フタバアオイと日本の歴史
フタバアオイ(双葉葵)は、日本では昔から古典園芸植物として愛されてきました。また、日本の歴史とも深い関わりがあり、重要な役割を担ってきました。その中でも、京都の「葵祭」や徳川家の家紋「葵」の紋章にフタバアオイが題材とされていることは有名です。
京都賀茂神社の「葵祭」
フタバアオイは、京都の賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)を総称した賀茂神社の神紋です。大昔から続く「賀茂祭」が江戸時代に再興された際に、祭りに用いられる冠や御所車にフタバアオイを飾るようになったことから「葵祭」と呼ばれるようになりました。祭りで用いられるフタバアオイは下鴨神社と上賀茂神社の境内で育てられています。
- 「葵祭」は、毎年5月初めに京都の賀茂神社で行われます。
徳川家の「葵」の紋章
徳川家の家紋「葵」の紋章の絵柄は、フタバアオイの葉っぱが題材とされています。徳川家は松平家の時代から賀茂神社とつながりがあり、徳川家の将軍達は賀茂氏の氏子でもあったため、賀茂神社の神紋であるフタバアオイを家紋にしたと言われています。
「葵」の紋章は三つ葉ですが、フタバアオイの葉っぱを1枚足して構成されており、三つ葉の葵は想像上のものとされています。また、武家の家紋にはフタバアオイの他にも、雑草をモチーフとして描かれたものが多く存在するのです。
フタバアオイの育て方
フタバアオイ(双葉葵)は町中ではなく山地や林の日陰で生息しているイメージがありますが、日の当て方や土選び、水やりなどのポイントに気をつけていれば、ご家庭でも意外と簡単に育てることができます。フタバアオイの育てる上でのチェックポイントを確認していきましょう。
- 移動しやすい植木鉢で育てること
- 強い日差しや直射日光は避けること
- 水はけのよい土を選ぶこと
- 土の表面が乾いたら、たっぷりの水を与えること
移動しやすい植木鉢で育てる
フタバアオイの苗を植える時には、持ち運びのしやすい3〜5号の鉢植えを選びましょう。成長期である冬〜春は、たくさんの日光を浴びたほうがよく育ちますが、日差しが強くなる夏頃からは風通しのよい明るい日陰で育てましょう。季節や日差しの強さによって、植木鉢を移動させましょう。
- フタバアオイの花の開花時期は3〜5月のため、苗を植える時期は3月初旬〜4月中旬が適しています。
強い日差しや直射日光は避ける
フタバアオイは直射日光など強い日差しを浴びると、自分で葉っぱを落としてしまいます。また、もともと山地や林などの日陰を好んで生息する植物のため、苗を植えたばかりの成長期以外は風通しのよい明るい日陰に置いてあげましょう。
- 夏場などの日差しの強い時期は、レースのカーテンや簾を上手く利用しましょう。
水はけのよい土を選ぶ
フタバアオイは土の水分量が多すぎると、根腐れを起こして枯れてしまいます。普通に市販されている土に少し荒めの砂や軽石などを混ぜることにより、適度な水分量を保ちつつ、余分な水分を逃がしてくれます。また、「腐葉土」は少し混ぜると土の栄養補給にもなり、自宅でも簡単に作ることができるのでおすすめです。
土の表面が乾いたら、たっぷりの水を与える
フタバアオイは、水分量が多すぎても少なすぎても枯れてしまいます。毎日同じ量の水を与えるのではなく、土の表面が乾いた時にたっぷりの水を与えるようにしましょう。梅雨の時期など長時間雨が降り続ける場合は、屋根のあるところに移動し、水分量の過湿を防ぎましょう。
- 苗を植えたばかりの時や成長期には、水分の吸収力が強いので土の乾燥には注意しましょう。
- 冬になると葉っぱは落ちてしまいますが、また春になると新しい葉っぱが生えてくるので、冬場の水やりも忘れないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回はフタバアオイ(双葉葵)の特徴や花言葉、育て方などを紹介しました。山地や林の日陰に生息する「雑草」というイメージを持つ方もいますが、実は小さなかわいらしい花が咲き、ご家庭でも育てることができる身近な植物なのです。ぜひ、フタバアオイを育ててみましょう。
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