗い流しましょう。家庭用高圧洗浄機が1台あるだけで、いろんな用途に使えて何かと便利です。外壁を洗浄する場合は、塗装が傷まないように水圧を加減してください。

家庭用高圧洗浄機がない場合は次亜塩素酸ナトリウムを、コケ、カビ、汚れている箇所にスプレーし、30分くらい放置したあとは、水をかけながらデッキブラシや洗車ブラシなどで擦り落としてください。綺麗になったら、もう一度スプレーしてください。コケ、カビの発生防止になります。

隙間やヒビ割れは、カベアナタカラダニの格好の産卵場所になります。つまり卵を産み付けている恐れがありますので、隙間、ヒビ割れの中を、ワイヤーチューブブラシなどで、卵を掻き出すように洗浄してください。十分に乾いてから、シリコンコークなどで充填して補修します。

ビルの屋上で防水処理が必要な場合は専門の業者に相談しましょう。施工方法が難しく手間がかかりますし、気軽にDIYでできる施工ではありません。自宅のベランダも防水処理をする場合は、専門の業者に相談するほうが無難です。DIYが可能なのは、トップコートの施工ぐらいです。

洗浄、補修作業はカベアナタカラダニが発生したシーズン後の9月～翌年2月までに行うことで、棲家やエサになるコケや地衣類、隙間やヒビ割れの中に産み付けた卵の処分ができます。翌年はカベアナタカラダニの大量発生を抑えることができるでしょう。なお晴天が続く週に作業をしてください。

DIY（Do It Yourself）ができるヒビ割れ、亀裂の目安は幅1mm以下です。幅が1mm以上のヒビ割れの場合、亀裂が深い場合、高所作業になる場合は専門の業者に相談しましょう。補修材料を購入するときは、素材、補修箇所、内容などをホームセンターの人に相談してから購入すると適切な補修材料が手に入りやすくなります。

賃貸住宅や分譲マンショにお住いの方は、建物の管理規約がございます。賃貸住宅で建物に不良箇所がある場合は、管理会社にお問い合わせください。分譲マンションの共用部分（ベランダ、廊下等）に不良箇所がある場合は、管理組合の役員様にお問い合わせください。

毎年カベアナタカラダニが家の中に侵入し困っているご家庭では、花粉が部屋に入らないように注意しましょう。