ユーカリは人気急上昇中の木
ユーカリは、オーストラリア原産のフトモモ科の木です。コアラが主食にしていることや、ハーブやアロマオイルの用途で有名ですが、葉っぱの美しさや香りのよさから日本でも人気が出ています。地植えにすると数10mにもなる品種が多いユーカリですが、鉢植えでの管理も可能なものも多く、日本でも栽培に挑戦する人が増えてきている人気の木です。
ユーカリの種類は1000以上?
日本のホームセンターや園芸店で見かけられるユーカリの種類は限定的で、ユーカリ・ポポラスやユーカリ・グニーなどが定番のところでしょう。しかし、ユーカリは種類が非常に多く、種類は700以上、亜種や変種を含めると1000種を超えるといわれています。
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ユーカリの見分け方は、「樹高」「葉っぱの色」「葉っぱの形」「香り」などがポイントじゃ。
丸葉ユーカリの種類と特徴・見分け方
ユーカリの葉は「丸葉」「細葉」「糸葉」に大きくわけられます。丸葉には、卵型、楕円型、ハート形などが含まれ、ほかの植物にはあまり見られないかわいらしい姿から人気です。
①ユーカリ・ポポラス
ハート形の葉っぱでユーカリブームの火付け役に
ポポラスは、楕円形に広がったかわいい「ハートリーフ」が人気です。株元から、何本も枝が伸びあがる樹形も美しく、育てやすいため観葉植物のようにも利用されます。また、ポポラスの葉は、厳寒期には紅葉し、枝の先端につく実「ポポラスベリー」も花材に人気です。このような観賞価値の高さから、ユーカリブームの火付け役となりました。ユーカリをはじめて育てる人におすすめの品種です。
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ポポラスは丸いハート形の葉をもつユーカリのなかでも知名度が高く、マルバユーカリやハートリーフユーカリの別名があります。
②ユーカリ・グニー
ユーカリのなかでもトップクラスの耐寒性
ユーカリ・グニーの魅力は高い耐寒性です。地植えで十分に根付いた木であれば、-20℃にも耐えるといわれています。ポポラスと似た葉の形と樹形ですが、ポポラスに比べてグニーのほうが葉が小ぶりです。また、グニーは香りが強く、葉っぱを触ると清涼感あるアロマを楽しめます。
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ユーカリ・グニーは別名「シルバードロップ」で販売されていることもあります。
③ユーカリ・ベイビーブルー
コンパクトな樹高で庭木におすすめ
地植えすると樹高が数10mになることもあるユーカリですが、ベイビーブルーは園芸用に改良されているため、樹高4~6m前後と育てやすい大きさにまとまります。直射日光を好むため、日当たりのよい庭のシンボルツリーなどにもおすすめです。
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ユーカリは成長すると葉の形が変わるが、ベイビーブルーは丸い葉のままなんじゃ。樹形も特徴的で、脇芽で横に広がるぞ。
④ユーカリ・シネレア
育てやすく観賞価値の高いシルバーリーフ
銀丸葉ユーカリは、きらきらと光るシルバーリーフの美しさが魅力です。花屋や花材店で「ユーカリ」と販売されているものの多くがシネレアです。耐寒性が高く、関東以西であればベランダや屋外での冬越しもできます。ホームセンターや園芸店でも多く出回っており、育てやすく、観賞価値の高いおすすめの品種です。幼木の間は丸い葉ですが、成長するにつれて細長い葉に変化します。
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「シネレア」は呼び名が多く、「銀丸葉ユーカリ」「ユーカリ・シルバーダラー」と呼ばれることもあるぞ。
⑤ユーカリ・ウェブステリアナ
切込みの深い美しいハートリーフ
ウェブステリアナの人気のポイントは、美しいハートリーフです。ハート形の葉をつけるユーカリは数多くありますが、ウェブステリアナの葉の造形の美しさは群を抜いているといわれるほどです。成長速度も非常に緩やかなため、大きく育ちがちなユーカリのなかでも管理しやすい品種でしょう。
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ウェブステリアナは「オービフォリア」「ディシペンス」とそっくりで、この3種は素人には見分けられないといわれておる。
⑥ユーカリ・ペリニアナ
葉の中央を突き抜ける茎がネックレスのよう
ペリニアナの魅力は、葉の中央を茎が貫く面白い造形です。丸い葉をまるでビーズのように茎がつないでいます。耐寒性は非常に高く、地植えであれば-15℃ほどまで耐え、成長速度も緩やかなため、管理しやすく育てやすい品種といえます。
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ペリニアナのような葉を持つものをツキヌキユーカリと総称します。そのため日本でのペリニアナの別名はツキヌキユーカリです。
細葉・糸葉ユーカリの種類と特徴・見分け方
①ユーカリ・グランディス
フローラルな香りが魅力
ユーカリ・グランディスは、ユーカリの清涼感ある香りに加え、バラのようなフローラルな香りが特徴です。フローラルの香りがするユーカリは珍しく、「ローズガム」と呼ばれる理由でもあります。
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グランディスは成長が早く、生育条件があえば40mにも成長するんじゃ。そのため、砂漠の緑化や木材にも利用されているぞ。
②ユーカリ・グロブルス
アロマの精油に使われる有名な香り
アロマのユーカリの精油に使われる品種は、グロブルスがほとんどで、ユーカリのなかでも清涼感が強く、グロブルスの隣を横切っただけでも香りを感じられます。グロブルスの葉っぱはハーブティーや入浴剤にも使えるため、ユーカリの香りを楽しみたい人におすすめです。
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ユーカリ・グロブルスはタスマニアン・ブルーガムの別名でも有名です。
③ユーカリ・ビコスタータ
育てやすく大きな葉が魅力
ユーカリ・ビコスタータは、ユーカリ・グロブルスの亜種です。グロブルスの強い芳香をもちながら、グロブルスよりは樹高がコンパクトに収まります。数あるユーカリのなかでも、大きな葉をつけるのが魅力で、ユーカリの葉をハーブに利用したい人におすすめです。ビコスターターはホームセンターなどでも販売されています。
④レモンユーカリ
虫除け効果もあるレモンの香り
レモンユーカリは、名前のとおり、さわやかなレモンの香りが特徴です。アロマの精油の原料にも使用されており、「ユーカリの香り」で有名なユーカリ・グログルスに匹敵するほど強い香りをもちます。日本の気候でも育てやすく、手に入りやすい品種のため、ユーカリ初心者にもおすすめです。
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レモンユーカリ温暖な季節ではぐんぐん大きく育つので、鉢植えでの管理がおすすめですよ。
⑤ユーカリ・ビリディス
しなやかで繊細な細葉ユーカリ
ユーカリ・ビリディスは、まるで糸のような細い葉が特徴です。大きく育っても最大樹高は8mほどで、鉢植えでコンパクトに育てることも可能です。風になびく葉が美しく、繊細な姿をしていますが耐寒性も十分にあります。ほかの人とは違うユーカリを育ててみたい人におすすめです。
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「細葉ユーカリ」といえばこのユーカリ・ビリディスをさすことも多いぞ。
なぜユーカリには別名が多いの?
たとえば、シネレアは、学名のEucalyptus cinerea ssp. cinereaにちなみます。しかし、現地での愛称はSilver Doller Gum、Argyle Applなどです。日本では銀丸葉ユーカリの名前が付けられています。このように、シネレアなどの有名なものは複数の別名をもちます。
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定番といわれる品種だけでもそれぞれ特徴があって、ユーカリに興味が出てきました。
ボタ爺
1000種あるといわれるユーカリじゃから、みているだけでもおもしろいな。次はレア品種や今後人気が出そうな品種をチェックじゃ。
1000種類にものぼるユーカリの種類を見分けるのは難しそうですね。