レモンマートルとレモンとの違い
レモンとレモンマートルどのような違いがあるのでしょうか。基本的なポイントを確認しておきましょう。
違い①植物分類
レモンという同じ名前が付いた2つの木ですが、そもそもの植物分類が異なります。レモンマートルは先述したようにフトモモ科の木ですが、レモンはミカン科に分類される木です。
違い②利用部位
周知のとおり、レモンは果実を食用として利用することがほとんどです。一方、レモンマートルは主に葉をハーブや精油の原料として利用します。また、葉だけではなく、花や実、枝もさまざまな方法で活用されます。
違い③香りの主成分「シトラール」の含有量
レモンの香りの主成分は「シトラール」と呼ばれるテルペンアルデヒド類に分類される芳香成分です。このシトラールをレモンマートルは豊富に含有し、その量はレモンの20倍ほどにもなるといわれています。
レモンマートルの利用法
アボリジニたちの生活に根付いた植物であったレモンマートルですが、現代では「レモンよりレモン」らしい植物として世界の人々に知られるところとなり、さまざまな形で利用されるようになりました。レモンマートルを原料とするいくつかの利用例をご紹介しましょう。
利用法①香料
レモンマートルの特徴は、何といってもその清々しいレモンの香りを強烈に持つことです。レモンの香りの主成分であるシトラールを多量に含みます。葉を原料とし、そこから抽出されたオイルは香料や精油、香辛料などとして活用されています。
利用法②抗菌剤
アボリジニたちに薬として活用されてきた歴史を持つだけあって、レモンマートルの精油(オイル)には抗菌性があることも認められています。水いぼなどに効果があるとされており、現在でも健康や美容によいものとして石鹸や化粧水などにも利用されています。その抗菌性の高さから、レモンマートルの精油は原液で肌につけられません。
利用法③害虫忌避
レモンマートルの香りには、レモンの香りを嫌う虫を遠ざける効果があるとされています。庭などに植栽する際は、うまく取り入れられれば害虫被害を減らすことも狙えるでしょう。ただし、カイガラムシやハマキムシなどはレモンマートルにとっても害虫で、食害します。栽培の際は注意しましょう。
利用法④料理
レモンマートルは料理にも利用されています。葉を乾燥させてハーブティーとしたり、乾燥した葉を粉砕したものを混ぜ込んでパウンドケーキなどにも活用できるうえ、熟して黒くなった実も食べられます。
日本でも栽培・商業化がはじまる
世界に流通するほとんどのレモンマートルはオーストラリアで栽培されていますが、近年ではその価値に注目が集まり、日本の静岡県などでも栽培が開始されました。これからより一層、生活に溶け込んでいくことが予想されます。
さまざまな活用方法がレモンマートルにはあるんだね。詳しく料理方法も知りたいな!