大輪で豪華なアメリカフヨウ
昭和初期、アメリカフヨウは日本に渡来しました。朝咲いて夜にはしぼむ一日花です。6月~9月の花期は、夏の強い日差しに負けずにきれいな花を咲かせます。大輪品種は株が充実するほど大きな花をつけ、冬になると地上部は枯れて根株で越冬します。翌春は枯れた茎のそばから再び芽がでる、大型の宿根草です。
アメリカフヨウの基本情報
学名 | Hibiscus moscheutos L. |
別名 | 草芙蓉(くさふよう)、スワンプローズマロー、芙蓉葵 |
科名 | アオイ科 |
属名 | フヨウ属 |
原産 | 北アメリカ |
草丈 | 100~200cm |
葉 | 5~20cm |
花 | 15cm~30cm |
アメリカフヨウの種類
品種名 | 特徴 | 色の種類・色の名前 |
ディスコ・ベル | 乾燥に強い 花径20㎝の小型の改良品種 |
赤/白/ピンク |
ルナ | 大輪系 色のバリエーションが多い品種 |
ルナレッド/ルナホワイト/ルナピンク/ルナローズ |
サウザンベル | 花は30㎝と大輪 日本で改良された人気の品種 |
赤/白/ピンク/複色 |
タイタンビカス | アメリカフヨウとモミジアオイの交配品種 赤塚植物園が開発 |
ブライトレッド/ピーチホワイト/ピンク/ローズ |
カルーセル | コンパクトで葉は緑と黒のミックス もみじ葉型の品種 |
ピンクパッション/ピンクキャンディ/ジュリーハート/ファンタジア |
アメリカフヨウの栽培ポイント
ポイント①株分け
アメリカフヨウは、種まきと挿し木、株分けの3つの方法で増やします。株分けの場合は、大きく育った株を地上部が枯れた休眠期に掘り起こし、太い根が残るように2つ~3つに株分けして植え替えます。株分けの適期は3月ごろです。芽吹きは遅く、春の終わりごろです。株元から新芽がでたら、夏に向けて日増しに大きくなるため、広い場所に植えましょう。
ボタニ子
種まきと挿し木は4月~5月が適期です。
ポイント②病気・害虫
葉にはハマキムシ、つぼみや花はコガネムシの食害に注意します。食害によって枯れることは少ないですが、咲いた花の見た目が悪くなります。見つけ次第、捕殺しましょう。また、アメリカフヨウがかかる病気はほとんどありません。丈夫で育てやすい点で、初心者にも向いています。
ボタニ子
次はアメリカフヨウの育て方を紹介するよ!
アメリカフヨウの栽培1年目
筆者のプロフィールと栽培環境
家庭菜園の経験年数 | 2年 |
アメリカフヨウの栽培経験 | なし |
栽培地域 | 神奈川県 |
栽培環境 | 東南で日中はよく陽の当たる場所 |
※出典記載のない栽培日記の画像は、すべて筆者の撮影画像です。
種の前処理
アメリカフヨウの栽培を始めるには、春に園芸店で苗を手に入れる方法と、種まきをする方法があります。苗は一夏で大きく育つため、地植えするか、一回り大きな鉢へ植え替えましょう。種から育てる場合は、小さなポットに種まきをします。種はとても硬く休眠しているため、前処理をして発芽をうながします。
前処理①ポリ袋に水と一緒に入れる
野菜の種を吸水させるときによく使う方法です。水と種をポリ袋に入れて一晩おきます。
前処理②湯につけておく
アオイ科の種は80℃の湯を注いで一晩おくと早く発芽します。冷めたお湯がほんのり茶色く色づいていました。
前処理③傷をつける
紙やすりで削るか、傷をつけて吸水しやすくします。今回は、清潔なカッターナイフで小さな傷をつけました。
ボタニ子
種がたくさんあったから、3つの方法を試してみたよ!
アメリカフヨウ栽培1日目:種まき
種まきは4月~5月に!
アメリカフヨウ栽培8日目:発芽
アメリカフヨウ栽培15日目:発芽
アメリカフヨウ栽培26日目:双葉
アメリカフヨウ栽培45日目:本葉
アメリカフヨウ栽培108日目:植え替え
アメリカフヨウ栽培193日目:1年目まとめ
開花は7月~9月
ボタニ子
日当たりがよくなかったみたいだね。来年は咲くといいな!
アメリカフヨウの栽培2年目
前年秋に葉を落として休眠した場所から、新芽が出てきました。種を植えてから369日目のことです。ツヤのあるきれいな芽です。種から発芽したときの茎の太さとは違い、とても太い茎がみえるので、今シーズンの開花が期待できます。
アメリカフヨウ栽培374日目:葉の展開
アメリカフヨウ栽培417日目:つぼみ
アメリカフヨウ栽培437日目:花弁
アメリカフヨウ栽培438日目:開花
アメリカフヨウ栽培519日目:種の採取
ボタニ子
保管した種を植えるときは、夜間の気温が15℃を下回らなくなった4月~5月だよ。忘れないでね!
アメリカフヨウは育てやすい宿根草
栽培2年目は梅雨が長引いたこともあり、開花が少し遅くなりましたが、花の大きさや数は期待どおりでした。株元の幹も太くなったので、来年の目標は株分けです。気温が35℃を超える真夏日は庭の手入れも大変ですが、アメリカフヨウは手間をかけなくても毎日きれいな花を咲かせました。夏を彩る宿根草コレクションにおすすめです。
出典:筆者撮影